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2021/06/15

高齢者と併存疾患のあるCLLの初回治療はイブルチニブとベネトクラクスの併用がchlorambucilとオビヌツズマブの併用より有効【EHA 2021】

横山勇生=編集委員

 65歳以上、または18歳から64歳で併存疾患指数(CIRS)が6を超えるかクレアチニン・クリアランスが70mL/分未満の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)に対する初回治療として、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イブルチニブとBCL-2阻害薬ベネトクラクスの併用療法は、chlorambucilとオビヌツズマブの併用療法よりも有意に深い奏効と持続的な寛解期間を示し、次治療までの期間を延長できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるGLOW試験の結果示された。治療終了後1年後でも多くが微小残存病変(MRD)陰性を示していた。

  6月9日から17日にオンラインで開催されている欧州血液学会(EHA 2021)で、オランダAmsterdam University Medical CentersのArnon p. Kater氏が発表した。 

 GLOW試験は、65歳以上、または18歳から64歳でCIRSが6を超えるかクレアチニン・クリアランスが70mL/分未満の、未治療のCLL/SLL患者を対象に行われた。del17pまたは既知のTP53遺伝子変異を有する患者は対象から除外された。患者はイブルチニブ+ベネトクラクス投与群とchlorambucil+オビヌツズマブ投与群に1対1で割り付けられた。

 イブルチニブ+ベネトクラクス投与群の患者には、1サイクル28日とし、イブルチニブ420mg/日の投与を3サイクル行った後に、イブルチニブ+ベネトクラクスを12サイクル投与した。イブルチニブは420mg/日を経口投与し、ベネトクラクスは最初の5週間は20mgから400mg/日まで増量して投与した。chlorambucil+オビヌツズマブ投与群の患者には、それぞれの薬剤の標準量を6サイクル(1サイクルは28日)投与した。主要評価項目は、独立審査委員会の評価による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は、骨髄における微小残存病変陰性(NGSによるカットオフ値が10-4)と完全奏効(CR)率、奏効率、全生存期間(OS)、安全性だった。

 106人がイブルチニブ+ベネトクラクス投与群、105人がchlorambucil+オビヌツズマブ投与群に割り付けられた。両群ともに年齢中央値は71.0歳。75歳以上がイブルチニブ+ベネトクラクス投与群は33.0%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群は35.2%、男性がイブルチニブ+ベネトクラクス投与群は55.7%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群は60.0%だった。

 CIRSが6超の患者はイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が69.8%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が58.1%とイブルチニブ+ベネトクラクス投与群で多く、乳酸脱水素酵素が上昇していたのはイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が33.0%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が48.6%とchlorambucil+オビヌツズマブ投与群で多かった。これら以外の両群の患者背景は同様だった。

 観察期間中央値27.7カ月で、独立審査委委員会の評価によるPFSのハザード比は0.216(95%信頼区間:0.131-0.357)、p<0,0001で有意にイブルチニブ+ベネトクラクス投与群で延長していた。PFS中央値は、イブルチニブ+ベネトクラクス投与群が未到達、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が21.0カ月(95%信頼区間:16.6-24.7)だった。研究グループの評価によるPFSも同様で、ハザード比は0.207(95%信頼区間:0.120-0.357)、p<0,0001で有意にイブルチニブ+ベネトクラクス投与群で延長していた。

 イブルチニブ+ベネトクラクス投与によるPFSの改善効果は事前に規定されたサブグループで一致して認められた。CIRS 6超の患者のハザード比が0.248、65歳以上の患者のハザード比が0.234だった。

 CRiを含むCR率は、独立審査委員会の評価でイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が38.7%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が11.4%、研究グループの評価でイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が45.3%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が13.3%で、どちらも有意にイブルチニブ+ベネトクラクス投与群で高かった(p<0.0001)。奏効率はイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が86.8%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が84.8%だった。

 イブルチニブ+ベネトクラクス投与群で奏効した患者における効果はより持続的で、最初の奏効が得られた24カ月後で持続していたのは、イブルチニブ+ベネトクラクス投与群が90%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が41%だった。

 次治療までの期間もハザード比0.143(95%信頼区間:0.05-0.41)で、イブルチニブ+ベネトクラクス投与群が良好だった。OSはイマチュアだった(ハザード比1.048)。

 治療後3カ月時点のMRD陰性率は、骨髄でイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が51.9%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が17.1%で、有意にイブルチニブ+ベネトクラクス投与群で高かった(p<0.0002)。末梢血でもイブルチニブ+ベネトクラクス投与群が54.7%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が39.0%で、有意にイブルチニブ+ベネトクラクス投与群で高かった(p=0.0259)。イブルチニブ+ベネトクラクス投与群の84.5%(58人中49人)は、投与終了後3カ月から12カ月まで末梢血でのMRD陰性が維持されていた。chlorambucil+オビヌツズマブ投与群で維持されていたのは29.3%だった。

 投薬中に発現したグレード3以上の副作用で多かったのは、イブルチニブ+ベネトクラクス投与群が好中球減少症(34.9%)、感染症(17.0%)、下痢(10.4%)、高血圧(7.5%)で、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が好中球減少症(49.5%)、血小板減少症(20.0%)、腫瘍崩壊症候群(5.7%)だった。重篤な副作用で多く認められたのは感染症(イブルチニブ+ベネトクラクス投与群が12.3%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が8.6%)、心房細動(イブルチニブ+ベネトクラクス投与群が6.6%、chlorambucil+オビヌツズマブ投与群が0%)だった。イブルチニブ+ベネトクラクス投与群で2人(1.9%)が心房細動のためにイブルチニブの投薬中止となった。

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