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2021/06/11

進行悪性黒色腫に対する1次治療としてニボルマブとイピリムマブの併用療法は持続的なOS改善効果をもたらす【ASCO 2021】

中西美荷=医学ライター

 切除不能の未治療進行悪性黒色腫に対する1次治療として、ニボルマブイピリムマブ療法は持続的なOS改善効果をもたらすことが、CheckMate 067試験の追跡期間6.5年以上となる最終解析で確認された。解析時点における生存例の77%は後治療を受けることなく経過していることも明らかになった。6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、米国Memorial Sloan Kettering Cancer Center/Weill Cornell Medical CollegeのJedd D. Wolchok氏が報告した。

 CheckMate 067試験(NCT01844505)の5年追跡の解析では、ニボルマブ+イピリムマブ療法およびニボルマブ単剤療法は、III期、IV期の悪性黒色腫患者において、イピリムマブ単剤療法と比較して持続的な臨床ベネフィットをもたらすことが報告されている。5年OS率はそれぞれ52%、44%、26%、BRAF変異陽性例ではそれぞれ60%、46%、30%で、ニボルマブを含む2群のOS中央値は未達(NR)だった。今回、データロック2020年10月19日、追跡期間77カ月以上における有効性の成績が報告された。

 奏効率(ORR)は5年報告と概ね同じで、ニボルマブ+イピリムマブ(併用群:314例)58%、ニボルマブ群(315例)45%、イピリムマブ群(315例)19%で、併用群、ニボルマブ群では奏効期間(DoR)中央値が未達だった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は、併用群11.5カ月(95%信頼区間:8.7-19.3)、ニボルマブ群6.9カ月(95%信頼区間:5.1-10.2)、イピリムマブ群2.9カ月(95%信頼区間:2.8-3.2)で、併用群のハザード比はイピリムマブ群に対して0.42(95%信頼区間:0.35-0.51)、ニボルマブ群に対して0.79(95%信頼区間:0.65-0.97)だった。Kaplan-Meier曲線は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)で期待される通り、ほぼプラトーとなっており、5/6/6.5年PFS率は併用群36/36/34%、ニボルマブ群29/29/29%、イピリムマブ群7/7/7%。

 OS中央値は、併用群72.1カ月(95%信頼区間:36.2-NR)、ニボルマブ群36.9カ月(95%信頼区間:28.2-58.7)、イピリムマブ群19.9カ月(95%信頼区間:16.8-24.6)で、併用群のハザード比はイピリムマブ群に対して0.52(95%信頼区間:0.42-0.64)、ニボルマブ群に対して0.84(95%信頼区間:0,67-1.04)だった。5/6/6.5年OS率は併用群52/50/49%、ニボルマブ群44/43/42%、イピリムマブ群26/23/23%。

 Wolchok氏は併用群の72.1カ月というOS中央値について、「進行悪性黒色腫の治療は科学の進歩により、ここまで来た」「2011年にイピリムマブ単剤療法の成績をここASCOで報告した時、対照のダカルバジン群のOS中央値は9カ月だった(ASCO 2011 #LBA5)。10年後の今、その9カ月は72カ月にまで延長した」と話した。

 12カ月時点の抗腫瘍効果別のPFSは、CR、PRを得た患者でSDの患者よりも良好だった。併用群ではCRとPRでほぼ差がなく、3年経過以降、PFSイベントはほとんど発生しなかった。12カ月時点の抗腫瘍効果別のOSも同様のパターンを示していた。

 BRAF変異型におけるPFSは、併用群、イピリムマブ群では母集団と同様だったが、ニボルマブ群ではBRAF変異型で不良だった。またOSは、BRAF野生型では併用群とニボルマブ群のKaplan-Meier曲線に大きな開きはなかったが、BRAF変異型では併用群の方が良好かつ持続的で、BRAF変異型の1次治療においてはニボルマブとイピリムマブの併用が有用である可能性が示唆された。Wolchok氏は、BRAF変異型に対する逐次治療について前向きに検討しているECOG ACRIN EA 6134試験(NCT02224781)において、ダブラフェニブ+トラメチニブと比較して、ニボルマブ+イピリムマブが1次治療として良好な成績を収められるかどうか、結果が待ち遠しいとした。

 これまでに行われた後方視的研究で、PD-1阻害の効果は肝転移を有する患者では劣ることが示唆されている。本試験でも、肝転移ありでは肝転移なしと比較して予後不良だった。併用群、ニボルマブ群、イピリムマブ群の6.5年OS率は、肝転移ありでは38%、31%、22%、肝転移なしでは54%、44%、22%だった。

 併用群の46.5%、ニボルマブ群の59.5%、イピリムマブ群の75.6%で何らかの後治療が行われており、ニボルマブ群の29%がCTLA-4阻害薬、イピリムマブ群の46%がPD-1阻害薬を投与されていた。無作為割付けから後治療開始までの期間中央値は、併用群NR(95%信頼区間:59.6-NR)、ニボルマブ群25.2カ月(16.0-43.2)、イピリムマブ群8カ月(6.5-8.7)。解析時点の生存例のうち、併用群の77%(112/145例)、ニボルマブ群の69%(84/122例)、イピリムマブ群の43%(27/63例)が無治療で経過していた。

 安全性については、5年追跡での解析後に新たに注目すべき問題は認められず、治療関連死は36カ月での解析の後、報告されていない。

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