このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/06/20

高リスクHER2陽性乳癌の術前療法で標準療法にアテゾリズマブを加えてもpCR率は増加せず

横山勇生=編集委員

 高リスクのHER2陽性早期乳癌の術前療法として、トラスツズマブ、ペルツズマブと化学療法の併用にアテゾリズマブを加えても、病理学的完全奏効(pCR)率を増加できないことが明らかとなった。フェーズ3試験であるIMpassion050試験の結果示された。6月17日と18日に開催されたESMO Virtual Plenariesで、スイスCantonal HospitalのJens Huober氏が発表した。

 IMpassion050試験は、再発リスクが高いHER2陽性早期乳癌に対する術前療法として、既存の標準療法であるトラスツズマブ、ペルツズマブと化学療法の併用にアテゾリズマブを加えることの有効性と安全性を評価した二重盲検無作為化プラセボ対照フェーズ3試験。今回、主要解析の結果が発表された。

 試験は、T2-4、N1-3、M0の患者を対象とした。アテゾリズマブと投与間隔を縮めたドキソルビシン、シクロホスファミドを4サイクル、その後アテゾリズマブ、パクリタキセル、トラスツズマブとペルツズマブを4サイクル投与後に手術を行い、その後にアテゾリズマブに加えてトラスツズマブとペルツズマブを52週まで投与する群(アテゾリズマブ群)とアテゾリズマブの代わりにプラセボを投与する群(プラセボ群)に1対1で割り付けた。術前療法で残存病変があった患者は、HER2標的療法をトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)に変えることができた。層別因子は病期(T2とT3-4)、ホルモン受容体の状態、PD-L1の発現状態(IC 0とIC 1/2/3)だった。

 主要評価項目は、ITTとPD-L1陽性患者におけるpCR(ypT0/is ypN0)率だった。副次評価項目はPD-L1陰性患者におけるpCR率、無イベント生存期間(EFS)、全生存期間(OS)、安全性だった。

 2021年1月26日に独立データモニタリング委員会が開かれ、リスクと利益について好ましくないとし、アテゾリズマブまたはプラセボの投与を中止するよう勧告していた。今回、2021年2月5日をカットオフとした早期の解析結果が発表された。

 226人がアテゾリズマブ群、228人がプラセボ群に割り付けられていた。65歳未満が9割、T3-T4が3分の1を占めていた。約半数がホルモン受容体陽性。PD-L1陰性も約半数だった。

 試験の結果、ITTにおけるpCR率は、アテゾリズマブ群が62.4%、プラセボ群が62.7%で、差が-0.33%(95%信頼区間:-9.23-8.57)、p=0.9551で差はなかった。PD-L1陽性患者(各群109人)におけるpCR率は、アテゾリズマブ群が64.2%、プラセボ群が72.5%で、差が-8.26%(95%信頼区間:-20.56-4.04)、p=0.1846で有意な差はなかった。事前に規定されたサブグループ解析においても有意な差がついているものはなかった。

 PD-L1陰性患者におけるpCR率は、アテゾリズマブ群が60.7%、プラセボ群が53.8%で、差が6.90%(95%信頼区間:-5.69-19.49)だった。イベントが発生したのはアテゾリズマブ群が12件、プラセボ群が7件のみで、イマチュアな状態だった。層別p=0.2084、1年EFS率はアテゾリズマブ群が96.3%(95%信頼区間:93.8-98.8)、プラセボ群が97.9%(95%信頼区間:95.8-99.9)だった。

 グレード3/4の副作用発現率、重篤な副作用発現率はアテゾリズマブ群で多かったが、安全性に関する新たな問題は認められなかった。ただし、グレード5はプラセボ群ではなかったが、アテゾリズマブ群で5件起きた。

この記事を友達に伝える印刷用ページ