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2021/09/16

進行胃癌の実臨床での生存期間は新薬の登場などで延長している、過去15年間のデータ【ESMO 2021】

横山勇生=編集委員

 新薬の登場や胃切除、HER2検査などの適切な管理によって、進行胃癌の実臨床での生存期間が延長している可能性が明らかとなった。また、転移部位によって生存期間の改善が異なり、転移臓器を考慮した治療戦略が必要なことも分かった。愛知県がんセンターにおいて治療を受けた患者の過去15年間のデータをレトロスペクティブに解析した結果示された。9月16日から21日までWEB上で開催されている欧州臨床腫瘍学会ESMO 2021)で、愛知県がんセンターの緒方貴次氏が発表した。

 研究グループは、愛知県がんセンターで2005年1月から2019年3月までに1次化学療法を受けた1355人のデータを解析した。解析は、15年間を2005年1月から2007年12月(A期間)、フルオロピリミジン+白金系抗癌薬が標準療法となった2008年1月から2011年2月(B期間)、トラスツズマブが承認されてからの2011年3月から2015年5月(C期間)、ラムシルマブが承認されてからの2015年6月から2019年5月(D期間)に分けて行われた。

 観察期間中央値が13.1カ月で、A期間は312人、B期間は333人、C期間は393人、D期間は317人だった。胃切除術を受けた患者の割合(A期間が49%、B期間が39%、C期間が38%、D期間が34%)とHER2が陽性か陰性が判明した患者の割合(A期間が33%、B期間が55%、C期間が93%、D期間が99%)以外、各期間の患者背景に大きな差はなかった。

 イリノテカンの投与を受ける頻度は期間が進むにつれて徐々に減少(A期間が39%、B期間が49%、C期間が39%、D期間が26%)、白金系抗癌薬は徐々に増加(A期間が43%、B期間が74%、C期間が86%、D期間が94%)していた。ラムシルマブ(A期間が0%、B期間が4%、C期間が10%、D期間が64%)とニボルマブ(A期間が0%、B期間が1%未満、C期間が8%、D期間が43%)はそれぞれの薬剤の承認後に投与が増加していた。

 患者の全生存期間(OS)中央値は、A期間が12.4カ月、B期間が12.7カ月、C期間が13.8カ月、D期間が15.7カ月だった。A期間に対するハザード比は、B期間が0.87でp=0.086、C期間が0.75でp<0.001、D期間が0.63、p<0.001で近年になるにつれて生存期間は延長していた。OSの多変量解析でもC期間はハザード比が0.77、p=0.002、D期間はハザード比0.64、p<0.001と有意な因子となっていた。

 1次治療増悪後の生存期間(PPS)中央値は、A期間が6.2カ月、B期間が6.6カ月、C期間が6.6カ月、D期間が7.5カ月だった。PFSの多変量解析ではB期間がハザード比0.84、p=0.044、D期間がハザード比0.76、p=0.003と有意な因子となっていた。OSとPPSがD期間で有意に延長していたのは、進行胃癌にラムシルマブ、ニボルマブFTD/TPIが使用できるようになったためと考えられた。

 肝転移患者のOS中央値は、A期間が12.4カ月、B期間が12.7カ月、C期間が13.8カ月、D期間が15.7カ月、腹膜転移患者のOS中央値は、A期間が11.0カ月、B期間が11.4カ月、C期間が12.1カ月、D期間が13.0カ月だった。肝転移患者でD期間にOSが大きく改善していることは、RAINBOW試験の探索的解析で示された通り、ラムシルマブが肝転移により有効であることが寄与していると考えられた。

 1次治療の無増悪生存期間(PFS)中央値はA期間が4.3カ月、B期間が5.1カ月、C期間が6.0カ月、D期間が6.6カ月だった。PFSの多変量解析でもC期間はハザード比が0.76、p<0.001、D期間はハザード比0.68、p<0.001と有意な因子となっていた。

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