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2021/09/17

進行腎細胞癌にレンバチニブ+ペムブロリズマブは予後不良因子の有無にかかわらずスニチニブに比べて有効【ESMO 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 進行腎細胞癌(RCC)に対して、肉腫様成分や肝転移などの予後不良因子の有無にかかわらず、レンバチニブペムブロリズマブはスニチニブに比べて有効であることが、フェーズ3試験であるCLEAR試験(Study 307、KEYNOTE-581試験)の探索的解析で明らかになった。

 米国Dana Farber Cancer InstituteのToni K. Choueiri氏らが、9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で発表した。

 CLEAR試験は、全身療法による治療歴がないRCC患者を対象に、レンバチニブ(1日1回20mg経口投与)+ペムブロリズマブ(3週おきに200mgを静脈内投与)群、レンバチニブ(1日1回18mg経口投与)+エベロリムス(1日1回5mg経口投与)群、スニチニブ単剤(1日1回50mg経口投与、4週間投与後、2週間休薬)を投与する群に1:1:1に割り付けて行われた。

 試験の結果、レンバチニブ+ペムブロリズマブ(L+P)群は、スニチニブ群と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した(ハザード比0.39、95%信頼区間:0.32-0.49、p<0.001)。OSも延長し(ハザード比0.66、95%信頼区間:0.49-0.88、p=0.005)、奏効率(ORR)も有意に改善することが示されている。

 今回は、予後不良因子(肉腫様成分、骨転移、肝転移、腎摘出術の治療歴なし)のサブグループで解析が行われた。

 解析の結果、PFSはすべてのサブグループにおいて、L+P群はスニチニブ群に比べて改善した。肉腫様成分を有する患者では、L+P群のPFS中央値は11.1カ月、スニチニブ群は5.5カ月で、ハザード比は0.39(95%信頼区間:0.18-0.84)だった。肉腫様成分がない患者では、L+P群は24.3カ月、スニチニブ群は9.4カ月で、ハザード比は0.38(95%信頼区間:0.31-0.48)だった。

 骨転移のある患者では、L+P群のPFS中央値は24.3カ月、スニチニブ群は5.6カ月で、ハザード比は0.33(95%信頼区間:0.21-0.52)だった。骨転移のない患者では、L+P群は23.4カ月、スニチニブ群は9.7カ月で、ハザード比は0.42(95%信頼区間:0.33-0.54)だった。

 肝転移のある患者では、L+P群のPFS中央値は16.6カ月、スニチニブ群は5.6カ月で、ハザード比は0.43(95%信頼区間:0.25-0.75)だった。肝転移のない患者では、L+P群は25.9カ月、スニチニブ群は9.4カ月で、ハザード比は0.37(95%信頼区間:0.29-0.47)だった。

 さらに腎摘除術を受けた患者では、L+P群のPFS中央値は27.7カ月、スニチニブ群は9.4カ月で、ハザード比は0.37(95%信頼区間:0.28-0.47)だった。腎摘除術を受けていない患者では、L+P群は15.3カ月、スニチニブ群は7.5カ月で、ハザード比は0.44(95%信頼区間:0.28-0.68)となった。

 OSも全てのサブグループでL+P群が良好な傾向を示した。肉腫様成分を有する患者では、2群ともOS中央値は評価できず、ハザード比は0.91(95%信頼区間:0.32-2.58)だった。肉腫様成分がない患者でも、OS中央値は評価できず、ハザード比は0.64(95%信頼区間:0.47-0.87)だった。

 骨転移のある患者では、L+P群のOS中央値は評価できず、スニチニブ群は24.8カ月で、ハザード比は0.50(95%信頼区間:0.30-0.83)だった。骨転移のない患者では、2群ともOS中央値は評価できず、ハザード比は0.79(95%信頼区間:0.54-1.14)だった。

 肝転移のある患者では、L+P群のOS中央値は33.6カ月、スニチニブ群は評価できず、ハザード比は0.52(95%信頼区間:0.27-0.99)だった。肝転移のない患者では、2群ともOS中央値は評価できず、ハザード比は0.66(95%信頼区間:0.47-0.93)だった。

 腎摘除術を受けた患者では、2群ともOS中央値は評価できず、ハザード比は0.71(95%信頼区間:0.49-1.03)だった。腎摘除術を受けていない患者では、OS中央値はL+P群は33.1カ月、スニチニブ群は24.0カ月で、ハザード比は0.52(95%信頼区間:0.31-0.86)となった。

 ORRもL+P群で良好だった。肉腫様成分のある患者では、L+P群のORRは60.7%、スニチニブ群は23.8%で、オッズ比8.85だった。肉腫様成分のない患者では、ORRは71.9%と36.9%で、オッズ比4.40となった。骨転移のある患者では、L+P群のORRは64.7%、スニチニブ群は22.7%で、オッズ比6.94だった。骨転移のない患者では73.0%と41.2%、オッズ比3.84だった。

 肝転移のある患者では、L+P群のORRは66.7%、スニチニブ群34.4%でオッズ比は4.03だった。肝転移のない患者では、71.9%と36.5%で、オッズ比は4.47だった。腎摘除術を受けた患者では、L+P群のORRは73.7%、スニチニブ群は40.0%で、オッズ比は4.13だった。腎摘除術を受けていない患者では、63.4%と23.2%で、オッズ比は6.29だった。

 14.8%の患者が、免疫関連有害事象(irAE)に対して高用量のコルチコステロイド(プレドニゾン1日40mg以上に相当)を受けていた。高用量コルチコステロイド投与を受けたirAEは、肺臓炎(3.7%)、甲状腺機能低下(2.8%)、副腎機能不全(1.7%)、皮疹(1.7%)だった。14日以上の高用量コルチコステロイド投与を受けていた患者は5.1%、30日以上は1.7%であった。

 以上の結果から、進行RCC患者において、予後不良因子(肉腫様成分、骨転移、肝転移、腎摘出術の治療歴がない)の存在にかかわらず、レンバチニブ+ペムブロリズマブはスニチニブに対して、PFS、OS、ORRにおいて良好な結果を示し、その有効性はITT集団の結果と類似していたとした。

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