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2021/06/07

nab-パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法は高齢者の化学療法未施行進行扁平上皮肺癌のOSを有意に延長【ASCO 2021】

横山勇生=編集委員

 高齢者の化学療法未施行IIIB/IV期扁平上皮肺癌に対して、nab-パクリタキセルカルボプラチンの併用療法は、現在の標準治療であるドセタキセル単剤療法よりも有意に全生存期間(OS)を延長することが明らかとなった。国内92施設で実施された無作為化フェーズ3試験であるCAPITAL試験の結果示された。6月4日から8日にオンラインで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で、西埼玉中央病院の濵元陽一郎氏が発表した。

 CAPITAL試験は、PS 0-1の70歳以上の高齢者IIIB/IV期・術後再発扁平上皮肺癌患者を、ドセタキセル群と、nab-パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法群に無作為に1対1に割り付けて行われた。ドセタキセル群には3週おきにドセタキセル60mg/m2が投与された。nab-パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法群には、3週間を1サイクルとして、1日目にカルボプラチンAUC 6を投与、1日目、8日目、15日目にnab-パクリタキセル100mg/m2が投与された。層別化因子は、年齢(75歳未満と75歳以上)、性別、ECOG PS、施設、病期(III期とIV期)、測定病変の有無だった。

 主要評価項目はOS、副次評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)、安全性。

 試験には2015年12月から2020年8月までに196人が登録された(ドセタキセル群98人、併用療法群98人)。患者背景は両群で差はなかった。年齢中央値がドセタキセル群77歳(70-88)、併用群76歳(70-87)、男性がドセタキセル群87.6%、併用群86.3%、PS 0はドセタキセル群32.0%、併用群34.7%、IV期はドセタキセル群70.1%、併用群71.6%、免疫チェックポイント阻害薬の投与歴があったのはドセタキセル群9.3%、併用群9.5%だった。

 観察期間中央値は11.5カ月だった。2020年8月に開催された中間解析検討会(データカットオフ日は2020年5月28日)で、全生存期間におけるドセタキセルに対するnab-パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法群の優越性を検証したところ、p値が中間解析時点での有意水準である0.01058を下回り、優越性が証明された。

 試験の結果、OS中央値は、併用療法群が16.9カ月(95%信頼区間:12.6-25.4)、ドセタキセル群が10.9カ月(95%信頼区間:8.5-12.4)で、ハザード比0.52(90%信頼区間:0.38-0.70)、p=0.0003で有意に併用群で延長していた。また、PFS中央値は、併用療法群が5.8カ月(95%信頼区間:4.5-7.0)、ドセタキセル群が4.0カ月(95%信頼区間:3.0-4.4)で、ハザード比0.42(95%信頼区間:0.38-0.58)、p<0.0001で有意に併用群で長かった。

 OS、PFSともに75歳未満、75歳以上、男性、女性、PS 0、PS 1、IIIB期、IV期、術後再発のいずれのサブグループでも併用群が優位だった。

 奏効率も併用療法群が66.3%(95%信頼区間:55.7-75.8)、ドセタキセル群が28.0%(95%信頼区間:19.1-38.2)、p<0.001で有意に併用療法群が高かった。併用群で2人(2.2%)に完全奏効(CR)が認められた。

 次の治療で全身療法を受けたのは、併用療法群が51人(53.7%)、ドセタキセル群が60人(61.9%)。次の治療で化学療法を受けたのは、併用療法群が14人(14.7%)、ドセタキセル群が17人(17.5%)だった。後治療の中で免疫チェックポイント阻害薬を投与されたのは、併用療法群が43人(45.3%)、ドセタキセル群が44人(45.4%)だった。

 多く認められたグレード3/4の副作用は、併用療法群で白血球減少症(46.3%)、好中球減少症(63.2%)、貧血(38.9%)で、ドセタキセル群で白血球減少症(56.7%)、好中球減少症(77.3%)、発熱性好中球減少症(17.5%)だった。なお、グレード4の発熱性好中球減少症は併用群で2人(2.1%)だった(グレード3は7.4%)。グレード2以上の末梢神経障害が発現したのは、併用療法群が15人(15.8%)、ドセタキセル群が1人(1.0%)。重篤な治療関連副作用の発現率は併用療法群が13.7%、ドセタキセル群が11.3%で、治療関連死は、併用療法群で2人、ドセタキセル群で1人に起きた。

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