このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/05/19

mRNAコロナウイルスワクチン1回投与での抗体陽性化率は高齢・化学療法を受けている癌患者で低い可能性

横山勇生=編集委員

 癌患者に対するmRNAコロナウイルスワクチンの1回投与は約半数で抗スパイクタンパク質抗体が認められず、高齢、化学療法を受けている患者の抗体陽性化率が低い可能性が報告された。さらに、抗体陽性化しても抗体のレベルは期待値よりも低かった。フランスPitie-Salpetriere hospitalのRomain Palich氏らの研究により示されたもので、Annals of Oncology誌に4月28日オンライン掲載された。

 研究グループは、癌患者と対照群としての医療従事者において、mRNAワクチンであるBNT162b2(Pfizer/BioNTech)の接種後4週間の抗体の反応を解析した。対象は、Pitie-Salpetriere hospitalで2021年2月から2021年3月までにBNT162b2を接種された、過去2年間に化学療法を受けた患者110人と医療従事者25人だった。対象者はワクチン接種以前にCOVID-19に感染していなかった。抗体のタイトレーションは、ワクチン2回目接種の直前に行われた。癌患者の60%が女性、年齢中央値は66歳、癌種は乳癌が34%、肺癌が14%、婦人科癌が14%、前立腺癌が10%などだった。転移を有していた患者は57%。治療は、化学療法が35%、分子標的薬が24%、免疫療法が16%、ホルモン療法が15%だった。

 解析の結果、抗体陽性化率は医療従事者で100%だったのに対し、癌患者においては55%に留まっていた。また、抗体価中央値は、癌患者で抗体陽性になった患者は315 UA/mL、医療従事者は680 UA/mLで、有意に医療従事者の方が高かった。

 抗体陽性化した患者と陽性化しなかった癌患者において、性別、癌の部位、転移の状態は同様だった。可能性のある交絡因子で調整したところ、年齢が65歳超と化学療法の、2つの因子が抗体陽性化しないことと強く関連していた。年齢65歳超のオッズ比は3.58(95%信頼区間:1.40-9.15)、p=0.008、化学療法のオッズ比4.34(95%信頼区間:1.67-11.30)、p=0.003だった。

 ワクチン2回の接種の間でCOVID-19の症状を発現した患者は、癌患者と医療従事者のどちらにも認められなかった。

 研究グループは、高齢、化学療法を受けている癌患者においては、2回の接種の間隔を21日以上空けないことと、抗体の反応を調べ陽性化のモニタリングを行うことが重要だとしている。

この記事を友達に伝える印刷用ページ