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2021/04/14

FGFR2変異陽性進行肝内胆管癌にFGFR阻害薬futibatinibが高い効果を示す、TP53同時発生変異にも効果【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 FGFR1、2、3、4の不可逆的かつ選択的阻害薬futibatinibTAS-120)が、FGFR2遺伝子融合/再構成を有する肝内胆管癌に有効である可能性が明らかとなった。フェーズ2試験であるFOENIX-CCA2 試験の結果示された。有効性はベースラインの背景の差、変異の差や同時発生変異の種類に関わらず認められた。4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、米Massachusetts General HospitalのLipika Goyal氏が発表した。

 futibatinibについては、 FOENIX-CCA2 試験の結果に基づいて米食品医薬品局からブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定を取得したことことを大鵬薬品が4月2日に発表していた。

 FOENIX-CCA2試験は、FGFR2遺伝子融合/再構成が起きている切除不能または転移を有する肝内胆管癌で、FGFR阻害薬の投与歴はなく、ゲムシタビンと白金系抗癌薬による化学療法歴がある患者を対象に行われた単群多施設フェーズ2試験。患者には21日間を1サイクルとして、1日1回futibatinib 20mgが病勢増悪、受容不能な副作用の発現、同意の撤回、死亡のいずれかが起こるまで経口投与された。投与量は、副作用管理を目的として16mgと12mgの2段階の減量が認められていた。

 主要評価項目は独立中央画像判定によるRECISTv1.1に基づく奏効率。副次評価項目は、奏効期間(DOR)病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカムだった。患者背景と変異の種類、同時発生変異の種類によるサブグループ解析も行われた。

 試験には、2018年4月から2019年11月までに世界の36施設で103人が参加した。データカットオフは2020年10月1日で、全員6カ月以上の観察期間があり、観察期間中央値は17.1カ月だった。患者背景は、年齢中央値が58.0歳(22-79)、女性は56%、2ライン以上の治療歴があったのは53%。FGFR2融合遺伝子があったのは78%で、23%はFGFR2-BICC1融合遺伝子だった。FGFR遺伝子再構成が起きていたのは22%だった。

 試験の結果、確定奏効率は41.7%(95%信頼区間:32.1-51.9)で、1人(1%)で完全奏効が得られた。病勢安定(SD)は40.8%で、疾患コントロール率は82.5%(95%信頼区間:73.8-89.3)だった。奏効は持続的で、DOR中央値は9.7カ月(95%信頼区間:7.6-17.0)、DORが6カ月以上だったのは72%だった。データカットオフ時点で30%で投薬が継続されていた。事前に規定されたサブグループ解析で、奏効率は年齢、地域、性別、全身治療歴数に関わらず良好な結果が得られており(28.6%から65.2%)、65歳以上の患者で65.2%、3ライン以上の治療歴を有する患者で54.2%だった。用量調整が行われた患者(90人)でも奏効率は40.0%で、減量の効果への影響はなかった。

 PFS中央値は9.0カ月(95%信頼区間:6.9-13.1)、6カ月PFS率は66%、12カ月PFS率は40%。OS中央値は21.7カ月(95%信頼区間:14.5-NR)、12カ月OS率は72%だった。

 探索的なバイオマーカー解析の結果、futibatinibの有効性は融合遺伝子と再構成、融合遺伝子の相手、同時に起きていた遺伝子変異に関わらず認められた。FGFR2融合遺伝子(80人で46種類の融合遺伝子、最も多いのがBICC1との融合遺伝子で30%)の患者の奏効率は43.8%(PFS中央値は8.9カ月)、FGFR2再構成の患者は34.8%(PFS中央値は16.7カ月)。BICCとの融合遺伝子患者は41.7%(PFS中央値は9.0カ月)、BICC1以外の融合遺伝子患者は44.6%(PFS中央値は8.8カ月)だった。

 同時に遺伝子変異を起こしているかを解析したのは93人で、BAP1(40人)、CDKN2A(20人)、CDKN2B(16人)、TP53(13人)、ARID1A(12人)に変異を起こしているものが多かった。奏効率は同時変異の有無に関わらず同等だったが、PFSは変異のある患者で短い傾向があった。他のFGFR阻害薬で効果が低いことが報告されているTP53遺伝子変異については、変異のなかった患者の奏効率が43.8%、PFS中央値は9.0カ月、変異があった患者の奏効率は38.5%、PFS中央値は7.0カ月だった。

 グレード3/4の治療関連副作用が57%に発現した。重篤なグレード3/4の副作用は7%。薬剤関連副作用で中断(50%)、減量(54%)が行われ、副作用は管理可能だった。治療関連死はなく、投薬中止となったのは2人だけだった。多く認められた治療関連副作用(全グレード)は、高リン血症、脱毛、ドライマウス。多く認められたグレード3/4の治療関連副作用は、高リン血症、AST上昇などだった。グレード4はALT上昇1件だけだった。高リン酸血症は全グレードで91%、グレード3が31%に発現したが、リン吸着薬、減量、中断で管理可能だった。網膜障害(全てグレード1-2)が患者の8%に発現した。

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