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2021/06/15

再発・難治性のCLL/SLLでzanubrutinibはイブルチニブよりも高い奏効率とPFS延長を示し心房細動発生率が低い【EHA 2021】

横山勇生=編集委員

 再発・難治性の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)に対して、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬zanubrutinibは、第一世代BTK阻害薬であるイブルチニブよりも高い奏効率と無増悪生存期間(PFS)の延長を示し、心房細動/心房粗動の発生率は低いことが明らかとなった。両剤を直接比較したフェーズ3試験、ALPINE試験の最初の中間解析の結果示された。

 6月9日から17日にオンラインで開催されている欧州血液学会(EHA 2021)で、英St James’s University HospitalのPeter Hillmen氏が発表した。

 zanubrutinib(BGB-3111)は、選択的不可逆的BTK阻害薬で、オフターゲット阻害を最小にするようにデザインされた薬剤。

 ALPINE試験は、世界規模で実施されている無作為化フェーズ3試験。652人のうち最初の415人が登録された段階から約12カ月後に中間解析を行うことが事前に規定されていた。1ライン以上の全身治療歴がある再発・難治性のCLL/SLL患者を、zanubrutinibを投与する群(zanubrutinib群、1日2回160mg投与)とイブルチニブを投与する群(イブルチニブ群、1日1回420mg投与)に1対1で割り付けて行われている。層別因子は年齢(65歳未満と65歳以上)、地域、難治性の状態、del17p/TP53変異の状態だった。

 主要評価項目は研究グループの評価による奏効率で、CLLに関しては2008 iwCLL guidelinesに、SLLに関してはLugano criteriaに基づいて判定された。

 2018年11月5日から2019年12月20日までに415人が割り付けられた(zanubrutinib群207人、イブルチニブ群208人)。両群の患者背景は概して同様だった。65歳以上はzanubrutinib群が62.3%、イブルチニブ群が61.5%、男性はzanubrutinib群が68.6%、イブルチニブ群が75.0%、前治療ライン数が3超はzanubrutinib群が7.3%、イブルチニブ群が10.1%、del17pがあったのはzanubrutinib群が11.6%、イブルチニブ群が12.5%、TP53に変異があったのはzanubrutinib群が14.0%、イブルチニブ群が11.5%だった。

 解析の結果、奏効率はzanubrutinib群が78.3%(95%信頼区間:72.0-83.7)、イブルチニブ群が62.5%(95%信頼区間:55.5-69.1)、優越性の両側p=0.0006で、事前に規定された中間解析のp値の閾値である0.0099を下回り、有意にzanubrutinib群が高かった。del17p患者における奏効率は、zanubrutinib群が83.3%、イブルチニブ群が53.8%だった。サブグループ解析は、全てのグループでzanubrutinib群が優位だった。

 観察期間中央値14.0カ月でPFSのハザード比は0.40(95%信頼区間:0.23-0.69)、p=0.0007でzanubrutinib群が良好だった。12カ月PFS率は、zanubrutinib群が94.9%、イブルチニブ群が84.0%で、カプランマイヤー曲線は早期から離れ始めていた。OSのハザード比は0.54(95%信頼区間:0.25-1.16)、p=0.1081で、zanubrutinib群で良好な傾向があった。12カ月OS率は、zanubrutinib群が97.0%、イブルチニブ群が92.7%だった。

 事前に規定された安全性の評価ポイントだった心房細動/心房粗動の発生率は、zanubrutinib群が2.5%、イブルチニブ群が10.1%で、両側p=0.0014で事前に規定された中間解析のp値の閾値である0.0099を下回り、有意にzanubrutinib群が低かった。グレード3以上の副作用が発現したのは、zanubrutinib群が55.9%、イブルチニブ群が51.2%。副作用で投薬中止となったのはzanubrutinib群が7.8%、イブルチニブ群が13.0%、致死的な副作用が発現したのはzanubrutinib群が3.9%、イブルチニブ群が5.8%だった。

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