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2021/06/11

MSI-H・dMMRの進行大腸癌の1次治療でペムブロリズマブは有意なOS延長を示せず、クロスオーバーが影響か【ASCO 2021】

横山勇生=編集委員

 抗PD-1抗体ペムブロリズマブは、MSI-HまたはdMMRの進行大腸癌に対する1次治療として、標準的な化学療法と比べて全生存期間(OS)を延長する傾向は認められたが有意な差ではなかったことが明らかとなった。ペムブロリズマブ単剤と標準化学療法を直接比較したフェーズ3試験であるKEYNOTE-177試験のOSに関する最終解析の結果示された。

 ただし、化学療法を受けた患者の6割がクロスオーバーしていること、無増悪生存期間(PFS)とPFS2、奏効率、奏効期間はペムブリズマブ群で良好なこと、OSのカプランマイヤー曲線はペムブロリズマブ群が上にあることから、ペムブロリズマブがMSI-HまたはdMMRの進行大腸癌に対する1次治療であるとの位置付けは変わらない模様だ。

 6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、フランスSorbonne University and Saint Antoine HospitalのThierry Andre氏が発表した。

 KEYNOTE-177試験は、無作為化オープンラベルフェーズ3試験として実施された。MSI-HまたはdMMRの進行大腸癌患者307人が、1次治療としてペムブロリズマブ単剤を投与される群(ペムブロリズマブ単剤群、153人)と標準化学療法(医師選択)を受ける群(標準化学療法群、154人)に割り付けられた。主要評価項目は、盲検下独立中央審査によるRECISTv1.1を用いたPFSとOS。副次評価項目は奏効率と安全性だった。標準化学療法群の患者は、増悪(PD)になった場合にペムブロリズマブ投与へのクロスオーバーが認められていた。

 KEYNOTE-177試験の2度目の中間解析で、PFSに関する最終解析の結果、ペムブロリズマブ単剤群で有意にPFSが延長できることが明らかとなっていた(関連記事)。OSの最終解析は、190イベントが起きた時点か2度目の中間解析から12カ月たった時点と決められていた。今回、2度目の中間解析から12カ月たった時点のOSの結果が発表された。OSの有意差を示すためには、片側p値0.0246を下回ることが必要だった。また、クロスオーバーの影響を調整するために感度分析が行われた。

 最終解析のデータカットオフは、2021年2月19日だった。観察期間中央値は、ペムブロリズマブ単剤群が44.5カ月(36.0-60.3)、標準化学療法群が44.4カ月(36.2-58.6)。56人(36%)が化学療法からペムブロリズマブにクロスオーバーし、試験外で37人が抗PD-1/PD-L1抗体の投与を受けており、ITTにおける実質的なクロスオーバー率は60%だった。

 OSのハザード比は0.74(95%信頼区間:0.53-1.03)、p=0.0359でペムブロリズマブ単剤群で良い傾向が認められたが有意な差ではなかった。OS中央値は、ペムブロリズマブ単剤群が未到達、標準化学療法群が36.7カ月だった。36カ月OS率はペムブロリズマブ群が61%、標準化学療法群が50%。カプランマイヤー曲線は7カ月頃に交差し、その後はペムブロリズマブ単剤群が常に上にあり36カ月以降は横ばいになりつつあった。OSのサブグループ解析では全てペムブロリズマブ単剤群が優位だった。

 後治療の影響を補正した感度分析を行ったところ、Rank Preserving Structural Failure Time Model(RPSFT)の場合のOSのハザード比は0.66(95%信頼区間:0.42-1.04)、 Inverse Probability Censoring Weights(IPCW)の場合のOSのハザード比は0.77(95%信頼区間:0.44-1.38)だった。

 なお、OSの最終解析時点のPFS中央値はペムブロリズマブ単剤群が16.5カ月、標準化学療法群が8.2カ月で、ハザード比0.59(95%信頼区間:0.45-0.79)だった。36カ月PFS率は、ペムブロリズマブ単剤群が42%、標準化学療法群が11%だった。PFS2中央値はペムブロリズマブ単剤群が54.0カ月、標準化学療法群が24.9カ月で、ハザード比0.61(95%信頼区間:0.44-0.83)。36カ月PFS2率は、ペムブロリズマブ単剤群が60%、標準化学療法群が39%だった。

 OSの最終解析時点の奏効率はペムブロリズマブ単剤群が45.1%(20人が完全奏効、49人が部分奏効)、標準化学療法群が33.1%(6人が完全奏効、45人が部分奏効)だった。奏効期間中央値は、ペムブロリズマブ単剤群が未到達(2.3+-53.5+)、標準化学療法群が10.6カ月(2.8-48.3+)。奏効が24カ月以上持続したのは、ペムブロリズマブ単剤群が83.5%、標準化学療法群が33.6%だった。

 グレード3以上の薬剤関連副作用が発現したのは、ペムブロリズマブ単剤群が21.6%、標準化学療法群が66.4%だった。

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