第一三共と英AstraZeneca社は3月29日、抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、DS-8201)について、HER2変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)の2次治療以降としての有効性と安全性を評価する世界規模で実施のフェーズ2試験であるDESTINY-Lung02試験で、最初の患者に投与が行われたと発表した。
DESTINY-Lung02試験は、前治療として白金系抗癌薬を入れた化学療法を含む1レジメン以上の抗癌薬治療中、または治療後再発、もしくは病勢進行が認められたHER2変異陽性進行NSCLC患者を対象に行われる。患者は、T-DXdを3週間に1回、5.4mg/kg投与する群と6.4mg/kgを投与する群に2対1に割り付けられる。
主要評価項目は、盲検下独立中央判定による奏効率。副次評価項目は、病勢コントロール率、奏効期間、無増悪生存期間(PFS)、研究グループの評価による奏効率、全生存期間(OS)、薬物動態、奏効までの期間、QOL、安全性など。北米、欧州、アジア太平洋地域を含む複数施設で約150人が登録される予定。
標準治療で再発・難治性のHER2遺伝子変異陽性のNSCLCにT-DXdが高い奏効率を示すことは、DESTINY-Lung01試験の中間解析で既に示されている(関連記事)。