このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/09/22

数多くの治療を受けたKRAS G12C変異陽性進行大腸癌にAdagrasibとセツキシマブの併用は良好な奏効率を示す【ESMO 2021】

横山勇生=編集委員

 不可逆的かつ選択的にKRAS G12C変異に結合するKRAS阻害薬Adagrasib MRTX849)の単剤またはセツキシマブとの併用療法が、数多くの治療を受けたKRAS G12C変異陽性進行大腸癌に有効である可能性が明らかとなった。多コホートフェーズ1/2試験であるKRYSTAL-1試験(NCT03785249)で、忍容性と有望な抗腫瘍活性が認められた。9月16日から21日までWEB上で開催された欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、米University of North Carolina-Chapel HillのJared Weiss氏が発表した。

 KRYSTAL-1試験はKRAS G12C変異を有する進行固形癌を対象に行われている。今回発表されたのは、用量漸増部分とフェーズ2部分で、1日2回adagrasib 600mg単剤を投与された大腸癌患者患者とフェーズ1bで1日2回adagrasib 600mgとセツキシマブ(400mg/m2を投与し、その後は毎週250mg/m2投与、あるいは2週おきに500mg/m2投与)を併用投与された大腸癌患者における予備的な結果。

 2021年5月25日までに、大腸癌患者46人がadagrasibの単剤投与を受けた。患者の50%が女性、年齢中央値は58歳(29-79)、前治療数中央値は3(1-10)。同時に発生していた変異として34人中23人(68%)でTP53遺伝子変異、36人中5人(14%)でPIK3CAが同定されていた。観察期間中央値は8.9カ月。臨床効果は45人で評価可能で、未確定部分奏効を含めた奏効率は22%(45人中10人)。病勢コントロール率は87%(45人中39人)。同時に発生した遺伝子変異と奏効に関係はなかった。奏効期間中央値は4.2カ月(2.3-6.9)、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.6カ月(95%信頼区間:4.1-8.3)だった。40%で投薬が継続されていた。

 全グレードの治療関連副作用発現率は91%で、グレード3/4は30%で発現したがグレード5はなかった。治療関連副作用による投薬中止はなかった。下痢、吐き気、倦怠感、嘔吐が多く認められた副作用だった。

 2021年7月9日までに、大腸癌患者32人がadagrasibとセツキシマブの併用投与を受けた。患者の53%が女性、年齢中央値が60歳(41-74)、前治療数中央値は3(1-8)。同時に発生していた変異として26人中18人(69%)でTP53遺伝子変異、26人中3人(12%)でPIK3CAが同定されていた。観察期間中央値は7カ月。臨床効果は28人で評価可能で、未確定部分奏効患者2人を含めて奏効率は43%(28人中12人)だった。病勢コントロール率は100%。同時に発生した遺伝子変異と奏効には関係はなかった。71%で投薬が継続されていた。

 全グレードの治療関連副作用発現率は100%で、グレード3/4は16%で発現したがグレード5はなかった。治療関連副作用による投薬中止は6%(2人)だった。吐き気、下痢、嘔吐、倦怠感が多く認められた副作用だった。

 現在、KRAS G12C変異陽性大腸癌の2次治療として、adagrasibとセツキシマブの併用投与を評価するフェーズ3試験であるKRYSTAL-10試験(NCT04793958)が行われている。

この記事を友達に伝える印刷用ページ