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2021/06/10

進行悪性黒色腫の1次治療でrelatlimabとニボルマブの併用はニボルマブ単剤よりPFSを2倍以上延長【ASCO 2021】

中西美荷=医学ライター

 進行悪性黒色腫に対する1次治療として、抗LAG-3抗体relatlimabニボルマブの固定用量配合剤(FDC)を用いた併用療法は、ニボルマブ単剤療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することがフェーズ3試験RELATIVITY-047(CA224-047)により示された。6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、米国Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのEvan J. Lipson氏が報告した。

 対象は未治療の切除不能/転移性悪性黒色腫患者714例(ECOG PS 0-1)。LAG-3発現、PD-L1発現、BRAF変異の状態およびM病期(AJCC第8版)で層別化した上で、relatlimab+ニボルマブ併用療法(relatlimab併用群:355例)またはニボルマブ単剤療法(ニボルマブ群:359例)に1:1で無作為割付けした。relatlimab+ニボルマブ併用療法はrelatlimab 160mg+ニボルマブ480mgのFDCを、ニボルマブ単剤療法はニボルマブ480mgを、いずれも4週毎に静注した。

 主要評価項目はRECISTv1.1での盲検独立中央判定(BICR)によるPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)と奏効率(ORR)。事前に規定したサブグループのPFSと安全性も評価した。

 追跡期間中央値13.2カ月(治療期間中央値 relatlimab併用群5.6カ月、ニボルマブ群4.9カ月)において、relatlimab併用群はニボルマブ群と比較してPFSを有意に延長した。PFS中央値は、relatlimab併用群10.12カ月(95%信頼区間:6.37-15.74)、ニボルマブ群4.63カ月(95%信頼区間:3.38-5.62)でハザード比は0.75(95%信頼区間:0.62-0.92、p=0.0055)だった。12カ月PFS率はrelatlimab併用群47.7%(95%信頼区間:41.8-53.2)、ニボルマブ群36.0%(95%信頼区間:30.5-41.6)。

 事前に規定したサブグループにかかわらず、PFSはrelatlimab併用群で良好だった。LAG-3発現状態別のPFSについても、発現の有無に関わらずrelatlimab併用群で良好で、LAG-3発現≧1%におけるPFS中央値は、relatlimab併用群(268例)12.58カ月(95%信頼区間:6.67-23.10)、ニボルマブ群(269例)4.76カ月(95%信頼区間:4.47-8.61)でハザード比は0.75(95%信頼区間:0.59-0.95)、LAG-3発現<1%におけるPFS中央値はrelatlimab併用群(87例)4.83カ月(95%信頼区間:2.86-10.05)、ニボルマブ群(90例)2.79カ月(95%信頼区間:2.79-4.63)でハザード比は0.78(95%信頼区間:0.54-1.5)だった。

 予期せぬ新たな安全性の懸念は認められず、relatlimabとニボルマブの併用は管理可能な安全性プロファイルを有することが示された。グレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)はrelatlimab併用群においてニボルマブ群よりも高頻度だった(18.9% vs. 9.7%)。治療関連死はrelatlimab併用群3例(血球貪食性リンパ組織球症1例、肺の急性浮腫1例、肺臓炎1例)、ニボルマブ群2例(敗血症、心筋炎1例、肺炎悪化1例)。治療中止を余儀なくされたTRAEはそれぞれ14.6%、6.7%だった。

 Lipson氏はrelatlimab+ニボルマブ併用療法は、進行悪性黒色腫に対する新たな治療選択肢になるとした。

 ディスカッサントのJason J. Luke氏(米国UPMC Hillman Cancer Center)は、明らかにされた有効性のデータがPFSのみであるため注意は必要で、非常に高リスクの患者に対してはフルデータセットが得られるまではイピリムマブ+ニボルマブを使うことになるとしながらも、「進行悪性黒色腫の標準治療は抗PD-1抗体単剤から併用療法へと置き換えられるべき」との見解を示した。特にrelatlimab+ニボルマブ併用療法の毒性が低かったことについて、「非常に魅力的」と話した。

 relatlimab併用群におけるグレード3/4のTRAE発現頻度は18.9%だったが、CheckMate 067試験(Larkin et al. N Engl J Med. 2015; 373:23-34)のニボルマブ群の16.3%よりもやや高いだけで、イピリムマブ+ニボルマブ群の55.0%とは大きな差があることを指摘した。またグレード3/4の大腸炎が、CheckMate 067試験のイピリムマブ+ニボルマブ群7.7%に対して、今回のrelatlimab併用群は0.8%だったことを紹介した。

 今回、PFSのみの報告となった背景には、RELATIVITY-047の試験デザインが関係している。統計学的計画としてPFS、次にOSそしてORRと、段階的に評価を行うことが規定されていた。同試験はフェーズ2/3試験として開始され、フェーズ3に進むべきか否かを判断するためにデータモニタリング委員会は盲検解除となり、一時的に登録が保留された。その間、研究者とすでに登録されていた患者は盲検のまま無作為割付けが継続されたが、フェーズ3に入って間もなく事前に規定されたPFSイベント数に達したため、今回の解析が行われた。OSについては、270イベント発生した時点で中間解析、300イベント発生した時点で最終解析を行うことになっている。

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