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2021/04/14

再発・難治性B細胞リンパ腫と慢性リンパ性白血病にCD19/CD20標的CAR-T細胞療法は優れた安全性と有望な臨床効果【AACR 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 再発・難治性B細胞リンパ腫および慢性リンパ性白血病に対し、CD19CD20の2つを標的としたキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法は安全に施行でき、臨床効果も期待できることが、フェーズ1試験で明らかになった。米University of California Los AngelesのSanaz Noelle Ghafouri氏らが、4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で発表した。

 再発・難治性B細胞リンパ腫に対して、CD19標的CAR-T細胞療法は有効な治療だが、治療後6カ月までに約50%の患者は再発するといわれている。そこでCAR-T細胞の持続性の改善と抗原エスケープによる再発を抑えるため、患者のナイーブT細胞、メモリーT細胞を用いて、CD19とCD20を標的とした二重特異性CAR-T細胞が開発された。

 患者の白血球からCD14陰性/CD25陰性/CD62L陽性のナイーブ/メモリーT細胞を選別した後、レンチウイルスを用いてCD19/CD20標的CAR遺伝子を導入した。フルダラビンとシクロホスファミドによる前処置後、患者にCD19/CD20標的CAR-T細胞を投与した。試験は3+3の用量漸増デザインで行われた。

 対象は、2ラインの前治療後に再発・難治性となったびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、3ラインの前治療後に再発・難治性となったマントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、慢性リンパ性白血病(CLL)とした。主要評価項目は安全性で、副次評価項目は臨床効果であった。

 5人が登録され、年齢中央値は58歳(29-62歳)、前治療数は中央値が4ラインだった。CAR-T細胞は4人に50×106個、1人に200×106個が投与された。50×106コホートの4人のうちFLが2人、PMBCLが1人、MCLが1人、200×106コホートの1人はFLだった。50×106コホートの4人はブリッジング治療を受けていた。

 5人のうち4人で完全奏効(CR)が認められ、CRは4-15カ月維持されていた。観察期間中央値は、50×106コホートで13.0カ月、200×106コホートで4.1カ月だった。奏効率は、50×106コホートで75%、CRは75%、200×106コホートで奏効率は100%、CRは100%となった。無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の中央値には到達していない。奏効しなかった1人はステージ4のPMBCLで、CAR-T細胞投与後14日目に増悪し、腫瘍はCD19陰性、CD20陰性に変化していた。

 投与による忍容性は認められ、用量制限毒性はなかった。すべての患者にグレード1のサイトカイン放出症候群(CRS)が認められた。CRSの発症は投与後中央値で8日(7-11日)であった。免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は認めなかった。グレード3/4の好中球減少症が4人に見られたが、発熱性好中球減少症はなかった。奏効しなかった患者は、CAR-T細胞療法後6.2カ月で死亡したが、これは後治療に関連した死亡だった。

 以上の結果から、再発・難治性のB細胞リンパ腫患者において、ナイーブ/メモリーT細胞を用いたCD19/CD20標的CAR-T細胞療法は優れた安全性プロファイルを示し、今回発表された初期の結果では有望な臨床効果も示されたとした。

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