このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/06/12

PARP阻害薬抵抗性の卵巣癌にWee1阻害薬adavosertib単剤およびオラパリブとの併用は有効【ASCO 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 PARP阻害薬抵抗性の卵巣癌に対し、Wee1阻害薬adavosertib単剤療法、およびadavosertibとPARP阻害薬オラパリブの併用療法は、BRCA遺伝子の状態にかかわらず、臨床的効果があり、効果が持続する患者もいることが、無作為化2群非比較フェーズ2試験のEFFORT試験で明らかになった。

 米University of Texas MD Anderson Cancer CenterのShannon Neville Westin氏らが、6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で発表した。

 前臨床データにおいて、adavosertib(AZD1775)単剤の抗腫瘍効果が確認され、またオラパリブとの併用で相乗効果が得られる可能性が示されていた。そこでフェーズ2試験のEFFORT(EFFicacy Of adavosertib in parp ResisTance)試験では、再発卵巣癌を対象に、adavosertib単剤およびオラパリブとの併用療法の有効性が検討された。

 主要評価項目は、PARP阻害薬で進行した再発卵巣癌患者におけるadavosertib単剤およびオラパリブ併用療法における奏効率だった。副次評価項目は、安全性と忍容性、併用療法における奏効期間、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間、BRCA遺伝子の状態に基づく有効性などだった。

 試験の適格基準は、再発の上皮性卵巣癌、腹膜癌、卵管癌で、維持療法も含めPARP阻害薬で進行し、ECOG PS 0/1、測定可能病変を有し、また十分な骨髄・臓器機能のある患者であった。前治療レジメンの制限はなかった。なお前治療でグレード1を超える毒性(脱毛と食欲不振以外)があった患者は除外され、経口投与ができる患者が対象とされた。

 患者を、adavosertib単剤を経口投与する群、adavosertibとオラパリブを併用投与する群に、1:1で無作為に割り付けた。Adavosertib単剤群は、21日おきに、1日目から5日目および8日目から12日目に、adavosertib 300mgを1日1回投与した。Adavosertib+オラパリブ群では、21日おきに、1日目から3日目と8日目から10日目に、adavosertib 150mgを1日2回投与した。また1-21日目にオラパリブ200mgを1日2回投与した。有効性はRECISTv1.1に基づいて6週ごとに評価した。

 試験は2段階デザインで実施された。まず12人が登録され、2人以上で効果が得られた場合は患者を追加した。

 114人が登録され、80人が治療を受けた。adavosertib単剤群が39人、adavosertib+オラパリブ群が41人。有効性の評価は各群35人で行われた。

 全患者の年齢中央値は60歳(36-76歳)で、高異型度漿液性癌(high-grade serous carcinoma)が93%を占めた。生殖細胞系列または体細胞系列のBRCA遺伝子変異を有した患者が48%だった。前治療数の中央値は4回(1-11)で、プラチナ製剤抵抗性の患者が64%だった。

 PAPR阻害薬後の治療数は中央値で1回(0-5)だった。前治療のPAPR阻害薬はオラパリブが半数を占め、niraparibとrucaparibが各2割、talazoparibも使用されていた。PAPR阻害薬は維持療法として使用された患者が45%だった。前治療のPAPR阻害薬で、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、もしくは病勢安定(SD)が2サイクル超の患者は86%であった。

 試験の結果、奏効率は、adavosertib単剤群が23%(95%信頼区間:12-38)、adavosertib+オラパリブ群は29%(95%信頼区間:16-44)であった。奏効期間の中央値は、5.5カ月(95%信頼区間:2.8-評価せず[NE])と6.4カ月(95%信頼区間:2.8-14.6)だった。臨床的有用率は、63%(95%信頼区間:48-76)、89%(95%信頼区間:76-96)だった。PFS中央値は、adavosertib単剤群が5.5カ月(90%信頼区間:3.9-6.9)、adavosertib+オラパリブ群が6.8カ月(90%信頼区間:4.3-8.3)であった。

 BRCA遺伝子の状態で分けたところ、BRCA変異型の患者では、奏効率はadavosertib単剤群(15人)が20%、adavosertib+オラパリブ群(16人)は19%で、奏効期間の中央値は5.6カ月と6.4カ月だった。臨床的有用率は67%と81%だった。また臨床的有用性の期間中央値が、adavosertib単剤群は5.6カ月、adavosertib+オラパリブ群は5.6カ月であった。

 BRCA野生型の患者でも同様の有効性が認められた。奏効率はadavosertib単剤群(16人)が31%、adavosertib+オラパリブ群(18人)は39%で、奏効期間の中央値は4.1カ月と8.7カ月だった。臨床的有用率は69%と94%であり、臨床的有用性の期間中央値が4.1カ月と8.4カ月であった。

 安全性について、adavosertib単剤群で、治療関連有害事象は97%(38人)に認められた。有害事象による投与中止は5%、減量が54%、投与中断が72%に行われた。スイマープロットでは患者によってばらつきはあるが、減量と投与中断を複数回行なって長期継続できた患者もいた。10%以上に見られた有害事象は、下痢、好中球減少症、血小板減少症、疲労、吐き気、腹痛、貧血、白血球減少症、ALP上昇だった。

 adavosertib+オラパリブ群では、治療関連有害事象は全員に認められ、adavosertibとオラパリブの投与中止が10%、adavosertibとオラパリブの減量が56%、adavosertibのみの減量は10%、オラパリブのみの減量は5%で、adavosertibとオラパリブの投与中断が85%だった。10%以上に見られた有害事象は、下痢、貧血、血小板減少症、疲労、吐き気、嘔吐、腹痛、好中球減少症だった。

 以上の結果から、PARP阻害薬抵抗性の卵巣癌患者に対し、adavosertib単剤療法およびオラパリブとの併用療法は、BRCA遺伝子の状態にかかわらず、有効性が示されたとした。また投与の中断や減量は要されるが、支持療法により毒性は全般的に管理可能であったとしている。相同組換え修復欠損(HRD)などについてトランスレーショナル解析が進められているとした。

この記事を友達に伝える印刷用ページ