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2021/07/03

BRAF変異陽性大腸癌の1次治療でビニメチニブ、エンコラフェニブ、セツキシマブの併用効果は化学療法と同等な可能性【WCGC 2021】

横山勇生=編集委員

 BRAF V600E変異陽性進行大腸癌の1次治療として、MEK阻害薬ビニメチニブ、BRAF阻害薬エンコラフェニブと抗EGFR抗体セツキシマブの併用療法の有効性は、現在推奨されている化学療法と同等である可能性が明らかとなった。単群フェーズ2試験であるANCHOR CRC試験の結果示された。同試験の主要評価項目であった確定奏効率は達成された。

 6月30日から7月3日にWEB上で開催されているthe 2021 ESMO World Congress on GI Cancer(WCGC 2021)で、ベルギーUniversity Hospitals LeuvenのEric Cutsem氏が発表した。

 ANCHOR CRC試験は、全身状態の良い未治療の進行癌患者を対象に実施されているフェーズ2試験。試験はステージ1(約40人)とステージ2(約50人)で構成され、ステージ1で12人以上の奏効が認められた場合にステージ2の登録がなされることになっていた。最終的に全体で95人(ステージ1が41人、ステージ2が54人)が登録された。ステージ1の結果は昨年報告されており、今回は95人全体の結果が発表された(関連記事)。

 発表されたのはデータカットオフが2020年6月29日の結果。ステージ1の患者は6人(15%)、ステージ2の患者は14人(26%)で投与が継続されていた。投与中止となった75人(79%)の中止理由で最も多かったのは病勢進行(64%)だった。試験の主要評価項目は確定奏効率。95%信頼区間の下限値が30%を超えていれば、評価項目達成とされていた。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、QOL、薬物動態だった。

 患者背景は、女性が51人(53.7%)、年齢中央値65歳(30-84)、65歳から74歳が42.1%、75歳以上が12.6%、PS 1が54.7%、転移臓器数2以上が76%と、高齢で病状が進行した患者が多かった。

 試験の結果、評価が行われた92人で確定奏効率は47.8%(95%信頼区間:37.3-58.8)で、主要評価項目が達成された。奏効が認められた44人全員が部分奏効だった。37人(40.2%)は病勢安定(SD)となり、病勢コントロール率は88%だった。また、ほとんどすべての患者で最良な変化として腫瘍の縮小が起きていた。確定奏効率のサブグループ解析で特に効果に差がある群は認められなかった。

 観察期間中央値が4.86カ月で、PFS中央値は5.8カ月(95%信頼区間:4.6-6.4)。観察期間中央値14.4カ月でOS中央値は17.2カ月(95%信頼区間:14.1-21.1)、12カ月OS率は65%、18カ月OS率は49%、24カ月OS率は29%だった。BRAF変異陽性進行大腸癌の1次治療で化学療法を行った場合と同等の結果だった。

 41人(43.2%)が少なくとも1レジメンの次治療を受けており、次治療までの期間の中央値は6.9カ月(5.9-8.4)だった。オキサリプラチンベースの2剤併用±ベバシズマブを受けていたのは21人(22.1%)、FOLFOXIRI±ベバシズマブを受けていたのは12人(12.6%)だった。

 3剤併用の忍容性が認められ、副作用は管理可能で想定外の毒性はなかった。重篤な副作用は49人(51.6%)に発現した。1剤以上の投薬中断や減量が行われたのは71人(74.7%)。副作用で1剤以上投薬中止となったのは23人(24.2%)で、副作用で死亡したのは3人(3.2%)だった。

 BRAF V600E変異陽性進行大腸癌の1次治療として、エンコラフェニブ、セツキシマブと化学療法の併用療法を評価するフェーズ3試験であるBREAKWATER試験が行われている。

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