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2021/09/25

局所進行扁平上皮頭頸部癌の標準治療へのアベルマブ併用はシスプラチン不適格患者ではPFS改善傾向も適格患者では無効【ESMO 2021】

中西美荷=医学ライター

 フェーズ3試験GORTEC-REACH(NCT02999087)において、局所進行扁平上皮頭頸部癌LA-SCCHN)に対する標準治療へのアベルマブ上乗せは、高用量シスプラチン投与不適格の患者では無増悪生存期間(PFS)の改善傾向を示したが、適格患者では標準治療(SOC)に劣り、中間解析で無効中止の閾値をまたぐ結果となった。9月16日から21日までWEB上で開催された欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、スイス CHUV - Centre Hospitalier Universitaire VaudoisのJean Bourhis氏が報告した。

 試験では、対象をシスプラチン(100mg/m2 、3週ごと投与を3サイクル)の投与に適格のFitコホートと不適格のUn-fitコホートに分け、標準治療(SOC)へのアベルマブ併用の効果を検討した。

 SOCは、Fitコホートでは強度変調放射線治療(IMRT)70Gy/6.5週+シスプラチン、Un-fitコホートではIMRT+セツキシマブ(James A Bonner et al., N Engl J Med. 2006; 354(6): 567-78)。被検治療は両コホートともにIMRT 70Gy/6.5週+セツキシマブ+アベルマブ(10mg/kgをRT中は第7日に、終了後は2週ごとに12カ月間投与)とした。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、Unfitコホートでハザード比0.62(片側α=0.05、検出力80%)を得るためには277例で116イベント、Fitコホートではハザード比0.64(両側α=0.05、検出力80%)を得るために430例で166イベントが必要だった。

 主な登録基準はECOG PSが0または1の未治療未切除ステージIII、IVa、IVbのLA-SCCHN(腫瘍部位は口腔、下咽頭、咽頭、HPV p16陽性陰性を問わず中咽頭)で、2017年から2020年に707例(Unfit 40%、Fit 40%)を登録した。

 Unfitコホート277例の年齢中央値は67歳で36%が70歳以上、男性79%、喫煙者または禁煙者が88%で喫煙量は中央値で40pack-year、PSは0が41%、1が59%、中咽頭腫瘍が61%(35%がp16陽性)を占め、ステージはIIIが24%、IVaが56%、IVbが20%という集団だった。2例が同意撤回し、140例が被検治療群(アベルマブ併用群)、135例がSOC群に無作為割り付けされた。両群の患者背景はバランスが取れていた。

 Unfitコホートでは、PFS、局所-領域コントロール、遠隔転移における好ましい効果が認められたが、主要評価項目のPFSは満たされなかった。忍容性は良好だった。

 期間21.3カ月(四分位範囲14.6-28.3)において、アベルマブ併用群の2年PFS率は44%(95%信頼区間:35-53)で、SOC群の31%(95%信頼区間:23-40)よりも高かったが、補正ハザード比は0.84(95%信頼区間:0.62-1.15、片側p=0.14)で有意差は認められなかった。累積転移率はアベルマブ併用群で5.4%(95%信頼区間:1.5-8)で、SOC群の14.3%(95%信頼区間:8-20)よりも有意に低かった。補正ハザード比は0.31(95%信頼区間:0.13-0.72、p=0.007)。また2年局所領域再発率は、アベルマブ併用群で34%(95%信頼区間:26-43)でSOC群の44%(95%信頼区間:35-53)よりも低かったが、補正ハザード比は0.83(95%信頼区間:0.56-1.12、p=0.34)で有意差はなかった。2年OS率は両群で差がなかった。

 グレード3以上のAEsは主に皮膚炎、粘膜炎、嚥下障害で、発現頻度は両群で差がなかった(p=0.91)。アベルマブ併用群ではSOC群の3例よりも多い10例でグレード5のAEsを認めたが、いずれもアベルマブの使用と直接の関連性はなかった。

 コンプライアンスは両群ともに良好だった。RTの完遂率と治療期間中央値は、アベルマブ併用群93%、47.1日、SOC群97%、46.7日だった。セツキシマブは7回以上の投与がそれぞれ76%、80%。またアベルマブ併用群におけるアベルマブは、RT中に81%が最低4回の投与を受け、維持療法を開始できたものが83%で、治療サイクル数中央値は19(ほぼ40週)だった。

 Fitコホートは、430例が無作為割り付けされたが、解析のためのPFSイベント数に至っておらず、今回、317例で89イベントが生じた時点で行うことが計画されていた中間解析の成績が報告された。1年PFS率はSOC群の方が良好で、アベルマブ併用群64%(95%信頼区間:54-72)、SOC群73%(95%信頼区間:65-81)で、ハザード比1.27(95%信頼区間:0.83-1.93)は無効中止の閾値をまたいでいた。

 ディスカッサントのAmanda Psyrri氏(ギリシャAttikon University Hospital)は、化学放射線療法へのアベルマブ追加を検討したJAVELIN Head and Neck 100試験(NCT02952586)も、事前に規定された中間解析で無効中止となっていることに触れ、「ともに(対象が)バイオマーカーにより選択されていなかったことは残念」とした。ただ、JAVELIN Head and Neck 100試験は、事後解析でPD-L1高発現の患者でアベルマブ併用のベネフィットが示唆されたことにも言及した。しかし、いずれにしても現時点では、「シスプラチンFitの患者における標準治療は変わらない」、Unfit患者においても、主要評価項目が満たされなかったことから「変わらないだろう」とした。

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