このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/09/25

II-IIIA期NSCLCのアテゾリズマブ術後補助療法はBSCに比べ再発率が低く再発までの期間が長い【ESMO 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 手術と化学療法を受けた非小細胞肺癌(NSCLC)の術後補助療法として、アテゾリズマブと支持療法(BSC)を比較したフェーズ3試験のIMpower010試験において、2群の再発形式に違いはないが、アテゾリズマブ群のほうが再発率は低く、再発までの期間が長いことが明らかになった。またPD-L1発現が50%以上の患者でアテゾリズマブ群の無病生存期間(DFS)は優れていることも確認された。

 スペインVall d’Hebron University HospitalのEnriqueta Felip氏らが、9月16日から21日までWEB上で開催された欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で発表した。

 DFSの中間解析で、アテゾリズマブはBSCに比べて有意にDFSを改善し、主要評価項目を達成したことが報告されている。今回は再発と再発後の治療について報告された。

 試験は、IB期からIIIA期のNSCLC患者で完全切除を受け、シスプラチンベースの化学療法(+ペメトレキセド、ゲムシタビン、ドセタキセル、ビノレルビン)を最長4サイクルまで受けた患者を、アテゾリズマブ投与群とBSC群に1:1で無作為に割り付けて行われた。アテゾリズマブは1200mgを21日おきに最長で16サイクル投与された。

 主要評価項目は、医師評価によるDFSで、階層的に検証された。PD-L1発現が腫瘍細胞(TC)で1%以上(SP263アッセイ)のII期からIIIA期患者におけるDFS、次に無作為化されたII期からIIIA期の全患者におけるDFS、そしてIBからIIIA期の患者(ITT)におけるDFSだった。

 DFSの中間解析では、PD-L1 TC 1%以上のII-IIIA期患者で、層別ハザード比0.66(95%信頼区間:0.50-0.88)、p=0.004だった。無作為化されたII-IIIA期の全患者において、層別ハザード比0.79(95%信頼区間:0.64-0.96)、p=0.02であった。ITT集団(IB-IIIA期)では、層別ハザード比0.81(95%信頼区間:0.67-0.99)、p=0.04だったが、事前に設定された有効性の境界を超えていなかった。

 また無作為化されたII-IIIA期の全患者において、PD-L1 発現が増加するにつれてDFSは改善した。探索的解析で、PD-L1 TC 1%未満の患者でのハザード比は0.97(95%信頼区間:0.72-1.31)、1-49%では0.87(95%信頼区間:0.60-1.26)だった。副次評価項目のPD-L1 TC 50%以上では0.43(95%信頼区間:0.27-0.68)だった。さらにEGFR/ALK陽性患者を除いた事後解析で、PD-L1 TC 1%以上および全患者でアテゾリズマブ群のほうが良好だった。

 再発率は、PD-L1 TC 1%以上のII-IIIA期患者で、アテゾリズマブ群29.4%(73人)、BSC 群は44.7%(102人)で、BSC群で高かった。無作為化されたII-IIIA期の全患者では33.3%と43.0%、ITT集団(IB-IIIA期)では30.8%と40.8%だった。

 再発形式は2群で違いはなかった。PD-L1 TC 1%以上のII-IIIA期で再発した患者のうち、局所領域のみの再発はアテゾリズマブ群47.9%、BSC群41.2%、遠隔再発のみは38.4%と39.2%、局所領域再発および遠隔再発は12.3%と16.7%、脳転移のみは11.0%と11.8%だった。またITT集団では、局所領域のみはアテゾリズマブ群37.8%、BSC群36.9%、遠隔再発のみは42.9%と40.4%、局所領域再発および遠隔再発は17.3%と18.7%、脳転移のみは9.0%と12.3%だった。

 無作為化から再発までの期間は、PD-L1 TC 1%以上のII-IIIA期患者で、アテゾリズマブ群のほうが長く、中央値がアテゾリズマブ群17.6カ月(0.7-42.3カ月)、BSC群10.9カ月(1.3-37.3カ月)だった。再発形式別に、局所領域のみの場合、アテゾリズマブ群16.8カ月、BSC群12.0カ月、遠隔再発のみの場合は17.3カ月と10.4カ月、局所領域再発および遠隔再発の場合は24.0カ月と5.3カ月、脳転移のみの場合は18.2カ月と10.6カ月だった。無作為化されたII-IIIA期の全患者、ITT集団では2群の差は小さかった。

 再発後の治療は、PD-L1 TC 1%以上のII-IIIA期患者で、アテゾリズマブ群69.9%、BSC群66.7%が受けていた。2群とも化学療法が最も多かったが、癌免疫療法を受けた患者はアテゾリズマブ群11.0%に対して、BSC群は35.3%だった。この傾向はITT集団でも同じだった。また再発後に2群とも放射線治療はおよそ4割、手術は1-2割の患者が受けていた。

この記事を友達に伝える印刷用ページ