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2021/09/19

HER2陽性の未治療進行胃腺癌にトラスツズマブ、ニボルマブと化学療法の併用が有効な可能性【ESMO 2021】

横山勇生=編集委員

 未治療のHER2陽性(IHC3+または2+/ISH+)の進行胃・食道胃接合部腺癌に、抗HER2抗体トラスツズマブ、抗PD-1抗体ニボルマブと化学療法の併用が有効な可能性が明らかとなった。ドイツで行われた医師主導無作為化フェーズ2試験であるIMTEGA試験で良好な結果が得られた。9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、ドイツUniversity Cancer Center HamburgのA. Stein氏が発表した。

 INTEGA試験(AIO STO 0217)は2群から構成された無作為化フェーズ2試験。未治療のHER2陽性(各施設の検査でIHC3+または2+/ISH+)の進行胃・食道胃接合部腺癌患者を、トラスツズマブ(3週おきに1回目は8mg/kg、2から3回目は6mg/kg投与しその後は2週おきに4mg/kgを投与)とニボルマブ(1mg/kgを3週おきに投与4回投与し、その後は2週おきに240mgを投与)とイピリムマブ(3mg/kgを3週おきに4回投与)を投与する群(A群)と、トラスツズマブ(1回目は6mg/kg、2回目以降は4mg/kg)とニボルマブ240mgとmFOLFOX6を2週おきに投与する群(B群)に無作為に割り付けて行われた。

 最初の評価項目は、12カ全生存(OS)率をToGA試験のレジメンであるトラスツズマブと化学療法の併用で示された55%から70%に高めることだった。

 2018年3月から2020年5月までにドイツの21施設で97人が登録され、88人(A群、B群それぞれ44人ずつ)が割り付けられた。両群の患者背景は同様で、全体で女性が18人、年齢中央値が61歳(41-80)、ECOG PS 0が54人(61%)、ECOG PS 1が34人(39%)、食道胃接合部癌が66人、胃癌が22人だった。原発巣の切除を受けていたのは24人(27%)だった。

 中央でのバイオマーカー解析で評価可能な検体が84人から得られた。PD-L1発現がCPS 1以上が59人、5以上が46人で、76人はHER2陽性(IHC3+は63人)だったが7人は陰性(1人はISH検査できず)だった。

 試験の結果、12カ月OS率はA群が57%、B群が70%でB群で評価項目が達成された。OS中央値はA群が16.4カ月、B群が21.8カ月だった。無増悪生存期間(PFS)中央値はA群が3.2カ月、B群が10.7カ月だった。奏効率は、A群が32%、B群が56%だった。

 CPS 1以上の59人において、12カ月OS率はA群が54%、B群が71%。奏効率は、A群が36%、B群が63%、PFS中央値はA群が2.2カ月、B群が10.7カ月、12カ月PFS率はA群が14%、B群が33%、OS中央値はA群が16.4カ月、B群が21.6カ月だった。CPS 5以上の46人において、12カ月OS率はA群が53%、B群が72%。奏効率は、A群が33%、B群が67%、PFS中央値はA群が2.2カ月、B群が11カ月、12カ月PFS率はA群が7%、B群が38%、OS中央値はA群が12.5カ月、B群が21.6カ月だった。

 EORTC QLQ C30を用いたQOLの評価で、B群において8週以内に急速な改善が認められた。

 B群において治療関連のグレード3以上の副作用が発現したのは29人(67%)、重篤な治療関連副作用が発現したのは15人(35%)、A群において治療関連のグレード3以上の副作用が発現したのは20人(46%)、重篤な治療関連副作用が発現したのは17人(39%)だった。

 リキッドバイオプシーの解析から1サイクル終了後にA群、B群でctDNA量が増加した患者は、消失/安定の患者と比べて予後が大きく異なっていた。増加した患者のOS中央値は8.1カ月、消失/安定患者は31.2カ月だった。

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