このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/04/13

切除不能肝細胞癌へのアテゾリズマブとベバシズマブの併用はリスクに関わらずソラフェニブよりも有効【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 全身治療を受けたことのない切除不能肝細胞癌(HCC)への抗PD-L1抗体アテゾリズマブベバシズマブの併用療法が、ソラフェニブを投与する場合よりも有効なことは、高リスクの患者と高リスクではない患者のどちらでも認められることが明らかとなった。世界規模で実施された多施設オープンラベルフェーズ3試験であるIMbrave150試験のアップデート解析で、リスク別の結果から示された。

 4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、米UCLA Jonsson Comprehensive Cancer CenterのRichard S. Finn氏が発表した。

 IMbrave150試験は、治療を受けたことのない切除不能HCC患者を、アテゾリズマブとベバシズマブの併用群(アテゾリズマブ群)と対照群であるソラフェニブ投与群(ソラフェニブ群)に2対1で割り付けて行われた。観察期間中央値8.6カ月で行われた主要解析の結果、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)について、アテゾリズマブ群が有意に良好だったことが既に発表されている(関連記事)。OSのハザード比は0.58(95%信頼区間:0.42-0.79)、PFSのハザード比は0.59(95%信頼区間:0.47-0.76)だった。

 主要解析の時点からさらに12カ月観察期間を延長した観察期間中央値15.6カ月(データカットオフは2020年8月31日)でもOSとPFSの延長効果が認められることは、2021 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2021)で発表されていた(関連記事)。

 今回発表されたのは、2020年8月31日データカットオフのデータを高リスク患者と高リスクではない患者に分けて解析した結果。高リスク患者は、門脈本幹への腫瘍浸潤かつ/または対側門脈枝への浸潤(Vp4)、胆管浸潤、腫瘍の占有領域が肝臓の50%以上のいずれかまたは複数有している患者と定義された。

 ITTのうちアテゾリズマブ群の64人(19%)、ソラフェニブ群の37人(22%)が高リスク患者だった。両群合わせて10人が胆管浸潤、73人がVp4、31人が肝臓の50%以上が腫瘍だった。それぞれの割合は両群で同等だった。アテゾリズマブ群の9人とソラフェニブ群の4人は2つ(Vp4と肝臓の50%以上が腫瘍)の高リスク因子を有していた。全体でみると高リスク患者は高リスクではない患者に比べて、PS 1、BCLC-C、AFP 400ng/mL以上の患者、肝外病変かつ/または門脈侵襲がある患者の割合が多かった。

 OS、PFSと奏効率は、高リスク患者と高リスクではない患者のどちらでもアテゾリズマブ群の方が良好だった。

 高リスク患者のOS中央値は、アテゾリズマブ群(64人)が7.6カ月(95%信頼区間:6.6-12.8)、ソラフェニブ群(37人)が5.5カ月(95%信頼区間:4.1-6.7)で、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.39-1.00)だった。高リスクではない患者のOS中央値は、アテゾリズマブ群(272人)が22.8カ月(95%信頼区間:19.1-24.9)、ソラフェニブ群(128人)が15.7カ月(95%信頼区間:13.2-19.0)で、ハザード比0.68(95%信頼区間:0.51-0.91)だった。

 高リスク患者のPFS中央値は、アテゾリズマブ群が5.4カ月(95%信頼区間:4.1-6.9)、ソラフェニブ群が2.8カ月(95%信頼区間:2.5-5.3)で、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.47-1.17)だった。高リスクではない患者のPFS中央値は、アテゾリズマブ群が7.2カ月(95%信頼区間:6.5-9.6)、ソラフェニブ群が4.4カ月(95%信頼区間:4.0-5.8)で、ハザード比0.61(95%信頼区間:0.48-0.78)だった。

 高リスク患者の確定奏効率は、アテゾリズマブ群が25%(完全奏効は8%)、ソラフェニブ群が14%(完全奏効は3%)、高リスクではない患者の確定奏効率は、アテゾリズマブ群が31%(完全奏効は8%)、ソラフェニブ群が10%(完全奏効は0%)だった。

 高リスク患者の奏効期間中央値は、アテゾリズマブ群が16.3カ月(95%信頼区間:13.5-NE)、ソラフェニブ群が16.5カ月(95%信頼区間:3.9-NE)だった。高リスクではない患者の奏効期間中央値は、アテゾリズマブ群が19.0カ月(95%信頼区間:14.6-NE)、ソラフェニブ群が12.6カ月(95%信頼区間:4.9-17.0)だった。

 アテゾリズマブ群でグレード3/4の薬剤関連副作用が発現したのは、高リスクではない患者で269人中122人(45%)、高リスク患者で60人中21人(35%)だった。薬剤関連のグレード5は2%ずつだった。アテゾリズマブ群の高リスク群で上部消化管の出血のグレード5が多く認められたが、全員ベースラインでVp4で、薬剤関連とみなされたものはなかった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ