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2021/03/22

再発卵巣癌へのニラパリブの維持療法はPFS2を延長、OSはBRCA遺伝子変異がある患者で延長【SGO 2021】

横山勇生=編集委員

 白金系抗癌薬感受性再発卵巣癌の患者に対するPARP阻害薬ニラパリブの維持療法は、プラセボと比べて2度目の増悪または死亡までの期間(PFS2)を延長することが明らかとなった。全生存期間(OS)については生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異がある患者で延長が認められた。一方、長期間の安全性の解析でニラパリブの忍容性が確認され、維持療法の最初の1年の後は血液学的な副作用は減少することが分かった。フェーズ3試験であるENGOT-OV16/NOVA試験のアップデート解析の結果示された。

 3月19日からバーチャル形式で開催されている米国婦人科腫瘍学会(2021 Annual Meeting on Women’s Cancer:SGO 2021)で、米Dana-Farber Cancer InstituteのUrsula A.Matulonis氏が発表した。

 ENGOT-OV16/NOVA試験では白金系抗癌薬感受性の再発卵巣癌患者を対象に、白金系抗癌薬を含む化学療法後の維持療法として、ニラパリブの有効性と安全性を評価した。gBRCA遺伝子変異の有無で、患者をgBRCAmutとNon-gBRCAmutの2つのコホートに分け、各コホートでニラパリブを投与する群(ニラパリブ群)とプラセボを投与する群(プラセボ群)に無作為に割り付けた。

 試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、どちらのコホートでも有意にニラパリブ群で延長すること(ハザード比はgBRCAmutコホート0.27、Non-gBRCAmutコホート0.45)がすでに発表されている(関連記事)。今回発表されたのは副次評価項目である安全性とPFS2、OSのアップデートの結果。PFS2とOSについては統計学的に有意差を示せる設定にはなっていなかった。

 ENGOT-OV16/NOVA試験はクロスオーバーを認めていなかったが、増悪または試験から外れた後に医師の判断でPARP阻害薬の投与ができた。プラセボ群の約25%の患者で後治療としてPARP阻害薬が投与されていた。また中止増悪後のPARP阻害薬投与の有無の情報がプラセボ群の約28%の患者で得られなかった。

 これらの状況を受けてOSの解析は、まず欠失したデータを調整し、次にIPCW法を用いて後治療の調整を行った。比例ハザード性が成り立たない場合の代替指標として、RMST(restricted mean survival time)解析を行うこととした。

 最終データカットオフは2020年10月1日で、OSの観察期間の平均は5.6年だった。

 解析の結果、PFS2はNon-gBRCAmutコホートのハザード比が0.81(95%信頼区間:0.632-1.050)、gBRCAmutコホートのハザード比が0.67(95%信頼区間:0479-0.948)とニラパリブ群で良好だった。

 Non-gBRCAmutコホートのOS中央値はニラパリブ群が31.1カ月、プラセボ群が36.5カ月、ハザード比1.10(95%信頼区間:0.831-1.459)だった。IPCW法による調整後のプラセボ群のOS中央値は35.9カ月で、調整後のハザード比は0.97(95%信頼区間:0.74-1.26)でいずれも差は認められなかった。ITTを対象にRMST解析を行ったところ、24カ月時点の境界内平均生存期間は、プラセボ群が20.6カ月、ニラパリブ群が21.3カ月とニラパリブ群が0.7カ月長かった。72カ月時点の境界内平均生存期間は、プラセボ群が39.1カ月、ニラパリブ群が38.5カ月とニラパリブ群が0.7カ月短かった。

 gBRCAmutコホートのOS中央値はニラパリブ群が43.6カ月、プラセボ群が41.6カ月、ハザード比0.93(95%信頼区間:0.633-1.355)で差がなかった。IPCW法による調整後のプラセボ群のOS中央値は34.1カ月で、調整後のハザード比は0.66(95%信頼区間:0.44-0.99)とニラパリブ群で良好だった。

 安全性に関する長期解析の結果、ニラパリブ群の血液学的な副作用は主に最初の1年で発現していた。グレード3以上の血小板減少症の発現率は最初の1年が33.8%だったが、2年目から3年目の発現率は2.8%となった。貧血も25.6%から0.7%、好中球減少症も19.3%から2.1%となっていた。骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病の発現率はニラパリブ群が3.5%、プラセボ群が1.7%だった。

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