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2021/09/21

進行悪性黒色腫に対するrelatlimabとニボルマブ併用の1次治療は中止後の無治療期間やPFS2を延長【ESMO 2021】

中西美荷=医学ライター

 進行悪性黒色腫に対する1次治療として、抗LAG-3抗体relatlimabニボルマブの併用療法を受けた患者では、ニボルマブ単剤療法を受けた患者と比較して治療中止後の無治療期間(TFI)やPFS2が長いことが、RELATIVITY-047試験により示された。9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、米国Dana Farber Cancer Institute のF Stephen Hodi氏が報告した。

 RELATIVITY-047試験では、進行悪性黒色腫に対する1次治療として、relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤(FDC)を用いた併用療法が、ニボルマブ単剤療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を2倍以上有意に延長すること、安全性プロファイルが極めて良好であることがすでに報告されている(関連記事)。

 今回、探索的に解析された無治療期間(TFI)、PFS2の成績が報告された。TFIは1次治療を中止した患者における治療終了から全身療法での2次治療開始あるいは最後の生存日までの期間、PFS2は無作為割付けから全身療法での2次治療による増悪または死亡までの期間(研究者評価)と定義した。

 1次治療の治療期間中央値はrelatlimabとニボルマブの併用療法(relatlimab併用群:355例)で5.6カ月(範囲0.0-31.5)、ニボルマブ単剤療法(ニボルマブ群:359例)で4.9カ月(範囲0.0-32.2)だった。relatlimab併用群の237例(66.8%)、ニボルマブ群の233例(64.9%)が治療を中止しており、理由は、病勢進行がそれぞれ36.3%、46.0%、治療関連有害事象が17.7%、8.9%、患者希望が5.4%、3.3%、治療に関連しない有害事象が3.4%、3.9%だった。

 治療を中止した患者のうち、relatlimab併用群99例(27.9%)、ニボルマブ群107例(29.8%)が全身療法による2次治療を受けた。内訳はPD-1阻害薬/CTLA-4阻害薬がそれぞれ32例(9.0%)、46例(12.8%)、BRAF/MRK阻害薬が41例(11.5%)、50例(13.9%)、その他の全身療法が38例(10.7%)、44例(12.3%)だった。

 TFIの解析対象は1次治療中止後の生存例と2次治療開始後の死亡例で、relatlimab併用群の167例とニボルマブ群の151例。このうち、解析時点でそれぞれ68例(40.7%)、44例(29.1%)が無治療生存していた。TFIはrelatlimab併用群3.22カ月(95% 信頼区間0.1-30.4)、ニボルマブ群1.41カ月(95%信頼区間0.1-25.6)だった。

 PFS2中央値は、relatlimab併用群(355例)で未達(95%信頼区間21.75-未達)、ニボルマブ群(359例)で20.04カ月(95%信頼区間15.44-25.13)で、ハザード比は0.77(95%信頼区間0.61-0.97)だった。

 Hodi氏は「relatlimabとニボルマブの併用療法は1次治療の終了後、増悪後にも(beyond initial treatment and first progression)ベネフィットが続く」とした。

 ディスカッサントのOlivier Michielin氏(スイスLausanne University Hospital CHUV)は、抗LAG-3抗体と抗PD-1抗体併用の理論的根拠について、LAG-3は、複数の癌においてクローン性増殖を認める疲弊したT細胞やその前駆細胞に高発現しているとのシングルセル解析(Nat Comm. 2021; 12(1): 2065)に触れ、これらの疲弊したT細胞こそ、再活性化したい細胞だと説明した。この併用療法については急速に開発が進められており、relatlimabと抗CTLA-4抗体の併用についても臨床試験が始まっている。

 今回のTFIの成績については、併用群で数値的に上回ったが信頼区間に大きなオーバーラップがあるとし、CheckMate 067試験のイピリムマブ+ニボルマブではTFI中央値が27.6カ月だったことを紹介。ただし、試験間の直接比較は適切ではないことに加え、イピリムマブ+ニボルマブ併用はより毒性が強く治療中断した患者が多かったことも影響しており、治療中断数が比較的近い同試験のニボルマブ群と比較することでより意味のある議論ができるかも知れないとした。PFS2については、relatlimabが2次治療のベネフィットを受ける機会を奪わず、悪影響を与えないことが示されたのは良いニュースだとした。ただし生存曲線は50%あたりからプラトーとなるため、ベネフィットを捉えるには、評価方法として中央値よりもハザード比もしくはランドマーク解析がより適切なのではないかとコメントした。

 臨床応用に関しては、relatlimab+ニボルマブ併用療法がPD-1単剤に置き換わることについては「多くの患者についてイエス」だが、イピリムマブ+ニボルマブ併用療法との比較はより複雑な話であり、OSなどの長期成績が必要であること、また脳転移、高LDH、急速な増悪例、抗PD-1抗体での増悪例といったイピリムマブが有用な効果をもたらす患者については、現時点ではやはりイピリムマブ+ニボルマブを使うことになるとした。

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