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2021/03/20

2レジメン以上の化学療法歴のあるBRCA変異陽性卵巣癌へのrucaparib投与はPFSを有意に延長【SGO 2021】

横山勇生=編集委員

 2レジメン以上の化学療法歴がありBRCA1/2遺伝子に変異を有する高グレードの上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌でPARP阻害薬の投与歴がない患者に対して、PARP阻害薬rucaparibの投与は標準的な化学療法よりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが明らかとなった。無作為化オープンラベル国際多施設フェーズ3試験であるARIEL4試験の結果示された。

 3月19日からバーチャル形式で開催されている米国婦人科腫瘍学会(2021 Annual Meeting on Women’s Cancer:SGO 2021)で、英Guy's and St. Thomas'NHS FoundationのRebecca Kristeleit氏が発表した。

 ARIEL4試験は、患者をrucaparib 600mgを1日2回投与される群(rucaparib群、233人)と標準的な化学療法を受ける群(化学療法群、116人)に2対1で割り付けて行われた。患者は、白金系抗癌薬抵抗性、白金系抗癌薬部分感受性、白金系抗癌薬感受性で層別されていた。化学療法群の白金系抗癌薬抵抗性と白金系抗癌薬部分感受性の患者にはパクリタキセルが投与され、白金系抗癌薬感受性患者には医師の選択による白金系抗癌薬ベースの化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン単剤、白金系抗癌薬ベースの2剤併用療法)が投与された。化学療法群の患者にはrucaparibへのクロスオーバーが認められていた。

 試験治療開始前に、BRCA遺伝子の復帰変異(reversion mutation)の状態を調べるために血漿検体が採取された。試験の主要評価項目は、研究グループの評価によるPFSだった。副次評価項目は奏効率、安全性など。なお試験には日本の施設は参加していない。

 両群の患者背景に差はなかった。上皮性卵巣癌はrucaparib群の94.4%、化学療法群の95.7%、組織型は漿液がrucaparib群の89.3%、化学療法群の90.5%だった。化学療法歴数が2だったのはrucaparib群が57.5%、化学療法群が58.6%、3から5だったのはrucaparib群が37.8%、化学療法群が37.9%だった。両群とも約半数が白金系抗癌薬抵抗性だった。

 試験の結果、BRCA遺伝子の復帰変異があった患者とBRCA変異ではなかった患者を除いた患者(rucaparib群220人、化学療法群105人)を対象にした評価で、PFS中央値はrucaparib群が7.4カ月(95%信頼区間:7.3-9.1)、化学療法群が5.7カ月(95%信頼区間:5.5-7.3)で、ハザード比0.64(95%信頼区間:0.49-0.84)、p=0.001で有意にrucaparib群が良好だった。ITTでのPFS中央値はrucaparib群が7.4カ月(95%信頼区間:6.7-7.9)、化学療法群が5.7カ月(95%信頼区間:5.5-6.7)で、ハザード比0.67(95%信頼区間:0.52-0.86)、p=0.002で有意にrucaparib群が良好だった。

 なお、BRCA遺伝子の復帰変異があった患者(rucaparib群13人、化学療法群10人)におけるPFS中央値はrucaparib群が2.9カ月(95%信頼区間:1.8-4.2)、化学療法群が5.5カ月(95%信頼区間:1.9-6.6)で、ハザード比2.77(95%信頼区間:0.99-7.76)でrucaparib群の方が悪かった。BRCA遺伝子の復帰変異があった患者でrucaparib抵抗性であることを示した初めての前向き試験の報告になるという。

 奏効率はrucaparib群が40.3%、化学療法群が32.3%、p=0.13で有意な差はなかった。奏効期間中央値は、rucaparib群が9.4カ月(95%信頼区間:7.5-11.1)、化学療法群が7.2カ月(95%信頼区間:4.0-11.4)で、ハザード比0.59(95%信頼区間:0.36-0.98)でrucaparib群の方が良かった。

 EORTC-QLQ-C30のGlobal Health Statusの変化は両群で差はなかった。

 rucaparibの安全性プロファイルは従来報告されているものと一致していた。

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