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2021/09/19

HER2陽性乳癌にトラスツズマブとラパチニブ併用の術前補助療法で生存延長、pCRは予後予測因子に、メタ解析の結果【ESMO 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 HER2陽性乳癌術前補助療法として、化学療法とトラスツズマブラパチニブを併用することで、全生存期間が延長することが、4つの臨床試験のメタ解析で確認された。また特にホルモン受容体陰性の患者で、病理学的完全奏効(pCR)が得られた場合の予後は良好で、pCRは予後予測因子になることが示唆された。

 イタリアUniversity of PadovaのValentina Guarneri氏らが、9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2021)で発表した。

 解析には、HER2陽性早期乳癌の術前補助療法として、化学療法にトラスツズマブ、ラパチニブを併用することを検証した4つの無作為化第2相試験(CHER-LOB)と第3相試験(NSABP-B41、NeoALTTO、CALGB40601)が用いられた。合計1410人の患者が解析対象となった。

 患者はパクリタキセルまたはアントラサイクリン系薬剤の併用療法に加え、トラスツズマブ単独、ラパチニブ単独、あるいはトラスツズマブ+ラパチニブの投与を受けた。また術後に化学療法とトラスツズマブ、あるいはラパチニブの投与を受けた。4試験のいずれもトラスツズマブ単独、ラパチニブ単独に比べて、トラスツズマブ+ラパチニブでpCRは高くなったが、全生存期間(OS)の有意な改善はCALGB40601試験のみだった。

 解析の結果、無再発生存(RFS)率は、トラスツズマブ単独に比べて、ラパチニブ+トラスツズマブで高く、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.46-0.85)となった。全生存期間(OS)もラパチニブ+トラスツズマブで改善され、ハザード比0.65(95%信頼区間:0.43-0.98)だった。

 pCRを達成した患者と手術時に病変が残っていたno pCR患者を比較したところ、pCRを達成した患者でRFSとOSは良好だった。RFSハザード比0.45(95%信頼区間:0.34-0.60)、OSハザード比0.32(95%信頼区間:0.22-0.48)となった。

 ホルモン受容体陰性の場合、pCRを達成した患者では再発リスクは65%減少し、死亡リスクは73%減少した。RFSハザード比0.35(95%信頼区間:0.23-0.53)、OSハザード比0.27(95%信頼区間:0.15-0.47)だった。

 ホルモン受容体陽性の場合も、pCRを達成した患者でRFSが改善し、ハザード比0.60(95%信頼区間:0.37-0.97)だった。OSハザード比は0.52(95%信頼区間:0.23-1.15)で、その効果はホルモン受容体陰性の場合よりも小さかった。

 以上の結果から、HER2陽性乳癌患者で、特にホルモン受容体陰性では、pCRは強い予後予測因子であることが確認されたとした。またラパチニブとトラスツズマブによる二重阻害で生存は改善し、これはpCRがサロゲートとなることを示しているとした。

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