このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/04/12

切除可能NSCLCの術前療法でニボルマブと化学療法併用のpCR率は24%、化学療法のみとのオッズ比は13.94【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 切除可能非小細胞肺癌(NSCLC)に対する術前療法として、病期やPD-L1発現の度合い、腫瘍変異量(TMB)の多少に関わらず、ニボルマブと化学療法を併用投与すると、化学療法のみの場合に比べて有意に高い病理学的完全奏効(pCR)率が得られることが明らかとなった。フェーズ3試験であるCheckMate -816試験の結果示された。全体として、併用投与群のpCR率は24.0%、化学療法のみ群は2.2%でオッズ比は13.94となった。

 4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、米Johns Hopkins Kimmel Cancer CenterのPatrick M. Forde氏が発表した。

 CheckMate -816試験は、IB期(4cm以上)からIIIA期の切除可能NSCLC患者を対象に行われている無作為化オープンラベルフェーズ3試験。ECOG PS 0-1でEGFR/ALK変異のない358人を、術前療法として白金系抗癌薬ベースの2剤併用化学療法とニボルマブを投与する群(ニボルマブ併用群、179人)と、白金系抗癌薬ベースの2剤併用化学療法のみの群(化学療法のみ群、179人)に割り付けて行われた。ニボルマブ360mgと組織型に合わせた化学療法、または組織型に合わせた化学療法のみが3週おきに最大3サイクル投与され、その後手術が行われた。層別因子は、病期(IB/IIとIIIA)、PD-L1発現(1%以上と未満)と性別だった。

 試験の主要評価項目は、盲検下独立中央判定によるpCR(原発巣と調べたリンパ節の両方で残存癌が0%)率と無イベント生存期間(EFS)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、major pathologic response(MPR、原発巣と調べたリンパ節の両方で残存癌が10%以下)、死亡または遠隔転移までの期間などだった。探索的評価項目は、盲検下独立中央判定による奏効率とPD-L1、TMBを含むバイオマーカーの予測因子としての評価だった。

 両群の患者背景に差は概してなかった。女性は約3割、アジア人が半数、約6割がIIIA期、扁平上皮癌が半数、PD-L1発現1%以上が50%、TMB 12.3mut/MBが約20%だった。

 データベースロックは2020年9月16日。両群とも7.6カ月以上の観察期間があった。試験の結果、ITTでニボルマブ併用群のpCR率は24.0%、化学療法のみ群が2.2%で、オッズ比13.94(99%信頼区間:3.49-55.75)、p<0.0001で有意にニボルマブ併用群で高かった。根治切除が行われた患者(ypT0N0)におけるpCR率は、ニボルマブ併用群が30.5%、化学療法のみ群が3.2%、ITTで原発巣のみの患者(ypT0)におけるpCR率は、ニボルマブ併用群が25.7%、化学療法のみ群が2.8%だった。

 根治手術が行われたのは、ニボルマブ併用群が83%、化学療法のみ群が75%だった。R0切除率はニボルマブ併用群が83%、化学療法のみ群が78%。副作用で手術が中止となったのは各群2人ずつ、病勢進行で手術が中止となったのは、ニボルマブ併用群が12人(7%)、化学療法のみ群が17人(9%)だった。

 病期、組織型でpCR率に差はなかった。IB/II期の患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は26%、化学療法のみ群が5%、IIIA以上の患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は23%、化学療法のみ群が1%だった。扁平上皮癌患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は25%、化学療法のみ群が4%、非扁平上皮癌患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は23%、化学療法のみ群が0%だった。

 PD-L1発現が1%未満の患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は17%、化学療法のみ群が3%、1%以上の患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は33%、化学療法のみ群が2%で、1%以上の患者でニボルマブ併用群の方が高かったが、pCR改善効果はPD-L1の発現度合いに関わらず認められた。低TMB患者(12.3mut/Mb未満)におけるニボルマブ併用群のpCR率は22%、化学療法のみ群が2%、高TMB患者におけるニボルマブ併用群のpCR率は31%、化学療法のみ群が3%で、高TMB患者でニボルマブ併用群の方がやや高かったが、pCR改善効果はPD-L1の発現度合いに関わらず認められた。

 ITTにおけるMPR率は、ニボルマブ併用群が36.9%、化学療法のみ群が8.9%、オッズ比は5.70(95%信頼区間:3.16-10.26)だった。奏効率はニボルマブ併用群が54%、化学療法のみ群が37%。画像学的にダウンステージとなったのは、ニボルマブ併用群が31%、化学療法のみ群が24%だった。

 ctDNAの評価が可能だった患者において、1サイクル目の1日目から3サイクル目の1日目でctDNAが検出されなかった患者の割合は、ニボルマブ併用群(43人)が56%、化学療法のみ群(44人)が34%だった。ctDNAが検出されなくなった患者におけるpCR率は、ニボルマブ併用群が46%、化学療法のみ群が13%だった。

 グレード3/4の薬剤関連の副作用発現率は、ニボルマブ併用群が34%、化学療法のみ群が37%、グレード3/4の手術関連の副作用発現率は、ニボルマブ併用群が11%、化学療法のみ群が15%だった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ