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2021/06/12

既治療高リスクCLLへのアカラブルチニブはイブルチニブにPFSで非劣性、心房細動は有意に少ない【ASCO 2021】

横山勇生=編集委員

 成人の既治療高リスク慢性リンパ性白血病(CLL)へのブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬アカラブルチニブは、イブルチニブに対して無増悪生存期間(PFS)で非劣性を示すことができ、心房細動については有意に少なく、副作用による中止も少ないことが明らかとなった。アカラブルチニブとイブルチニブを直接比較したオープンラベル無作為化非劣性フェーズ3試験であるELEVATE-RR試験の結果示された。

 6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、米The Ohio State University Wexner Medical CenterのJohn C. Byrd氏が発表した。

 ELEVATE-RR試験(ACE-CL-006試験)は、15カ国124施設で実施された既治療の高リスク(17pの欠失または11qの欠失)CLL患者を対象に、アカラブルチニブのイブルチニブに対する非劣性を検証した無作為化多施設オープンラベルフェーズ3試験。日本の施設は参加していない。患者は、アカラブルチニブ投与群(1日2回100mgのアカラブルチニブを投与)とイブルチニブ群(1日1回420mgのイブルチニブを投与)に1対1で割り付けられた。層別因子は17p欠失の状態、ECOG PS(2と1以下)、前治療数(1から3と4以上)だった。投薬は、病勢進行か受容不能な副作用の発現まで継続された。

 試験の主要評価項目は独立判定委員会の評価によるPFSの非劣性。非劣性の証明にはハザード比の95%信頼区間上限が1.429未満であることが必要だった。副次評価項目は、全グレードの心房細動/心房粗動の発現率、 グレード3以上の感染症発現率、Richter症候群への形質転換率、全生存期間(OS)などだった。

 533人がアカラブルチニブ群(268人)とイブルチニブ群(255人)に割り付けられた。両群の患者背景に差はなかった。年齢中央値がアカラブルチニブ群は66歳、イブルチニブ群は66歳、前治療数中央値は両群ともに2で、1から3がアカラブルチニブ群は87.3%、イブルチニブ群は89.4%、17p欠失がアカラブルチニブ群45.1%、イブルチニブ群45.3%、11q欠失がアカラブルチニブ群62.3%、イブルチニブ群66.0%だった。

 観察期間中央値は40.9カ月(0.0-59.1)で、PFS中央値は両群ともに38.4カ月、ハザード比1.00(95%信頼区間:0.79-1.27)で、アカラブルチニブのイブルチニブに対する非劣性が証明された。PFSのサブグループ解析で、どちらかが明らかに優位なグループはなかった。

 OS中央値はどちらの群も未到達で、ハザード比が0.82(95%信頼区間:0.59-1.15)で、アカラブルチニブ群がやや良い傾向があった。アカラブルチニブ群は63人(23.5%)、イブルチニブ群は73人(27.5%)が死亡していた。

 全グレードの心房細動の発現率は、アカラブルチニブ群が9.4%、イブルチニブ群が16.0%で、差は-6.6%(955信頼区間:-12.2--0.9)、p=0.02で有意にアカラブルチニブ群で少なかった。グレード3以上の感染症発現率は、アカラブルチニブ群が30.8%、イブルチニブ群が30.0%、Richter症候群への形質転換率はアカラブルチニブ群が3.8%、イブルチニブ群が4.9%で同等だった。

 グレード3以上の副作用が発現したのは、アカラブルチニブ群が68.8%、イブルチニブ群が74.9%、重篤な副作用発現率は、アカラブルチニブ群が53.8%、イブルチニブ群が58.6%、副作用で投薬中止となったのは、アカラブルチニブ群が14.7%、イブルチニブ群が21.3%だった。

 グレード3以上の副作用で、アカラブルチニブ群の方が多かったのは頭痛(アカラブルチニブ群1.5%、イブルチニブ群0%)、倦怠感(アカラブルチニブ群3.4%、イブルチニブ群0%)、イブルチニブ群の方が多かったのは下痢(アカラブルチニブ群1.1%、イブルチニブ群4.9%)、高血圧(アカラブルチニブ群4.1%、イブルチニブ群8.7%)だった。全グレードの副作用でみると、咳(アカラブルチニブ群28.9%、イブルチニブ群21.3%)はアカラブルチニブ群で多く、関節炎(アカラブルチニブ群15.8%、イブルチニブ群22.8%)、挫傷(アカラブルチニブ群11.7%、イブルチニブ群18.3%)はイブルチニブ群で多かった。全グレードの間質性肺疾患/肺炎もイブルチニブ群で多かった。

 心房細動/心房粗動、高血圧、出血イベント、下痢、関節炎の蓄積発生率は、アカラブルチニブ群で有意に少なかった。

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