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2021/09/23

MSI-H/dMMRの既治療進行子宮体癌に対するペムブロリズマブのORRは48%で3年DOR率は68%に上る【ESMO 2021】

中西美荷=医学ライター

 ペムブロリズマブは、高頻度マイクロサテライト不定性MSI-H)/DNAミスマッチ修復機能欠損dMMR)の既治療進行子宮体癌に対する持続的な高い抗腫瘍効果と期待できる生存アウトカム、管理可能な安全性プロファイルを有することがKEYNOTE-158試験の長期追跡により確認され、これらの患者に対する治療選択肢として有望であることが示された。

 9月16日から21日までWEB上で開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2021)で、米国 The Ohio State University Wexner Medical Center and The James Comprehensive Cancer CenterのDavid M. O’Malley氏が報告した。

 KEYNOTE-158試験(NCT02628067)は、大腸癌以外の複数の癌種の進行性固形癌に対するペムブロリズマブ(200mg、3週毎投与)の有効性と安全性を検証するフェーズ2試験で、複数のコホートから成る。子宮体癌を含む既治療の進行MSI-H/dMMR腫瘍では、持続的かつ臨床的に意味あるベネフィットが示されており、子宮体癌49例における奏効率(ORR)は57%と報告されている(J Clin Oncol. 2020; 38(1): 1-10)。

 今回の解析の主な適格基準は、コホートD(MSI-Hに関わらず子宮体癌)またはコホートK(大腸癌以外のMSI-H/dMMR固形癌)に登録され、18歳以上、MSI-H/dMMR腫瘍で、1ライン以上の治療歴、測定可能病変(RECISTv1.1)を有し、ECOG PSは0または1、バイオマーカー解析のための腫瘍検体を提供していることである。有効性の解析対象は、少なくとも1回の治療を受け、データカットオフ(2020年10月5日)の26週間以上前に登録されている患者に限った。主要評価項目は、RECISTv1.1に則った独立中央判定による奏効率(ORR)。

 有効性の解析対象79例における最初の投与からデータカットオフまでの期間中央値は42.6カ月(範囲6.4-56.1)。抗腫瘍効果は非常に高く、CR11例(14%)、PR27例(34%)、SD14例(18%)、PD23例(29%)、評価不能1例(1%)、評価せず3例(4%)で、ORRは48%(37-60)だった。奏効までの期間(TTR)中央値は2.3カ月(範囲1.3-10.6)。

 奏効期間(DOR)中央値は未達(2.9-49.7+)で、Kaplan-Meier法による推定ORRは1年で88%、2年で73%、3年(68%)以降はプラトーとなっている。ORRを得た38例のうち、現時点において21例が奏効を維持しており、これには、CRが持続していて「治癒の可能性があると考えられる」(O’Malley氏)8例が含まれる。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は13.1カ月(4.3-34.4)で推定PFS率は1年51%、2年41%、3年37%、4年37%。全生存期間(OS)中央値は未達(27.2-未達)で、推定OS率は1年69%、2年64%、3年および4年は60%だった。O’Malley氏は「3年、4年で60%」と繰り返し述べ、強調した。

 ペムブロリズマブの安全性プロファイルは、これまでに進行固形癌において観察されているものと一貫性が認められた。解析対象90例のうち治療関連有害事象(AEs)が発現したものは全グレードで68例(76%)、グレード3/4は11例(12%)で、グレード5は認められず、TRAEsによる治療中止は6例(7%)だった。多く認められたTRAEsはそう痒症22例(24%)、疲労19例(21%)などだった。

 免疫関連有害事象(irAEs)または注入による反応を認めたものは全グレードで25例(28%)、グレード3/4は6例(7%)で、グレード5はなかった。多かったものは甲状腺機能障害で、機能低下が13例(14%)、機能亢進が7例(8%)だった。

 今回、MSI-H/dMMR 固形癌であるかどうかは、コホートDでは中央施設で後方視的に行われたPCRによるMSI-H発現、コホートKでは各施設において前方視的に行われたPCR and/or 免疫組織化学染色(IHC)により判定した。Discussionでは、患者選択において重要となるMSI-H/dMMR 固形癌であるかどうかの判定を、実臨床においてどのようなアルゴリズムで進めていくべきなのか、たとえばMSI検査はいつ行うべきかなどは、まだ定まっておらず、今後の課題であることが指摘された。

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