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2021/04/15

未治療の進行尿路上皮癌へのアテゾリズマブとシスプラチンの併用がOS延長の可能性【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 未治療の進行尿路上皮癌に対する抗PD-L1抗体アテゾリズマブと化学療法の併用は、化学療法単独と比べて、全生存期間(OS)の延長傾向は示しているが有意な差にはなっていないことが明らかとなった。一方、使用する抗癌薬がシスプラチンの場合はカルボプラチンよりも良い結果を示すことも分かった。フェーズ3試験IMvigor130試験の、OSの2回目の中間解析の結果示された。

 4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、米Icahn School of Medicine at Mount Sinai/Tisch Cancer InstituteのMatthew D. Galsky氏が発表した。

 IMvigor130試験は、局所進行もしくは転移性の尿路上皮癌患者1213人を、アテゾリズマブと化学療法を併用する群(451人)、アテゾリズマブ単剤を投与する群(362人)、プラセボと化学療法を投与する群(400人)に割り付けて行われた。化学療法はゲムシタビンと白金系抗癌薬(シスプラチンもしくはカルボプラチン)が使われた。

 無増悪生存期間(PFS)については、アテゾリズマブ+化学療法群でプラセボ+化学療法群よりも有意な延長が認められたものの、1回目の中間解析(観察期間中央値11.8カ月)においてOSには有意な差は認められていなかった(関連記事)。試験は、アテゾリズマブ+化学療法群がプラセボ+化学療法群よりもOSを有意に延長した場合に、正式にアテゾリズマブ単剤群とプラセボ+化学療法群のOSの検証が行われることになっている。

 今回発表されたのは、データカットオフが2020年6月14日、観察期間中央値13.3カ月の2度目のOSの中間解析の結果。 アテゾリズマブ+化学療法群の65%、プラセボ+化学療法群の67%の患者が死亡していた。なお白金系抗癌薬別、PD-L1発現別の結果も発表された。

 2回目の中間解析の結果、ITTのOS中央値はアテゾリズマブ+化学療法群が16.1カ月(95%信頼区間:14.2-18.8)、プラセボ+化学療法群が13.4カ月(95%信頼区間:11.9-15.2)で、ハザード比0.84(95%信頼区間:0.71-1.00)、p=0,026で閾値の 0.014を上回っており有意な差はなかった。

 化学療法がシスプラチンだった患者(273人)で、OS中央値はアテゾリズマブ+化学療法群(137人)が21.6カ月(95%信頼区間:17.5-25.4)、プラセボ+化学療法群(136人)が14.6カ月(95%信頼区間:11.7-18.4)、ハザード比0.73(95%信頼区間:0.54-0.98)だった。カプランマイヤー曲線は3カ月目頃から離れ始めていた。シスプラチンだった患者のうち、PD-L1発現がIC 0/1の患者(204人)のハザード比は0.72(95%信頼区間:0.52-1.01)、IC 2/3の患者(69人)のハザード比は0.66(95%信頼区間:0.32-1.36)で、PD-L1発現の度合いに関わらずアテゾリズマブ+化学療法群が良好だった。

 化学療法がカルボプラチンだった患者(578人)で、OS中央値はアテゾリズマブ+化学療法群(314人)が14.3カ月(95%信頼区間:12.0-16.5)、プラセボ+化学療法群(264人)が13.0カ月(95%信頼区間:10.6-15.2)、ハザード比0.91(95%信頼区間:0.74-1.10)だった。カプランマイヤー曲線は、ほぼ重なっていた。カルボプラチンだった患者のうち、PD-L1発現がIC 0/1の患者(448人)のハザード比は0.94(95%信頼区間:0.75-1.18)、IC 2/3の患者(130人)のハザード比は0.80(95%信頼区間:0.52-1.23)で、PD-L1発現の度合いが高い患者でアテゾリズマブ+化学療法群が良い傾向があった。

 奏効率は両群で変わらないが、完全奏効率は、ITTでアテゾリズマブ+化学療法群が13%、プラセボ+化学療法群が7%とアテゾリズマブ+化学療法群の方が約2倍で、使用した白金系抗癌薬に関わらず同様な結果だった。奏効期間中央値は、概してアテゾリズマブ+化学療法群の方が長かった。

 後治療でプロトコール外の免疫療法を受けていたのは、アテゾリズマブ+化学療法群で7%、プラセボ+化学療法群で24%だった。

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