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2021/06/11

NSCLCの術前療法でのニボルマブと化学療法の併用は根治切除割合が高く肺全摘は少なくて済む可能性【ASCO 2021】

横山勇生=編集委員

 切除可能非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前療法として、ニボルマブと化学療法を併用投与することは、化学療法のみの場合と比べて根治切除と完全切除の割合が高く、肺全摘は少ない可能性が明らかとなった。また、手術後の合併症も増加させることはなかった。術前療法としてニボルマブと化学療法の併用と化学療法のみを比較したフェーズ3試験であるCheckMate 816試験の、手術に関する解析で示された。

 6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、カナダMcGill University Health CenterのJonathan Spicer氏が発表した。

 CheckMate -816試験は、IB期(4cm以上)からIIIA期の切除可能NSCLC患者を対象に行われている無作為化オープンラベルフェーズ3試験。ECOG PS 0-1でEGFR/ALK変異のない358人を、術前療法として白金系抗癌薬ベースの2剤併用化学療法とニボルマブを投与する群(ニボルマブ併用群、179人)と、白金系抗癌薬ベースの2剤併用化学療法のみの群(化学療法のみ群、179人)に割り付けて行われた。ニボルマブ360mgと組織型に合わせた化学療法、または組織型に合わせた化学療法のみが3週おきに最大3サイクル投与され、その後手術が行われた。

 試験の主要評価項目は、盲検下独立中央判定によるpCR(原発巣と調べたリンパ節の両方で残存癌が0%)率と無イベント生存期間(EFS)。探索的評価項目として、手術の実行可能性と手術関連の副作用が含まれていた。

 主要評価項目の1つであるpCR率については、ニボルマブと化学療法を併用投与すると、化学療法のみの場合に比べて有意に高いpCR率が得られることが報告されていた(関連記事)。今回、手術関連の結果が発表された。

 患者背景は両群で同様だった。年齢中央値は、ニボルマブ併用群が64歳(41-82)、化学療法のみ群が65歳(34-84)、IIIA期の患者はニボルマブ併用群が63%、化学療法のみ群が64%、地域がアジアだったのはニボルマブ併用群が48%、化学療法のみ群が51%、PD-L1発現が1%以上だったのは両群ともに50%だった。

 なお、ベースラインの病期や画像学的なダウンステージに関わらず、ニボルマブ併用群でpCR率の向上が認められていた。また、病期に関わらずニボルマブ併用群の方がより深い病理学的奏効が得られていた。

 根治切除率は、ニボルマブ併用群が83%、化学療法のみ群が75%だった。手術がキャンセルになったのは、病勢進行が理由だったのがニボルマブ併用群が7%、化学療法のみ群が10%、副作用が理由だったのが両群ともに1%だった。手術時間の中央値は、ニボルマブ併用群が184分、化学療法のみ群が217分だった。病期別で調べた結果、IB/II期の場合の根治切除率は、ニボルマブ併用群が85%、化学療法のみ群が82%、IIIA期の場合の根治切除率は、ニボルマブ併用群が82%、化学療法のみ群が72%だった。

 手術の遅れが認められたのは、ニボルマブ併用群が21%、化学療法のみ群が18%で、遅延期間の中央値は、ニボルマブ併用群が2.0週、化学療法のみ群が2.4週だった。

 低侵襲手術率は、ニボルマブ併用群が30%、化学療法のみ群が22%、低侵襲手術から開胸手術に変更になった割合はニボルマブ併用群が11%、化学療法のみ群が16%だった。肺葉切除が行われたのはニボルマブ併用群が77%、化学療法のみ群が61%、肺全摘出が行われたのはニボルマブ併用群が17%、化学療法のみ群が25%だった。

 R0手術はニボルマブ併用群の83%、化学療法のみ群の78%で行われた。ニボルマブ併用群の入院期間中央値は10.0日(7-14)、化学療法のみ群は10.0日(7-14)で差はなかった

 手術関連の副作用(90日以内)が報告されたのは、全グレードがニボルマブ併用群で41%、化学療法のみ群で47%、グレード3-4がニボルマブ併用群で11%、化学療法のみ群で15%だった。手術関連のグレード5は、ニボルマブ併用群のみで2件発生したが薬剤に関連はないと考えられた。

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