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2021/06/12

進行鼻咽腔癌の1次治療で抗PD-1抗体camrelizumabとゲムシタビン+シスプラチンの併用がPFSを延長【ASCO 2021】

森下紀代美=医学ライター

 再発または転移を有する鼻咽腔癌患者に対する1次治療として、PD-1に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体のcamrelizumabとゲムシタビン+シスプラチン(GP療法)の併用は、プラセボ+GP療法と比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが、多施設共同、二重盲検、フェーズ3のランダム化比較試験CAPTAIN-1STから示された。6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、中国Sun Yat-sen University Cancer CenterのLi Zhang氏が発表した。

 camrelizumabとGP療法の併用は、再発または転移を有する鼻咽腔癌患者の1次治療として、予備的な抗腫瘍効果の評価で有望であることがフェーズ1試験から示されている(W. Fang, et al. Lancet Oncol 2018;19:1338-50)。

 Zhang氏らは、フェーズ3試験において、再発または転移を有する鼻咽腔癌患者の1次治療として、camrelizumabまたはプラセボとGP療法の併用の有効性と安全性を比較した。

 対象は、病理学的に再発または転移を有する鼻咽腔癌が確認された患者で、再発または転移に対する全身療法の治療歴はなく(導入療法、術後療法、同時化学放射線療法から6カ月以上経過後の増悪は可)、ECOG PS 0-1、測定可能病変が1つ以上あることとされた。

 3週を1サイクルとして、camrelizumab 200mgまたはプラセボを1日目に、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目と8日目に、シスプラチン80mg/m2を1日目に投与し、4-6サイクル行い、その後camrelizumab(200mgを1日目に投与)またはプラセボによる維持療法を3週毎に行う群に、患者を1対1で割り付けた。主要評価項目は独立審査委員会(IRC)の評価によるPFS、副次的評価項目は、試験担当医の評価によるPFS、奏効率、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間、全生存期間(OS)、安全性だった。

 2018年11月から2019年11月までに28施設から263人が登録され、camrelizumab+GP療法を行う群(camrelizumab群)に134人、プラセボ+GP療法を行う群(プラセボ群)に129人が割り付けられた。データカットオフ日は2020年12月31日、camrelizumab群の41人、プラセボ群の16人が試験治療を継続中である。

 患者背景では、年齢がcamrelizumab群でやや高かったが、ほぼバランスがとれていた。

 化学療法のサイクル数中央値は、camrelizumab群6(範囲:1-6)、プラセボ群6(1-6)、6サイクル受けた患者はそれぞれ68.7%、65.9%だった。camrelizumabまたはプラセボの投与サイクル数中央値は、camrelizumab群16(範囲:1-34)、プラセボ群10(1-32)となった。

 観察期間中央値は15.6カ月となった。PFSのイベントは、camrelizumab群の58.2%、プラセボ群の77.5%に発生した。IRCの評価によるPFSの中央値は、camrelizumab群10.8カ月(95%信頼区間:8.5-13.6)、プラセボ群6.9カ月(95%信頼区間:5.9-7.9)、ハザード比0.51(95%信頼区間:0.37-0.69)、p<0.0001となった。

 試験担当医の評価によるPFSも同様の結果となった。PFS中央値は、camrelizumab群12.0カ月(95%信頼区間:9.9-14.0)、プラセボ群7.0カ月(95%信頼区間:6.8-8.3)、ハザード比0.49(95%信頼区間:0.36-0.67)、p<0.0001だった。

 PFSのサブグループ解析では、肝転移の有無、根治的同時化学放射線療法の治療歴の有無などを含むすべてのサブグループにおいて、camrelizumabを追加するベネフィットが示された。

 IRCの評価による奏効率は、camrelizumab群88.1%(95%信頼区間:81.3-93.1)、プラセボ群80.6%(95%信頼区間:72.7-87.1)、p=0.1063だった。奏効期間中央値はそれぞれ9.9カ月(95%信頼区間:7.7-12.5)、5.7カ月(95%信頼区間:5.2-6.9)、ハザード比0.48(95%信頼区間:0.34-0.68)、p<0.0001となり、有意差がみられた。DCRは、camrelizumab群96.3%(95%信頼区間:91.5-98.8)、プラセボ群94.6%(95%信頼区間:89.1-97.8)だった。

 OSは両群でimmatureであるが、camlizumab群で良好な傾向がみられた。OS中央値は、camrelizumab群で未到達(NR)(95%信頼区間:NR-NR)、プラセボ群22.6カ月(95%信頼区間:19.2-NR)、ハザード比0.67(95%信頼区間:0.41-1.11)、p=0.0576となった。12カ月時のOS率はcamrelizumab群85.0%(95%信頼区間:77.7-90.1)、プラセボ群83.4%(95%信頼区間:75.6-88.8)、24カ月時のOS率はそれぞれ70.0(95%信頼区間:53.9-81.4)、NR(95%信頼区間:NR-NR)だった。

 グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、camrelizumab群93%、プラセボ群90%に発現した。TRAEによる治療中止はそれぞれ9%、5%、TRAEによる死亡は4%、1%未満だった。最も多かったグレード3以上のTRAEは、白血球数減少症(camrelizumab群66%、プラセボ群70%)、好中球数減少症(64%、65%)、血小板数減少(40%、40%)、貧血(39%、43%)などだった。TRAEの頻度とグレードは、RCEP(reactive cutaneous capillary endothelial proliferation)を除き、両群で同等だった。免疫関連有害事象は、camrelizumab群ではRCEP、甲状腺機能低下症、発疹などが多く観察されたが、ほとんどがグレード1または2だった。安全性シグナルは予測された通りで、新たなシグナルは観察されなかった。

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