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2021/06/15

治療歴の多い多発性骨髄腫にiberdomide+デキサメタゾン+ダラツムマブまたはボルテゾミブまたはカルフィルゾミブの3剤併用療法は有望【EHA 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 治療歴の多い再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)に対し、経口セレブロンE3リガーゼモジュレーターであるiberdomideとデキサメタゾン、およびダラツムマブ、またはボルテゾミブ、またはカルフィルゾミブの3剤併用療法はいずれも、良好な安全性プロファイルと有望な効果が示されることが、フェーズ1/2試験であるCC-220-MM-001試験で明らかになった。

 米Winship Cancer Institute, Emory UniversityのSagar Lonial氏らが、6月9日から17日にオンラインで開催されている欧州血液学会(EHA2021)で発表した。

 iberdomideは、経口の新規セレブロンE3リガーゼモジュレーター(CELMoD)化合物。セレブロンはIkarosやaiolosなどの標的タンパク質の分解を促進する。iberdomideはプロテアソーム阻害薬(PI)や抗CD38抗体製剤との併用により、前臨床および臨床試験で相乗的な抗腫瘍効果や免疫賦活効果を示した。

 CC-220-MM-001試験(NCT02773030)は、再発・難治性MM患者を対象としたフェーズ1/2試験で、主要評価項目はIberdomideの最大耐用量(MTD)とフェーズ2試験の推奨用量(RP2D)の決定、副次評価項目は安全性と予備的な有効性であった。

 今回は、フェーズ1部分から、Iberdomideとダラツムマブとデキサメタゾンを併用投与する群(IberDd群:コホートE)、Iberdomideとボルテゾミブとデキサメタゾンを併用投与する群(IberVd群:コホートF)、Iberdomideとカルフィルゾミブとデキサメタゾンを併用投与する群(IberKd群:コホートG)の結果が報告された。

 対象となったのは、IberDd群とIberKd群ではレナリドミドまたはポマリドミドとPIを含む前治療を2回以上、IberVd群では1回以上受けており、MMに対する最終治療中あるいは最終治療から60日以内に進行した患者。

 Iberdomideは、IberDd群とIberKd群では、1サイクルを28日とし、1-21日目に投与された。IberVd群では1サイクルを21日として1-14日目に投与された。デキサメタゾンは3つの群において毎週投与された。iberdomideの投与量はIberDd群とIberVd群では1.0mgから1.6mgを1日1回、IberKd群では1.1mgから開始した。

 IberDd群では43人、IberVd群は25人、IberKd群では9人が治療を受けた。初診からの期間中央値は6.5年以上だった。前治療数の中央値は、IberDd群が4回(2-13回)、IberVdが5回(1-14回)、IberKdが6回(2-8回)であった。免疫調整薬(IMiD)不応の患者が95.3%、80.0%、88.9%で、PI不応が86.0%、68.0%、66.7%、抗CD38抗体不応が37.2%、80.0%、77.8%であり、3クラスの薬剤に不応の患者が32.6%、48.0%、55.6%だった。

 治療を継続している患者は、IberDd群22人(51.2%)、IberVd群6人(24.0%)、IberKd群5人(55.6%)で、投与中止理由は病勢進行が多く、有害事象による中止は少なかった。投与サイクルの中央値は、それぞれ4サイクル(1-25)、6サイクル(1-29)、5サイクル(1-20)だった。

 治療関連有害事象(TEAE)は、IberDd群において、血液毒性と非血液毒性はiberdomideとデキサメタゾンで報告されていた結果と類似していた。血液毒性では、主に好中球減少症(グレード3が12.8%、グレード4が53.8%)、貧血(グレード3が20.5%)に見られた。非血液毒性では疲労感や下痢、便秘などが見られたが、グレード3以上の非血液毒性は少なかった。感染症は全グレードで59%に認められた。

 IberVd群では、主に好中球減少症(グレード3は20%、グレード4が8%)、血小板減少症(グレード3は4%、グレード4は20%)が見られた。また末梢神経障害が32%に見られたが、グレード3以上はなかった。

 IberKd群でも、主な血液毒性は、好中球減少症(グレード3は22.2%、グレード4が11.1%)、血小板減少症(グレード4が11.1%)であった。心血管イベントや高血圧は認められなかった。3つの群すべてでグレード3/4の非血液毒性は少なかった。

 奏効率(ORR)は、IberDd群では45.9%(37人中17人)だった。厳格な完全奏効(sCR)は2.7%(1人)、完全奏効(CR)は5.4%、最良部分奏効(VGPR)が16.2%、部分奏効(PR)が21.6%、また最小奏効(MR)が8.1%で、臨床的有用率(CBR)は54.1%となり、病勢安定(SD)35.1%を加えた病勢コントロール率(DCR)は89.2%であった。奏効期間の中央値は到達していないが、17人中14人で奏効は持続していた。奏効までの期間の中央値は4.1週(4.0-12.0)だった。スイマープロットで、一部の患者では奏効が持続していることが示唆された。

 IberVd群では、ORRは56.0%(25人中14人)で、CRが4.0%、VGPRが24.0%、PRが28.0%で、MRが8.0%、CBRは64.0%、またSDが24.0%で、DCRは88.0%となった。奏効期間の中央値は35.7週であり、14人中7人で奏効は持続していた。奏効までの期間の中央値は3.6週(3.0-13.1)だった。

 IberKd群では、ORRは50.0%(8人中4人)で、sCRが12.5%(1人)、VGPRが25.0%、PRが12.5%、CBRは50.0%、SDは37.5%で、DCRは87.5%となった。奏効期間の中央値は到達していないが、4人で奏効は持続していた。奏効までの期間の中央値は4.1週(4.1-8.1)だった。

 以上の結果から、治療歴の多い再発・難治性多発性骨髄腫に対し、iberdomideとデキサメタゾン、およびダラツムマブ、またはボルテゾミブ、またはカルフィルゾミブとの併用療法は、良好な安全性プロファイルを示し、IMiDやダラツムマブ、PIに不応の患者においても有効性が期待されるとした。またRP2Dは、IberDd群では1.6mgと決定されたが、IberVd群およびIberKd群では用量評価が継続されているとしている。

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