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2021/05/10

抗TROP2抗体薬物複合体datopotamab deruxtecanが転移を有するトリプルネガティブ乳癌に有用な可能性【ESMO BREAST 2021】

横山勇生=編集委員

 抗TROP2抗体薬物複合体datopotamab deruxtecanDato-DXd、 DS-1062)が、転移を有するトリプルネガティブ乳癌に有用である可能性が明らかとなった。進行中のフェーズ1試験で管理可能な安全性プロファイルが示され、多くの治療歴を有する患者で良好な抗腫瘍効果が認められた。5月5日から8日まで開催されたESMO BREAST CANCER VIRTUAL CONGRESS(ESMO BREAST 2021)で、米 Massachusetts General Hospital Cancer CenterのAditya Bardia氏が発表した。

 発表されたのは、バスケット試験方式で行われているフェーズ1試験であるTROPION-PanTumor01試験(NCT03401385)の、トルプルネガティブ乳癌コホートの途中結果。標準治療で増悪/再発した進行または転移を有するトリプルネガティブ乳癌で測定可能病変を有する患者40人を対象に、3週おきにDato-DXd 6mg/kgを投与することで行われている。主要目的は安全性、忍容性の評価で副次目的は有効性と薬物動態の評価。TROP2発現による患者選択は行われていない。

 2021年1月8日をデータカットオフとした、24人の結果が発表された。2人はDato-DXdの投与量が6mg/kgに決まる前に8mg/kgが投与されていた。

 データカットオフ時点で18人(75%)で治療が継続され、6人(25%)で中止となっていたが全て病勢進行によるものだった。

 25人の患者背景は、年齢中央値が57.0歳(32-82)。米国人が18人、日本人が6人。ECOG PS 1が16人(67%)、脳転移を有していたのは2人(8%)、治療歴数中央値は4(1-9)で、2ライン以上の治療歴があったのは21人(88%)だった。

 試験の結果、全員で治療関連の副作用が発現したが、グレード3以上の治療関連副作用が発現したのは4人(17%)、重篤な副作用が発現したのは3人(13%)だった。副作用が原因で6人(25%)において減量が行われた。減量の原因となった副作用で多かったのは、口内炎(3人)と粘膜炎(2人)だった。副作用で投薬中止となった患者はいなかった。投薬中に発現した副作用は主にグレード1か2(67%)で、非血液学的な副作用だった。グレード3以上の下痢や好中球減少症は発現せず、薬剤関連の間質性肺疾患(ILD)は認められていない。

 盲検下独立中央判定による評価で、抗腫瘍効果の評価が可能だった21人のうち奏効が認められたのは9人で、奏効率は43%、5人は確定奏効だった。病勢コントロール率は95%で、病勢進行(PD)は1人だけだった。

 現在、ホルモン受容体陽性コホートの患者登録が進められているという。

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