このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/09/17

進行腎細胞癌の1次治療でニボルマブとイピリムマブ併用の有効性は観察期間5年超でも持続【ESMO 2021】

横山勇生=編集委員

 進行腎細胞癌(RCC)の1次治療として、抗PD-1抗体ニボルマブ抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法による有効性と安全性は観察期間5年を超える長期観察でも確認された。また、併用療法の条件付き生存率(3年生存した患者の2年後の生存率)は、全体(intention-to-treat)、中および高リスク患者、低リスク患者でのいずれでも併用療法で良好な結果で、3年生存が得られた患者は長期の生存が高率に得られることも示された。フェーズ3試験であるCheckMate-214試験の解析の結果示された。

 9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2021)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert J. Motzer氏が発表した。

 治療開始から3年生存した患者の2年後の生存率などの条件付き生存期間は、治療の持続がもたらす有用性を予測する指標として用いられる。

 CheckMate-214試験は、未治療の進行淡明腎細胞癌患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法とスニチニブを比較した無作為化非盲検フェーズ3試験。患者をニボルマブ+イピリムマブ群とスニチニブ群に1:1に割り付けて行われた。主要評価項目は、中リスクおよび高リスク患者における独立画像判定委員会(IRRC)による全生存期間(OS)、奏効率、無増悪生存期間(PFS)だった。副次評価項目はintention-to-treat(ITT)患者におけるOS、奏効率、PFSだった。試験で併用群が有効性を示すことは既に報告されている(関連記事)。

 今回発表されたのは、CheckMate-214試験の5年以上の観察期間(中央値67.7カ月)の結果と、条件付生存率(Conditional Survival、cOS)を解析した結果。条件付きPFS(cPFS)率、条件付き奏効期間(cDOR)率も検討された。

 5年以上の観察期間の結果、ITTと中リスクおよび高リスク患者において、ニボルマブ+イピリムマブ群はスニチニブ群よりも、OS、PFS、奏効率、完全奏効率のいずれも良好な結果だった。

 ITT患者でのOSのハザード比は0.72(95%信頼区間:0.62-0.85)であり、OS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群が55.7カ月、スニチニブ群が38.4カ月であった(p=0.0001)。5年OS率はニボルマブ+イピリムマブ群が48%、スニチニブ群が37%だった。

 中および高リスク患者のOSのハザード比は0.68(95%信頼区間:0.58-0.81)だった。OS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群は47カ月、スニチニブ群は27カ月であった(p<0.0001)。5年OS率はニボルマブ+イピリムマブ群が43%、スニチニブ群が31%だった。

 低リスク患者のOSのハザード比は0.94(95%信頼区間:0.65-1.37)で、OS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群は74.1カ月、スニチニブ群は68.4カ月であった(p=0.7673)。5年OS率はニボルマブ+イピリムマブ群が63%、スニチニブ群が55%だった。

 ITT患者でのPFSのハザード比は0.86(95%信頼区間:0.73-1.01)で、PFS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群が12.3カ月、スニチニブ群が12.3カ月だった(p=0.0628)。5年PFS率はニボルマブ+イピリムマブ群が30%、スニチニブ群が14%だった。

 中および高リスク患者でのPFSのハザード比は0.73(95%信頼区間:0.61-0.87)となり、PFS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群が11.6カ月、スニチニブ群が8.3カ月だった(p=0.0004)。5年PFS率はニボルマブ+イピリムマブ群が31%、スニチニブ群が11%だった。

 低リスク患者でのPFSのハザード比は1.60(95%信頼区間:1.13-2.26)となり、PFS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群が12.4カ月、スニチニブ群が28.9カ月だった。5年PFS率はニボルマブ+イピリムマブ群が26%、スニチニブ群が21%だった。

 奏効率は、ITT患者においてニボルマブ+イピリムマブ群は39%、スニチニブ群32%。中および高リスク患者において、ニボルマブ+イピリムマブ群は42%、スニチニブ群は27%。低リスク群ではニボルマブ+イピリムマブ群は30%、スニチニブ群は52%だった。完全奏効率は、ITT患者においてニボルマブ+イピリムマブ群は12%、スニチニブ群3%。中および高リスク患者において、ニボルマブ+イピリムマブ群は11%、スニチニブ群は2%。低リスク群ではニボルマブ+イピリムマブ群は13%、スニチニブ群は6%だった。

 奏効期間(DOR)中央値は、ITT患者でニボルマブ+イピリムマブ群は未到達、スニチニブ群は24.8カ月だった。中および高リスク患者でニボルマブ+イピリムマブ群は未到達、スニチニブ群が19.7カ月。低リスク患者でニボルマブ+イピリムマブ群は61.5カ月、スニチニブ群が33.2カ月だった。

 無作為化から3年生存した患者の2年後の生存率は、ITT患者でニボルマブ+イピリムマブ群が81%(無作為化から2年後の生存率は71%)、中および高リスク患者でニボルマブ+イピリムマブ群が79%(無作為化から2年後の生存率は66%)、低リスク患者でニボルマブ+イピリムマブ群が85%(無作為化から2年後の生存率は85%)で、長期間の効果が認められた。無作為化から3年生存した患者の2年後の生存率は、リスクに関わらずニボルマブ+イピリムマブ群の方がスニチニブ群より高かった。

 無作為化から3年無増悪生存したニボルマブ+イピリムマブ群の患者の2年後の無増悪生存率は、ITT患者で89%、中および高リスク患者で90%、低リスク患者で85%だった。

 最初の奏効から3年奏効が持続したニボルマブ+イピリムマブ群の患者の2年後に奏効が持続する率は、ITT患者で89%、中および高リスク患者で90%、低リスク患者で85%%だった。

 長期観察で安全性に関する新たな問題は認められなかった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ