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2021/10/08

既治療の進行頭頸部扁平上皮癌にEGFRとLGR5の二重特異性抗体MCLA-158が有用な可能性【AACR-NCI-EORTC 2021】

横山勇生=編集委員

 白金系抗癌薬ベースの化学療法と免疫チェックポイント阻害薬の投与歴のある進行頭頸部扁平上皮癌HNSCC)に対して、EGFRLGR5に対する二重特異性抗体であるMCLA-158が有用な可能性が明らかとなった。フェーズ1試験の中間解析で安全性は管理可能であり、有望な抗腫瘍活性が認められた。10月7日から10日にWEB上で開催されているthe AACR-NCI-EORTC Virtual International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics(AACR-NCI-EORTC 2021)で、フランスGustave Roussy Cancer CampusのAntoine Hollebecque氏が発表した。

 LGR5(leucine-rich repeat containing G protein-coupled receptor 5)は膜貫通型受容体で、特にがん幹細胞に関連していると考えられている分子。MCLA-158は抗体依存性細胞傷害活性を高めた二重特異性抗体で、患者由来のHNSCCを移植したモデルで抗腫瘍活性を発揮することが確認されている。

 フェーズ1試験の用量漸増パートは終了し、用量制限毒性は認められず、MCLA-158は28日間を1サイクルとし、2週おきに1500mgを投与することがフェーズ2推奨用量と決められた。フェーズ2推奨用量で固形癌を対象に投与する拡大パートが行われている。拡大パートの主要目的は安全性と忍容性の評価で、副次目的は研究グループの評価によるRECISTv1.1に基づく抗腫瘍効果、薬物動態、免疫原性の評価だった。抗腫瘍効果の評価は8週おきに行われた

 中間解析のデータカットオフは2021年8月9日で、進行HNSCC患者10人が登録されていた。データカットオフ時点で1回目の抗腫瘍効果の評価が行われていなかった3人を除く7人で抗腫瘍効果が調べられた。

 10人の患者背景は年齢中央値が65歳(50-77)。男性が9人、ECOG PS 1が6人だった。腫瘍の部位は咽頭が4人、舌が3人、中咽頭、下咽頭、原発不明が1人ずつ。EGFRのH-scoreは5人の中央値が140(50-300)、EGFR IHCスコア2+が1人、3+が4人だった。10人全員が白金系抗癌薬ベースの化学療法を受けており、9人がPD-1(L1)阻害薬の投与を受けていた。セツキシマブの投与を受けた患者はいなかった。

 試験の結果、7人中3人で部分奏効(PR)が得られた。病勢安定(SD)が3人、病勢進行(PD)が1人だった。全員で標的病変の縮小が認められたが、PDと判定された患者は非標的病変の進行と新規病変の出現が起きた患者だった。PRの1人はデータカットオフ時点は未確定PRだったが、データカットオフ後に完全奏効(CR)となった。PRの2人とSDの2人で投薬が継続されていた。

 拡大パートで投薬を受けた29人の固形癌患者において最も多く認められた副作用は輸注関連反応で、全グレードは72%、グレード3以上が7%、管理は可能だった。皮膚毒性は、軽度から中等度で重篤だったのは3%だった。治療関連のグレード4、5の副作用はなかった。また、毒性のために投薬中止となった患者はいなかった。

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