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2021/09/19

進行胆道癌の1次治療としてナノリポソーム型イリノテカン+5-FU+ロイコボリンが新たな選択肢となる可能性【ESMO 2021】

森下紀代美=医学ライター

 進行胆道癌に対する1次治療として、ナノリポソーム型イリノテカンNal-IRI)+5-FU+ロイコボリン(LV)は有望な有効性を示し、4カ月時の無増悪生存(PFS)率は51.02%となることが、非盲検、非比較、多施設共同、第2相のランダム化比較試験NIFE(AIO-YMO HEP-0315)の最終結果から示された。新たな安全性の知見はみられなかった。肝内胆管癌と肝外胆管癌では薬剤に対する反応が異なり、Nal-IRI+5-FU+LVは肝外胆管癌で明らかなベネフィットが認められた。9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、ドイツUniversity of UlmのLukas Perkhofer氏が発表した。

 Nal-IRI+5-FU+LVは、進行胆道癌に対する2次治療として検討した第2b相のNIFTY試験において、5-FU+LVと比べて、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に延長したことが報告されている(C. Yoo, et al. ASCO 2021 Abstract No. 4006)。

 NIFE試験では、進行胆道癌に対する1次治療の選択肢として、Nal-IRI+5-FU+LVとGC療法(ゲムシタビン+シスプラチン)を評価した。

 主な適格基準は、進行した肝内胆管癌または肝外胆管癌で、RECISTv1.1で測定可能な病変があり、ECOS PS 0-1の患者だった。Nal-IRI+5-FU+LVを投与する群(A群)、またはGC療法を行う群(B群)に、患者を1対1でランダムに割り付けた。層別化因子は、腫瘍の位置(肝内 vs. 肝外)、性別、ECOG PS(0 vs. 1)だった。A群では、2週を1サイクルとし、Nal-IRI 70mg/m2を1日目、5-FU 2400mg/m2を1-2日目、LVを400mg/m2を1日目に投与した。B群では、3週を1サイクルとし、シスプラチン25mg/m2を1日目と8日目、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目と8日目に投与した。

 主要評価項目は、ITT解析対象における4カ月時のPFS率、副次的評価項目は、PFS、OS、奏効率、安全性、患者報告アウトカムだった。ITT解析対象における4カ月のPFS率は、Nal-IRI+5-FU+LVで50%以上になると仮定した。

 2018年1月から2020年9月までに、ドイツの21施設から93人が登録され、ランダム化割り付けされた。最終的なITT解析対象は91人となり、A群49人、B群42人となった。患者背景は両群でバランスがとれており、A群とB群において、男性はそれぞれ57.1%、59.5%、年齢中央値は65.0歳(範囲33-82)、65.5歳(46-83)、ECOG PS 0は57.1%、66.7%、肝内胆管癌は69.4%、76.2%、組織学的分化度のG2は44.9%、38.1%だった。

 4カ月時のPFS率は、A群51.02%、B群59.5%となり、主要評価項目は達成された。PFS中央値は、A群5.98カ月(95%信頼区間:2.37-9.59)、B群6.87カ月(95%信頼区間:2.46-7.82)だった。

 奏効率は、A群24.5%、B群11.9%となった。

 サブグループ解析では、肝内胆管癌におけるPFS中央値は、A群3.45カ月(95%信頼区間:2.10-6.05)、B群7.72(95%信頼区間:6.05-9.46)となった。OS中央値は、A群14.19カ月(95%信頼区間:7.69-21.85)、B群16.36カ月(95%信頼区間:7.46-19.91)だった。

 肝外胆管癌におけるPFS中央値は、A群9.59カ月(95%信頼区間:1.94-15.67)、B群1.76カ月(95%信頼区間:0.16-6.87)となった。OS中央値は、A群18.23カ月(95%信頼区間:8.67-30.95)、B群6.34カ月(95%信頼区間:0.16-NE)となった。異質性の検定(Cox回帰モデル)では、PFSでp=0.0018、OSでp=0.0519となった。

 Nal-IRI+5-FU+LVの有害事象は過去の報告と一致していた。グレード3/4の有害事象として、A群では消化管毒性、B群では血液毒性がより多く観察された。A群では、好中球減少症は10.2%、貧血は4.1%、血小板減少症は2.0%、下痢は22.4%、嘔気は12.2%、倦怠感は4.1%、粘膜炎は2.0%に発現した。B群では、それぞれ21.4%、26.2%、9.5%、2.4%、0%、2.4%、0%だった。プロトコール治療が継続された期間の中央値は、A群5.8カ月、B群5.5カ月だった。

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