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2021/04/13

ラロトレクチニブのTRK融合遺伝子陽性癌に対する抗腫瘍効果は高く持続的で長い全生存期間を示す【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬であるラロトレクチニブTRK融合遺伝子陽性癌に対する抗腫瘍効果は高く持続的で、長い全生存期間(OS)が得られることが明らかとなった。3件の臨床試験に参加した患者の長期観察の結果示された。

 4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer Center and Weill Cornell Medical CollegeのAlexander Drilon氏が発表した。

 ラロトレクチニブは、フェーズ1試験であるNCT02122913、フェーズ1/2試験であるSCOUT試験(NCT02576431)、バスケット型のフェーズ2試験であるNAVIGATE試験(NCT02637687)に参加したTRK融合遺伝子陽性癌(中枢系以外)患者55人を対象にした主要解析コホートの結果に基づき、米国で2018年に承認されている(Drilon A et al. NEJM. 2018)。今回発表されたのは、解析対象となった55人の長期観察の結果と、同時に発生していた遺伝子変異に関するデータ。

 試験では、各施設で遺伝子検査を受けた成人と小児がラロトレクチニブの投与を受けた。成人には100mgが1日2回、小児には100mg/m2(最大で100mgを1日2回まで)が投与された。

 主要解析コホートの55人は、唾液腺癌(12人)、軟部肉腫(11人)など17種類の癌種から構成されていた。年齢中央値は45歳(0.3-76)。女性が26人(47%)で、全身治療歴数中央値は2(0-10)、3以上が35%を占めていた。NTRK1融合遺伝子陽性は45%、NTRK2融合遺伝子陽性は2%、NTRK3融合遺伝子陽性は53%だった。

 今回発表されたのは、以前に行われた主要解析よりも2年間観察期間を延長した、データカットオフが2019年7月15日の結果。奏効率は80%(95%信頼区間:67-90)で主要解析と同じだったが、13人(24%)が完全奏効(CR)、31人(56%)が部分奏効(PR)、5人が病勢安定(SD)で、以前の解析時点から4人がPRからCRになった。主要解析時点では36人(65%)で投薬が継続されていたが、今回の解析においては22人(40%)で投薬が継続されていた。

 長期間観察の結果、奏効期間(観察期間中央値29.3カ月)中央値は35.2カ月(95%信頼区間:19.8-NE)で、24カ月DOR率は61%、無増悪生存期間(観察期間中央値31.4カ月)中央値は25.8カ月(95%信頼区間:9.9-NE)、24カ月PFS率は55%だった。OS中央値(観察期間中央値32.5カ月)は未到達(95%信頼区間:44.4-NE)で、36カ月OS率は76%(95%信頼区間:63-89)だった。

 ラロトレクチニブの投与を受けた279人で、薬剤関連の副作用は主にグレード1か2だった。グレード3または4の副作用が発現したのは15%。治療関連の副作用で投薬中止となったのは6人(2%)だけだった。2年の追加観察で新たな安全性の問題は認められなかった。

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