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2021/04/15

化学療法で増悪した進行非小細胞肺癌の全生存期間を抗PD-1抗体tislelizumabはドセタキセルよりも有意に延長【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 白金系抗癌薬ベースの化学療法で増悪した進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、抗PD-1抗体tislelizumab(BGB-A317)がドセタキセルよりも有意に全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるRATIONALE 303試験の中間解析の結果示された。4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、中国Shanghai Pulmonary HospitalのCaicun Zhou氏が発表した。

 tislelizumabはマクロファージ上のFcγRへの結合を抑制するよう設計された抗PD-1抗体で、中国以外のTislelizumabの開発、販売権はスイスNovartis社が保有している。

 RATIONALE 303試験は、白金系抗癌薬ベースの化学療法で増悪したドライバー変異を有さない進行NSCLC患者の2次治療または3次治療として、tislelizumab単剤とドセタキセルを比較した無作為化オープンラベル国際多施設フェーズ3試験。中国、ブラジル、ロシアなどの10カ国で行われ、日本の施設は含まれていない。試験は、805人の患者をtislelizumab群(200mgを3週おきに投与)とドセタキセル群(75mg/m2を3週おきに投与)に2対1で割り付けて行われた。層別因子は組織型(扁平上皮と非扁平上皮)、治療ライン(2次治療と3次治療)、PD-L1発現状態(TC 25%未満と以上)。

 主要評価項目は全患者(ITT)におけるOSとPD-L1高発現患者(TC 25%以上)におけるOSだった。重要な副次評価項目は、奏効率、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、健康関連QOLと安全性だった。

 今回発表されたのは、426件のOSイベント発生後に実施することが事前に規定されていた中間解析の結果。中間解析においては、ITTにおけるOSの優越性のみを正式に検証することになっていた。

 805人がtislelizumab群(535人)とドセタキセル群(270人)に無作為に割り付けられた。患者背景には概して差はなかった。

 441イベントが発生した中間解析時点(データカットオフは2020年8月10日)で、ITTのOS中央値は、tislelizumab群が17.2カ月、ドセタキセル群が11.9カ月で、ハザード比0.64(95%信頼区間:0.527-0.778)、p<0.0001で有意にtislelizumab群で延長していた。2年OS率はtislelizumab群が39.4%、ドセタキセル群が25.0%だった。また、PD-L1高発現患者のOS中央値は、tislelizumab群が19.1カ月、ドセタキセル群が11.9カ月で、ハザード比0.52(95%信頼区間:0.384-0.713)、p<0.0001でtislelizumab群が有意に長かった。2年OS率はtislelizumab群が44.7%、ドセタキセル群が24.5%だった。

 ITTにおける無増悪生存期間(PFS)中央値は、tislelizumab群が4.1カ月、ドセタキセル群が2.6カ月で、ハザード比0.64(95%信頼区間:0.533-0.758)、p<0.0001で有意にtislelizumab群で延長していた。1年PFS率はtislelizumab群が23.3%、ドセタキセル群が5.7%だった。奏効率はtislelizumab群が21.9%、ドセタキセル群が7.0%で、p<0.0001で有意にtislelizumab群が高かった。奏効期間中央値は、tislelizumab群が13.5カ月、ドセタキセル群が6.2カ月だった。

 投薬中のグレード3以上の副作用発現率は、tislelizumab群が38.6%、ドセタキセル群が74.8%だった。副作用で死亡したのは、tislelizumab群が6.0%、ドセタキセル群が4.3%。治療関連の副作用で死亡したのは、tislelizumab群が1.5%、ドセタキセル群が1.6%だった。安全性プロファイルは、既存の抗PD-1抗体、PD-L1抗体と同様だった。

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