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2021/09/14

治療前ctDNAは非小細胞肺癌の術前化学免疫療法の予後予測マーカーとして有用【WCLC 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 ステージIIIA非小細胞肺癌(NSCLC)に対するニボルマブと化学療法による術前補助療法において、治療前の循環腫瘍DNActDNA)は予後予測マーカーとして有用であることが、単群フェーズ2試験NADIMの探索的な解析で明らかになった。

 スペインHospital Universitario Puerta de HierroのAtocha Romero氏らが、9月8日から14日までWEB上で開催されているthe IASLC 2021 World Conference on Lung Cancer(WCLC 2021)で発表した。

 切除可能なステージIIIAのNSCLC患者(46人)に対し、ニボルマブと化学療法(パクリタキセル、カルボプラチン)による術前補助療法を検討したフェーズ2試験のNADIM試験(NCT03081689)では、良好な結果が報告されている。主要評価項目である24カ月無増悪生存(PFS)率は77.1%(95%信頼区間:59.9-87.7)だった(Lancet Oncol. 2020;21:1413-1422)。

 今回の解析は、NADIM試験の検体を用いて、治療開始前のctDNAを検出し、全生存期間(OS)およびPFSの予測能力をHarrellのC-statistic(C統計量)を用いて評価した。またRECISTv.1に基づいて評価された臨床効果と比較した。解析にはCOVID19で死亡した2人のデータは除外された。

 観察期間中央値は38カ月。まずPD-L1発現と腫瘍変異量(TMB)が測定されたが、PFSとOSとの関連性は示されなかった。

 ctDNAの解析に治療前の血漿検体は43人から得られた。ctDNAはOncomine Pan-Cancer Cell-Free Assayを用いて次世代シークエンサー(NGS)で解析された。ベースライン時のctDNAは30人(69.8%)で検出された。治療前に平均で2.0変異(1-6)が検出された。TP53が最も多く、続いてPIK3CAが多く検出されていた。

 治療前の検体でctDNAの変異アリル頻度(MAF)の総和が1%未満の患者は、1%以上の患者に比べて、PFSおよびOSが有意に良好だった。PFSの調整ハザード比は0.22(95%信頼区間:0.06-0.75)、p=0.016、OSは調整ハザード比0.04(95%信頼区間:0.00-0.45)、p=0.008だった。一方、臨床効果(CR/PRとSD)はPFSとOSの予測因子とはならなかった。

 PFSの予測について、調整後C統計量は、ctDNAで変異アリル頻度が1%未満では0.68(95%信頼区間:0.51-0.84)だった。臨床効果のC統計量は0.61(95%信頼区間:0.45-0.78)であり、変異アリル頻度のほうがPFSの改善を予測可能だった。

 同様にOSについて、調整後C統計量は、変異アリル頻度が1%未満では0.85(95%信頼区間:0.72-0.99)だった。臨床効果では0.68(95%信頼区間:0.44-0.93)であり、これも変異アリル頻度のほうがOSの改善を予測できることが示された。

 また変異アリル頻度の総和を2%で区切ると、PFSの調整ハザード比は0.19(95%信頼区間:0.06-0.66)、p=0.009、OSは調整ハザード比0.10(95%信頼区間:0.02-0.59)、p=0.011となった。

 以上の結果からNADIM試験で、治療前のctDNAの解析は病勢進行のリスクが高い患者を同定することができ、生存の予測に関してRECIST基準による臨床効果よりも優れていたとしている。

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