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2021/06/09

局所進行膵癌への1次選択薬は現時点では未確定、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルの併用、mFOLFIRINOXを比較【ASCO 2021】

横山勇生=編集委員

 局所進行膵癌に対して、ゲムシタビンnab-パクリタキセルの併用療法と、mFOLFIRINOX(FOLFIRINOXからイリノテカンを減量、ボーラスFU投与なし)のどちらが効果が高いかは、現時点では明確にならなかったことが報告された。2つの治療法を比較した初めての無作為化フェーズ2試験であるJCOG1407試験の結果、1年全生存期間(OS)はゲムシタビンとnab-パクリタキセルの併用療法が良好だが、2年OSはmFOLFIRINOXが良い結果となった。

 6月4日から8日にオンラインで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、がん研有明病院の尾阪将人氏が発表した。

 JCOG1407試験は、患者をmFOLFIRINOX群(2週間おきに静注オキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、イリノテカン150mg/m2、46時間持続静注5-FU 2400mg/m2を投与)とゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群(4週間を1サイクルとして1日目、8日目、15日目にnab-パクリタキセル125mg/m2を投与し、ゲムシタビン1000 mg/m2を投与)群に割り付けて行われた。 主要評価項目はOS(1年生存割合)、副次評価項目は標的部位を有する患者における奏効率、CA19-9奏効率、無遠隔転移生存期間(DMFS)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などだった。

 試験には2016年7月から2019年8月までに日本国内の29施設から126人が登録された。mFOLFIRINOX群が62人、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が64人だった。年齢中央値は両群とも66歳、男性がmFOLFIRINOX群58%、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群59%だった。

 試験の結果、1年生存割合はmFOLFIRINOX群が77.4%(95%信頼区間:64.9-86.0)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が82.5%(95%信頼区間:70.7-89.9)で、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群の方が高かった。しかし、2年生存割合はmFOLFIRINOX群が48.2%(95%信頼区間:33.3-61.7)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が39.7%(95%信頼区間:28.6-52.5)で、FOLFIRINOX群の方が高かった。

 OS中央値は、mFOLFIRINOX群が2.0年(95%信頼区間:1.6-2.7)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が1.8年(95%信頼区間:1.5-2.0)。ハザード比は1.162(95%信頼区間:0.737-1.831)だった。

 1年PFS割合は、mFOLFIRINOX群が47.5%(95%信頼区間:34.5-59.4)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が40.2%(95%信頼区間:27.8-52.3)、PFS中央値はmFOLFIRINOX群が0.9年(95%信頼区間:0.8-1.2)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が0.8年(95%信頼区間:0.6-1.1)。ハザード比は1.391(95%信頼区間:0.939-2.061)だった。

 1年DMFS割合はmFOLFIRINOX群が64.2%(95%信頼区間:50.9-74.8)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が57.3%(95%信頼区間:43.9-68.6)だった。DMFS中央値はmFOLFIRINOX群が1.4年(95%信頼区間:1.0-1.9)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が1.1年(95%信頼区間:0.8-1.3)。ハザード比は1.495(95%信頼区間:0.982-2.277)だった。

 奏効率(113人対象)は、FOLFIRINOX群が30.9%(95%信頼区間:19.1-44.8)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が41.4%(95%信頼区間:28.6-55.1)で、p=0.3279だった。CA19-9の奏効率(83人対象)は、FOLFIRINOX群が57.1%(95%信頼区間:41.0-72.3)、ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用投与群が85.4%(95%信頼区間:70.8-94.4)で、p=0.0072だった。

 両群ともに治療関連死はなかった。研究グループは、局所進行膵癌に第一選択を決めるためには安全性プロファイルと同様に、より長期間のOSについて考慮することが望ましいとした。

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