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2021/06/14

併存疾患を有する未治療のCLL患者に対するベネトクラクス+オビヌツズマブは治療完了から3年後のPFS率が74%に【EHA 2021】

森下紀代美=医学ライター

 未治療の慢性リンパ球性白血病(CLL)で併存疾患を有する患者において、投与期間を1年間に固定したベネトクラクスオビヌツズマブの併用療法により、治療完了から3年後の時点でも74%が無増悪であることが、ランダム化比較試験CLL14の4年間の観察結果から示された。この割合は、chlorambucilとオビヌツズマブの併用療法を受けた患者では35.4%だった。6月9日から17日にオンラインで開催されている欧州血液学会(EHA 2021)で、ドイツUniversity Hospital of CologneのOthman AI-Sawaf氏が発表した。

 CLL14試験の対象は、未治療のCLLで併存疾患を有し、併存疾患指数(CIRS)が6を超え、クレアチニン・クリアランスが70mL/分未満の患者。ベネトクラクス+オビヌツズマブを6サイクル投与した後、ベネトクラクスを6サイクル投与する群(Ven-Obi療法群)、chlorambucilとオビヌツズマブを6サイクル投与した後、chlorambucilを6サイクル投与する群(Clb-Obi療法群)に、患者を1対1でランダムに割り付けた。

 主要評価項目は試験担当医の評価による無増悪生存期間(PFS)、重要な副次的評価項目は安全性、寛解率、微小残存病変(MRD)の割合(3-6カ月毎に測定、最後の患者の登録から最長5年まで)、全生存期間(OS)だった。経過観察は現在も進行中であるが、全例が試験治療を完了している。

 PFSについては、観察期間中央値28.1カ月での結果がすでに報告されており、Ven-Obi療法群のClb-Obi療法群に対するハザード比は0.35(95%信頼区間:0.23-0.53)、p<0.001となった(K. Fischer, et al. N Engl J Med 2019;380:2225-36)。Ven-Obi療法を1年間の固定した持続期間で行うことにより、MRD陰性(uMRD)の割合が高くなり、CLLに対する分子標的薬の固定した持続期間での投与による深い寛解と実現可能性が示唆された。

 CLL14試験では現在も経過観察が行われている。今回は、試験治療を完了してから3年以上が経過した全患者の最新の有効性と安全性のデータが報告された。

 Ven-Obi療法群216人、Clb-Obi療法群216人となった。ベースラインの患者背景では、年齢中央値はVen-Obi療法群72歳、Clb-Obi療法群71歳、CIRS中央値はそれぞれ9(範囲:0-23)、8(1-28)、クレアチニン・クリアランスの中央値は65.2mL/分、67.4mL/分だった。IGHV遺伝子変異がない患者はそれぞれ61%、59%、TP53遺伝子変異および/またはTP53欠失を認めた患者は両群ともに12%だった。

 安全性については、長期の毒性および後期の毒性の発現は観察されなかった。治療後に観察されたグレード3以上の有害事象は、好中球減少症はVen-Obi療法群4.0%、Clb-Obi療法群1.9%、血小板減少症はそれぞれ0.5%、0.0%、貧血は1.5%、0.5%、発熱性好中球減少症は1.0%、0.5%、肺炎は3.0%、1.4%だった。新たな安全性のシグナルは観察されず、2次癌が1つ以上発生した患者は、Ven-Obi療法群18.9%、Clb-Obi療法群14.0%で、有意差はなかった。

 有効性については、観察期間中央値52.4カ月の時点において、PFSは依然としてVen-Obi療法群で良好だった。PFS中央値は、Ven-Obi療法群で未到達、Clb-Obi療法群36.4カ月、ハザード比0.33(95%信頼区間:0.25-0.45)、p<0.0001となった。ランダム化割り付けから4年時のPFS率は、Ven-Obi療法群74.0%、Clb-Obi療法群35.4%だった。

 PFSの改善は、すべての臨床的および生物学的なリスク群で認められた。TP53遺伝子の状態別にみたPFS中央値は、Ven-Obi療法群のTP53遺伝子変異またはTP53欠失がない患者で未到達、ある患者で49.0カ月、Clb-Obi療法群のTP53遺伝子変異またはTP53欠失がない患者で38.9カ月、ある患者で20.8カ月だった。

 IGHV遺伝子の状態別にみたPFS中央値は、Ven-Obi療法群のIGHV遺伝子変異がない患者で未到達、ある患者で57.3カ月、Clb-Obi療法群のIGHV遺伝子変異がない患者で54.5カ月、ある患者で26.9カ月だった。

 2次治療開始までの期間(TTNT)は、Ven-Obi療法群で有意に延長し、中央値は両群で未到達だったが、4年時のTTNT率はVen-Obi療法群81.08%、Clb-Obi療法群59.9%、ハザード比0.46(95%信頼区間:0.32-0.65)、p<0.0001となった。両群ともに、2次治療を受けた患者の多くはBTK阻害薬の単剤療法を受け、寛解が得られていた。

 OSは両群で差はなかった。中央値は両群ともに未到達で、4年時のOS率は、Ven-Obi療法群85.3%、Clb-Obi療法群83.1%、ハザード比0.85(95%信頼区間:0.54-1.35)、p=0.4929だった。

 MRDの検討では、uMRDの寛解は、Clb-Obi療法群と比べてVen-Obi療法群でより深く得られ、かつ持続的であることが示された。MRDとなるまでの期間の中央値は、Ven-Obi療法群21カ月、Clb-Obi療法群6カ月だった。

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