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2021/08/16

経口HIF-2α阻害薬belzutifanがVHL病関連の腫瘍を対象に米国で承認

横山勇生=編集委員

 米Merck社は8月13日、遺伝性疾患であるVon Hippel-Lindau(フォン・ヒッペル・リンドウ、VHL)病関連の腫瘍で治療が必要だが即座に手術が必要ではない患者を対象に、経口HIF-2α阻害薬であるbelzutifan(MK-6482)が米食品医薬品局(FDA)によって承認されたと発表した。承認された対象の腫瘍はVHL病関連の腎細胞癌、中枢神経系血管芽腫、膵神経内分泌腫瘍(pNET)。VHL病関連腫瘍で全身治療が承認されたのは初めてになるという。なお、日本における開発は未定。

 VHLの機能が欠損すると恒常的にHIF-2αが活性化され、血管新生と細胞増殖が起こる。belzutifanは、HIF-2αが HIF-1βとヘテロダイマーを作ることを阻害することで効果を発揮すると考えられている。

 FDAの承認は、少なくとも1つの測定可能病変でVHL遺伝子の生殖細胞異常があることで診断された、VHL病関連の腎細胞癌患者61人を対象に行われたStudy 004試験(NCT03401788)の結果に基づく。登録患者には、中枢神経系血管芽腫、pNETの他のVHL病関連腫瘍を有している患者が含まれていた。なお同試験は、転移を有する患者は対象から除外されていた。患者には1日1回120mgのbelzutifanが病勢進行か受容不能な副作用発現まで投与された。Study 004試験のbelzutifan投与期間中央値は68週(8.4-104.7)だった。

 Study 004試験に登録された患者の年齢中央値は41歳(19-66)で、65歳以上は3.3%だった。男性が53%、白色人種が90%、3.3%が黒色人種またはアフリカ系米アメリカ人、1.6%がアジア人、1.6%がハワイ先住民またはその他の太平洋諸島の住民だった。82%がECOG PS 0、16%がPS 1、1.6%がPS 2だった。84%がVHL病1型だった。腎細胞癌の標的部位の直径中央値は2.2cm(1-6.1)。77%の患者が腎細胞癌の外科的切除の経験があった。

 効果の主要評価は、RECISTv1.1に基づくVHL関連腎細胞癌の奏効率。その他の有効性の評価項目は奏効期間(DOR)、奏効までの期間(TTR)などだった。

 試験の結果、腎細胞癌の奏効率は49%(95%信頼区間:36-62)で全員が部分奏効(PR)だった。DOR中央値は未到達(2.8+-22.3+)、奏効が認められた30人中17人は少なくとも12カ月以上奏効が持続していた。TTR中央値は8カ月(2.7-19)だった。

 VHL病関連の中枢神経系血管芽腫を有していた24人においては奏効率は63%(95%信頼区間:41-81)で、1人(4%)で完全奏効(CR)、14人(58%)でPRが得られた。DOR中央値は未到達(3.7+-22.3+)、奏効が認められた15人中11人は少なくとも12カ月以上奏効が持続していた。TTR中央値は3カ月(3-11)だった。

 VHL病関連のpNETを有していた12人においては奏効率は83%(95%信頼区間:52-98)で、2人(17%)でCR、8人(67%)でPRが得られた。DOR中央値は未到達(10.8+-19.4+)、奏効が認められた10人中5人は少なくとも12カ月以上奏効が持続していた。TTR中央値は8カ月(3-11)だった。

 重篤な副作用が15%に発現し、貧血、低酸素症、アナフィラキシー反応、網膜剥離、網膜中心静脈閉塞症が1人ずつに発現した。副作用により投薬中止となったのは3.3%、投薬中断は39%で起きた。

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