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2021/04/12

PI3K阻害薬copanlisibとリツキシマブの併用はインドレントリンパ腫の増悪または死亡のリスクを48%低減【AACR 2021】

横山勇生=編集委員

 少なくとも1ライン以上のリツキシマブを含む治療を受けたインドレント非ホジキンリンパ腫に対して、αとδアイソフォームを強く阻害するPI3K阻害薬copanlisibとリツキシマブの併用療法は、プラセボとリツキシマブの投与に比べて増悪または死亡のリスクを48%低減できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるCHRONOS-3試験の結果示された。全ての種類のインドレント非ホジキンリンパ腫に対して、リツキシマブとの併用でPI3K阻害薬の有効性が示されたのは初めて。

 4月10日から15日に開催されているWeek 1 of the virtual American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR 2021)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのMattew J. Matasar氏が発表した。

 CHRONOS-3試験で、copanlisibとリツキシマブの併用療法が無増悪生存期間(PFS)を有意に延長できたことは既に発表されており、今回試験結果の詳細が発表された。(関連記事)。

 CHRONOS-3試験は、少なくとも1ラインのリツキシマブを含む治療を受けた再発インドレント非ホジキンリンパ腫患者を、copanlisibとリツキシマブの併用療法群(copanlisib群、307人)とプラセボとリツキシマブの併用群(プラセボ群、151人)に2対1で割り付けて行われた無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験。最後のリツキシマブベースの治療の後で12カ月以上無増悪または無治療か、化学療法が適さない/希望しない患者を対象とした。

 copanlisib 60mgかプラセボが、28日間を1サイクルとして1日目、8日目、15日目に投与された。リツキシマブは、375mg/m2を1サイクル目は1日目、8日目、15日目、22日目に投与され、3サイクル目、5サイクル目、7サイクル目、9サイクル目の1日目に投与された。主要評価項目は中央判定によるPFS。副次評価項目は、奏効率/病勢コントロール率、奏効期間、完全奏効率(CR率)、全生存期間(OS)、安全性などだった。

 患者は、全体として濾胞性リンパ腫(FL、グレード1-3a)が60.0%、辺縁帯リンパ腫(MZL)が20.7%、小リンパ球性リンパ腫(SLL)が10.9%、リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(LPL/WM)が8.3%だった。患者の年齢中央値は63歳(28-91)。患者背景には両群で差はなかった。

 試験の結果、観察期間中央値は19.2カ月で、PFS中央値はcopanlisib群が21.5カ月(95%信頼区間:17.8-33.0)、プラセボ群が13.8カ月(95%信頼区間:10.2-17.5)、ハザード比0.520(95%信頼区間:0.393-0.688)、片側p<0.0001で有意にcopanlisib群で改善していた。copanlisib群は、増悪または死亡のリスクが48%減少していた。サブグループ解析は全てでcopanlisib群が優位だった。

 copanlisibのPFS改善効果は全てのサブタイプで認められた。FLのハザード比は0.58(95%信頼区間:0.40-0.83)でp=0.001、MZLのハザード比は0.48(95%信頼区間:0.25-0.92)でp=0.012、SLLのハザード比は0.24(95%信頼区間:0.11-0.53)でp<0.0001、LPL/WMのハザード比は0.44(95%信頼区間:0.16-1.23)でp=0.054だった。LPL/WMのみ有意差はつかなかったが、患者数が少なかったためだとしている。

 copanlisib群の奏効率は81%(CR率は34%)、プラセボ群の奏効率は48%(CR率は15%)で有意にcopanlisib群で高かった。また、全てのサブタイプで奏効率、CR率はcopanlisib群が高かった。観察期間中央値20.0カ月で、奏効期間中央値はcopanlisib群が20.4カ月、プラセボ群が17.3カ月だった。観察期間中央値30.1カ月でOSはイマチュアだった。copanlisib群の14.0%、プラセボ群の13.2%が死亡していた。

 投薬中に多く認められた副作用は、copanlisib群が高血糖、高血圧、下痢、プラセボ群が高血糖、高血圧、好中球減少症、上気道感染症だった。重篤な副作用発現率は、copanlisib群が47.2%とプラセボ群の18.5%より高かった。副作用で投薬中止となったのは、copanlisib群が31.3%、プラセボ群が8.2%だった。投薬中のグレード5はcopanlisib群で6人(薬剤関連が疑われたのは1人で肺炎)、プラセボ群で1人に起きた。

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