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2021/06/10

II期からIIIA期の非小細胞肺癌の術後補助療法でアテゾリズマブは有意に無病生存期間を延長【ASCO 2021】

横山勇生=編集委員

 PD-L1発現が1%以上のII期からIIIA期の非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術後補助療法として、抗PD-L1抗体アテゾリズマブは、支持療法に比べて再発または死亡のリスクをPD-L1陽性患者の34%、全患者の21%減少させることが明らかとなった。全世界で実施されている多施設オープンラベルフェーズ3試験であるIMpower010試験の中間解析の結果示された。

 6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、米Stanford University Medical CenterのHeather A. Wakeleeが発表した。

 IMpower010試験において、アテゾリズマブが支持療法に比べて有意に無病生存期間(DFS)を改善できたことは既に発表されており(関連記事)、詳細な結果が今回明らかにされた。

 IMpower010試験は全世界で実施されている多施設オープンラベルフェーズ3試験。IB期からIIIA期のNSCLC患者で手術を受け、シスプラチンベースの化学療法を最長4サイクルまで受けた患者1005人を、アテゾリズマブ投与群と支持療法群に1対1で無作為に割り付けて行われた。アテゾリズマブは21日に1200mgを最長で16サイクル投与された。

 主要評価項目は、研究グループの評価によるPD-L1陽性のII期からIIIA期患者における無病生存期間(DFS)、無作為化されたII期からIIIA期の全患者におけるDFS、IBからIIIA期の患者(ITT)におけるDFSだった。重要な副次評価項目は、試験の全体患者における全生存期間(OS)、ITTにおける全生存期間(OS)などだった。

 両群の患者背景には差はなかった。全体として年齢中央値は62歳(26-84)、非扁平上皮癌が65.6%、IB期が12.2%、PD-L1発現TC1%以上が54.6%、EGFR変異陽性患者が11.6%含まれていた。

 データカットオフは2021年1月21日で、観察期間中央値が32.8カ月(0.1-57.5)。

 試験の結果、PD-L1陽性のII期からIIIA期患者において、アテゾリズマブ投与群(248人)のDFS中央値はNE(95%信頼区間:36.1-NE)、支持療法群(228人)が35.3カ月(95%信頼区間:29.0-NE)で、層別ハザード比0.66(95%信頼区間:0.50-0.88)、p=0.004で有意にアテゾリズマブ群で延長していた。24カ月DFS率はアテゾリズマブ投与群が74.6%、支持療法群が61.0%、36カ月DFS率はアテゾリズマブ投与群が60.0%、支持療法群が48.2%だった。

 PD-L1陽性のII期からIIIA期患者におけるDFSのサブグループ解析の結果は、EGFR変異がある患者も含めて概してアテゾリズマブ投与群が優位だった。

 II期からIIIA期の全患者において、アテゾリズマブ投与群(442人)のDFS中央値は42.3カ月(95%信頼区間:36.0-NE)、支持療法群(440人)が35.3カ月(95%信頼区間:30.4-46.4)で、層別ハザード比0.79(95%信頼区間:0.64-0.96)、p=0.02で有意にアテゾリズマブ群で延長していた。24カ月DFS率はアテゾリズマブ投与群が70.2%、支持療法群が61.6%、36カ月DFS率はアテゾリズマブ投与群が55.7%、支持療法群が49.4%だった。

 II期からIIIA期の全患者におけるDFSのサブグループ解析の結果は、アテゾリズマブ投与群が優位なグループが多かった。PD-L1発現が1%以上、50%以上と高まるほとハザード比は良くなっていた。PD-L1発現が50%以上のハザード比は0.43、1%以上が0.66、1%未満は0.97だった。EGFR変異陽性患者のハザード比は0.99で効果が認められなかった。

 ITTにおいて、アテゾリズマブ投与群(507人)のDFS中央値はNE(95%信頼区間:36.1-NE)、支持療法群(498人)が37.2カ月(95%信頼区間:31.6-NE)で、層別ハザード比0.81(95%信頼区間:0.67-0.99)、p=0.04で事前に規定した有効性を示す境界を超えていなかった。24カ月DFS率はアテゾリズマブ投与群が71.4%、支持療法群が63.6%、36カ月DFS率はアテゾリズマブ投与群が57.9%、支持療法群が52.6%だった。

 OSはイマチュアの状態だったが、PD-L1発現が1%以上でII期からIIIA期の患者においては、アテゾリズマブ投与群で良い傾向があった。ハザード比0.77(95%信頼区間:0.51-1.17)だった。

 アテゾリズマブ投与群で、グレード3/4の副作用を発現したのは21.8%、治療関連のグレード5は0.8%だった。副作用で投薬中止となったのは18.2%だった。

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