このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/09/20

経口のCDK7選択的阻害薬samuraciclib(CT7001)が進行悪性固形腫瘍に有望【ESMO 2021】

森下紀代美=医学ライター

 進行した悪性固形腫瘍に対し、経口のCDK7選択的阻害薬samuraciclibCT7001)は、受容可能な安全性プロファイルと抗腫瘍効果を示すことが、第1/2相のヒト初回投与試験から示された。有害事象は主に低グレードの消化器毒性で、標準的な対症療法で可逆性かつ管理可能だった。9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、英The Christie NHS Foundation TrustのMatthew G. Krebs氏が発表した。

 CDK7は重要なキナーゼの1つで、細胞分裂、転写、核内受容体の機能、特にエストロゲン受容体を調節する。CDK7を阻害することは有望な治療戦略と考えられている。

 samuraciclibは、低分子、ATP競合性のCDK7選択的阻害薬である。第1/2相試験では、samuraciclibの忍容性、薬物動態、有効性を評価した。

 モジュール1Aでは、血液腫瘍以外の進行または転移を有する固形腫瘍で、今後標準治療が適切ではないと考えられる患者を対象に、samuraciclibの漸増投与を行った。モジュール1Aでは、最大耐用量(MTD)と最小生物学的作用量(MBAD)を特定し、対腫瘍生検(PB)を行った後、次のモジュールに進めることとした。モジュール1B、2では、特定の癌種(進行トリプルネガティブ乳癌[TNBC]、CDK4/6阻害薬で治療後のホルモン受容体陽性乳癌)を組み入れた。モジュール4では、バイオアベイラビリティに対する食物の影響を評価した。評価項目は、安全性と忍容性、薬物動態、MBAD、MTD、抗腫瘍効果だった。

 モジュール1Aには、漸増投与のコホートに33人、PBのコホートに11人が登録された。漸増投与のコホートでは、コホート1(6人)には120mgを1日1回、コホート2(7人)には240mgを1日1回、コホート3(6人)には480mgを1日1回、コホート4(6人)には360mgを1日1回、コホート5(8人)には180mgを1日2回、それぞれ投与した。PBのコホートでは、240mgの1日1回の投与(5人)、360mgの1日1回の投与(6人)を行った。

 漸増投与のコホートとPBのコホートにおいて、平均年齢はそれぞれ59.6歳、56.5歳、女性は63.6%、100.0%、前治療で最も多かったのは化学療法でそれぞれ87.9%、100.0%、内分泌療法は36.4%、90.9%だった。癌種では乳癌が最も多く、それぞれ30.3%、100.0%で、漸増投与のコホートでは大腸癌が24.2%だった。

 MTDは360mgの1日1回の投与となった。有害事象は主に低グレードの消化器毒性で、標準的な消化器の医薬品や減量で可逆性かつ管理可能だった。

 120mg、240mg、360mgの用量で多かった有害事象は、グレード1または2の嘔気、嘔吐、下痢だった。用量制限毒性(DLT)は44人中6人(13.6%)に発現した。480mgの用量では、6人中4人にDLTを認め、グレード3の下痢、嘔吐、口内炎などが発現した。180mgの1日2回の投与では、8人中2人にDLTを認め、グレード4の血小板減少症、グレード3の体重減少、食欲低下、胃食道逆流症などが発現した。好中球減少症や脱毛は発現しなかった。死亡は2件発生し、直腸癌と膵癌の進行によるものだった。

 薬物動態の検討から、MTDの360mgでの1日1回の投与が裏付けられた。samuraciclibの曝露(Cmax、AUC)は、120mgから480mgの用量ではいずれも用量比例的に増加し、時間には非依存性だった。空腹状態の患者では、血中濃度半減期(T1/2)は約75時間で、Cmax:トラフ比は低く、有効性とオフターゲット効果を最小とするうえで最適と考えられた。全体的な曝露に対し、高脂肪食が臨床的に顕著に影響することはなかった。samuraciclibの投与により、腫瘍のCDK1/2とリン酸化RNAポリメラーゼIII(pPoIII)は減少しており、薬剤が標的分子に直接的に作用したことを示すtarget engagementと作用機序が証明された。

 奏効の評価が可能だった36人中19人において、病勢コントロール率(DCR)は53%となった。240mgの用量では10人中6人で病勢コントロールが得られ、DCRは60%、360mgの用量では11人中7人で病勢コントロールが得られ、DCRは64%となった。TNBCのコホートでは持続的な病勢コントロールが観察された。

この記事を友達に伝える印刷用ページ