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2021/06/14

急性骨髄性白血病に経口アザシチジンの維持療法はNPM1変異とFLT3変異に関わりなく有意に生存を改善【EHA 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 急性骨髄性白血病(AML)患者において、NPM1変異FLT3変異は予後に影響するが、それらの変異とは関わりなく、導入療法で初回寛解が得られたAML患者に対し、経口アザシチジンCC-486)は維持療法としてプラセボに比べて全生存期間(OS)を有意に改善することが、国際的無作為化二重盲検フェーズ3試験QUAZAR AML-001の事後解析で明らかになった。

 ドイツUniversitatsklinikum UlmのHartmut Dohner氏らが、6月9日から17日にオンラインで開催されている欧州血液学会(EHA2021)で発表した。

 AMLにおいてNPM1変異はAML患者の25-30%に認められ、FLT3-ITD変異がない場合は良好な予後と関連している。FLT3-ITD変異はAML患者の25%以下、FLT3-TKD変異は7%以下に認められ、FLT3-ITD変異は不良な予後と関連している。

 QUAZAR AML-001試験において、経口アザシチジン(CC-486)は、プラセボと比較して有意にOSを延長したことが報告されている。OS中央値は24.7カ月、プラセボ群が14.8カ月だった(p<0.001)。

 今回は、NPM1変異、FLT3-ITD変異とFLT3-TKD変異、およびNPM1変異とFLT3-ITD変異の両方が存在する場合の生存への影響が検討された。

 試験は、導入療法のみ、あるいは地固め療法も行って完全寛解(CR)もしくは血球数の回復が不完全な完全寛解(CRi)に至った、55歳以上の初発AMLあるいは二次性AML患者を対象に行われた。ECOG PSは0-3、細胞遺伝学的に中リスクか高リスクで、造血幹細胞移植(HSCT)の適応でない患者とした。患者を、CR/CRi到達から4カ月以内に経口アザシチジン群とプラセボ群に1:1に無作為に割り付けた。28日を1サイクルとして1日に1回、経口アザシチジン(300mg)かプラセボを14日間投与した。

 無作為化された472人のうち、今回の解析対象は469人で、NPM1変異のある患者が137人(29.2%)、FLT3-ITD変異および/またはFLT3-TKD変異のある患者が66人(14.1%)だった。FLT3-ITD変異は46人、FLT3-TKD変異が24人だった。またNPM1変異がありFLT3-ITD変異がない患者は107人(22.8%)、NPM1変異がありFLT3-ITD変異もある患者は30人(6.4%)、NPM1野生型でFLT3-ITD変異がある患者は16人(3.4%)だった。

 解析の結果、OSについて、NPM1変異のある患者では、経口アザシチジン群(66人)のOS中央値は47.2カ月、プラセボ群(71人)は15.9カ月だった(p=0.038)。NPM1野生型の患者では、経口アザシチジン群(170人)19.6カ月、プラセボ群(162人)14.6カ月であった(p=0.023)。

 無再発生存期間(RFS)について、NPM1変異型の患者では、経口アザシチジン群のRFS中央値は23.2カ月、プラセボ群は6.9カ月だった(p=0.005)。NPM1野生型の患者では、経口アザシチジン群7.8カ月、プラセボ群4.6カ月であった(p=0.003)。

 また経口アザシチジン群、プラセボ群のどちらも、NPM1変異のある患者のほうがNPM1野生型の患者に比べて、有意にOSとRFSは良好だった。

 FLT3変異の状態で分けたところ、FLT3-ITD/TKD変異のある患者において、経口アザシチジン群(30人)のOS中央値は28.2カ月、プラセボ群(36人)は9.7カ月で、有意差はなかったが(p=0.114)、これはサンプルサイズが小さいためだろうと説明している。FLT3野生型の患者では、経口アザシチジン群(206人)のOS中央値は24.7カ月、プラセボ群(197人)15.2カ月であった(p=0.013)。

 RFSでは有意差が認められ、FLT3-ITD/TKD変異のある患者では、経口アザシチジン群は23.1カ月、プラセボ群は4.6カ月だった(p=0.032)。FLT3野生型の患者では、経口アザシチジン群10.2カ月、プラセボ群4.9カ月であった(p=0.001)。

 次に、NPM1変異がありFLT3-ITD変異がない患者では、経口アザシチジン群(54人)のOS中央値は48.6カ月、プラセボ群(53人)は18.0カ月だった。またNPM1変異がありFLT3-ITD変異もある患者では、経口アザシチジン群(12人)のOS中央値は46.1カ月、プラセボ群(18人)は11.5カ月だった。

 多変量解析の結果、OSに関し、NPM1変異は予後良好因子(ハザード比0.54、p<0.001)で、FLT3-ITD/-TKD変異は予後不良因子(ハザード比1.54、p<0.012)であることが確認された。また経口アザシチジンはNPM1変異とFLT3変異とは独立して有意にOSを延長することが示された(ハザード比0.7236、p=0.003)。

 以上の結果から、AML患者において、診断時のNPM1変異の状態は予後因子であり、また経口アザシチジン治療を受ける患者の生存への有用性の予測因子であるとした。診断時のFLT3-ITD/TKD変異はプラセボ群では予後不良因子であったが、FLT3-ITD/TKD変異のある患者においても、寛解後の経口アザシチジン治療はプラセボに比べて有用であるとしている。

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