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2021/05/14

EGFR変異陽性でT790M変異陽性の進行NSCLCへのオシメルチニブとベバシズマブの併用療法は有効性を示せず【ESMO VIRTUAL PLENARY】

横山勇生=編集委員

 EGFR-TKIによる治療で進行したEGFR変異陽性でT790M変異陽性のIIIB-IV期の非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブベバシズマブの併用療法は、オシメルチニブ単剤療法と比べて有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められない可能性が強くなった。スペイン、シンガポール、韓国など6カ国22施設で実施された無作為化フェーズ2試験であるETOP 10-16 BOOSTER試験の結果示された。5月13日に開催されたESMO VIRTUAL PLENARYで、シンガポールNational University HospitalのR. Soo氏が発表した。

 日本で実施された無作為化フェーズ2試験であるWJOG8715L試験で、EGFR-TKIに不応となったEGFR変異陽性でT790M変異陽性の進行肺腺癌にオシメルチニブとベバシズマブを併用投与しても、オシメルチニブ単剤よりもPFSを延長できないことが既に報告されている(関連記事)。複数国多施設で実施されたフェーズ2試験で同様な結果が得られたことから、EGFR-TKIによる治療で進行したEGFR変異陽性でT790M変異陽性の進行NSCLCに対するオシメルチニブとベバシズマブの併用療法は有効ではない可能性が高まった。

 ETOP 10-16 BOOSTER試験は、EGFR変異陽性の進行NSCLC患者で、EGFR-TKIによる治療で増悪しT790M変異を有するPS 0-2の患者を対象に行われた。白金系抗癌薬ベースの化学療法の治療歴は、最大で1ラインまでとされていた。患者は、オシメルチニブ(1日1回 80mg)とベバシズマブ(3週おきに15mg/kg)を投与する群(ベバシズマブ併用群)とオシメルチニブのみを投与する群(オシメルチニブ単剤群)に1対1で割り付けられた。層別因子はT790M検査に用いた材料(腫瘍組織とctDNA)と人種(アジア人と非アジア人)だった。

 腫瘍評価項目はRECISTv1.1に基づくPFS。副次評価項目は奏効率、病勢コントロール率(DCR)、副作用、全生存期間(OS)だった。

 2017年5月から2019年2月までに、155人が無作為に割り付けられた。ベバシズマブ併用群が78人、オシメルチニブ単剤群が77人。観察期間中央値は、ベバシズマブ併用群が32.6カ月、オシメルチニブ単剤群が34.5カ月だった。

 試験の結果、PFS中央値はベバシズマブ併用群が15.4カ月(95%信頼区間:9.2-18.0)、オシメルチニブ単剤群が12.3カ月(95%信頼区間:6.2-17.2)で、ハザード比0.96(95%信頼区間:0.68-1.37)、p=0.84で有意な差はなかった。カプランマイヤー曲線は、最初はベバシズマブ併用群の曲線が上にあったが、15カ月目頃以降は重なっていた、12カ月PFS率は、ベバシズマブ併用群が60.3%、オシメルチニブ単剤群が50.8%、24カ月PFS率は、ベバシズマブ併用群が22.1%、オシメルチニブ単剤群が24.2%だった。PFSのサブグループ解析は、喫煙者/喫煙歴のある患者においては、ベバシズマブ併用群で良好だったが、他は差はなかった。

 OS中央値はベバシズマブ併用群が24.0カ月(95%信頼区間:17.8-32.1)、オシメルチニブ単剤群が24.3カ月(95%信頼区間:16.9-37.0)で、ハザード比1.03(95%信頼区間:0.67-1.56)、p=0.91で有意な差はなかった。12カ月OS率は、ベバシズマブ併用群が77.5%、オシメルチニブ単剤群が72.1%、24カ月OS率は、ベバシズマブ併用群が50.4%、オシメルチニブ単剤群が54.7%だった。

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