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2021/07/17

高リスク早期TNBCへの術前化学療法にペムブロリズマブ追加、術後ペムブロリズマブ投与でEFSを有意に改善

横山勇生=編集委員

 早期の高リスクトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対し、プラチナ製剤を含む術前化学療法にペムブロリズマブを追加し、術後にペムブロリズマブ単剤を投与することは、術前化学療法のみの場合よりもイベントの発生または死亡のリスクを37%低減させることが明らかとなった。ペムブロリズマブ追加の効果はpCRが得られなかった患者で高いことも分かった。

 フェーズ3試験であるKEYNOTE-522試験の4回目の中間解析の結果示された。7月15日と16日に開催されたESMO VIRTUAL PLENARYで、英Queen Mary University LondonのPeter Schmid氏が発表した。

 KEYNOTE-522試験において、ペムブロリズマブ投与によって病理学的完全奏効(pCR)率が有意に改善することは既に報告されている(関連記事)。また、無イベント生存期間(EFS)も有意に延長し、2つの主要評価項目を達成したことがすでに発表されていた(関連記事)。今回、EFSに関する詳細な結果が発表された。

 KEYNOTE-522試験の対象は、新規にTNBC(AJCCでT1c N1-2またはT2-4 N0-2)と診断された、ECOG PS 0または1の患者。患者はペムブロリズマブ(200mgを3週毎)またはプラセボを術前化学療法に追加する群に、2対1でランダムに割り付けられた。術前化学療法は、パクリタキセル80mg/m2を週1回、カルボプラチンはAUC 5で3週毎またはAUC 1.5で週1回投与し、これを4サイクル行った後、ドキソルビシン60mg/m2、エピルビシン90mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2をそれぞれ3週毎に投与し、これを4サイクル行った。根治手術を行った後、術後療法としてペムブロリズマブまたはプラセボの投与を9サイクル、あるいは再発または受容不能な毒性の発現まで継続した。

 主要評価項目は、ITT解析対象において施設の病理学医が評価したpCR(ypT0/Tis ypN0)、試験担当医が評価したEFSだった。

 KEYNOTE-522試験には、2017年3月から2018年9月までに1174人が登録され、ペムブロリズマブを投与する群に784人(ペムブロリズマブ群)、プラセボを投与する群に390人(プラセボ群)が割り付けられた。

 発表されたのは、データカットオフを2021年3月23日とした4回目の中間解析の結果。観察期間中央値39.1カ月で、EFSのハザード比0.63(95%信頼区間:0.48-0.82)、p=0.00031で事前に規定されたp値の閾値であるp=0.00517を下回り、ペムブロリズマブ群で有意にEFSが改善していた。3年EFS率は、ペムブロリズマブ群が84.5%、プラセボ群が76.8%だった。カプランマイヤー曲線は12カ月目頃から開き始めていた。最初のEFSが遠隔転移だったのはペムブロリズマブ群が7.7%、プラセボ群が13.1%と、遠隔転移の出現がペムブロリズマブ群で抑えられていた。

 事前に規定されたサブグループ解析の結果、全てのサブグループでペムブロリズマブ群が優位だった。特にPD-L1の発現状態に関わらずペムブロリズマブ群でEFSが良好だった点が注目された。PD-L1陽性(CPSが1以上)患者におけるEFSのハザード比は0.67(95%信頼区間:0.49-0.92)、PD-L1陰性患者におけるEFSのハザード比は0.48(95%信頼区間:0.28-0.85)だった。

 また、手術時にpCR(ypT0/Tis ypN0)が得られた患者の3年EFS率は、ペムブロリズマブ群が94.4%、プラセボ群が92.5%だったのに対して、pCRが得られなかった患者の3年EFS率は、ペムブロリズマブ群が67.4%、プラセボ群が56.8%で、pCRが得られなかった患者でペムブロリズマブ追加の効果が高かった。pCRが得られなかった患者のEFSのカプランマイヤー曲線は12カ月目頃から開き始めていた。遠隔部位での無増悪生存または無遠隔再発のハザード比は0.61(95%信頼区間:0.46-0.82)、3年時点の遠隔部位での無増悪生存または無遠隔再発率はペムブロリズマブ群が87.0%、プラセボ群が80.7%だった。

 なお、全生存期間(OS)は4回目の中間解析時でハザード比0.72(95%信頼区間:0.51-1.02)、p=0.03214でペムブロリズマブ群で良好な傾向が認められたが、有意な水準には到達していなかった。3年OS率はペムブロリズマブ群が89.7%、プラセボ群が86.9%だった。OSの観察のため試験は継続されている。

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