このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2021/03/17

ペグフィルグラスチム7.2mgの単回投与で十分な末梢血中への造血幹細胞の動員が確認【EBMT 2021】

横山勇生=編集委員

 持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチム7.2mgの単回投与で、十分に末梢血中への造血幹細胞の動員ができ、安全性にも問題がないことが明らかとなった。日本人の健康なボランティアを対象にした前向き単群フェーズ2試験(NCT03993639)で示された。47th Annual Meeting the European Group for Blood and Marrow Transplantation(EBMT 2021、第47回欧州骨髄移植学会議)で、北海道大学の後藤秀樹氏が発表した。

 発表された結果に基づいて協和キリンは、ペグフィルグラスチムの同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員に関する適応拡大申請を3月11日に行った(関連記事)。承認されれば世界初の適応となり、ドナーの負担が少なくて済むペグフィルグラスチムを利用できるようになる。

 今回発表されたフェーズ2試験は、少量のpegfilgrastimでもCD34陽性細胞が末梢血中に動員されるかを検証した先行研究の結果に基づいて実施された。

 20歳以上55歳以下で体重が40kg以上80kg以下の健康な男女(男性の場合は体重45kg以上)を対象に行われ、主要評価項目は末梢血中のCD34陽性細胞数が20×106/Lを超えた患者の比率、その他の評価項目は脾臓の大きさ、白血球数、安全性だった。試験は用量を決めるパイロットフェーズと評価フェーズから構成されていた。パイロットフェーズは、ペグフィルグラスチムの投与量を3.6mg(ステップ1)、7.2mg(ステップ2)、10.8mg(ステップ3)に変えて6人ずつで行う予定だったが、7.2mgで十分な動員が認められたことから、ペグフィルグラスチムの投与量7.2mgで評価フェーズ(ステップ4、23人)が行われた。

 患者背景は、ステップ1(6人)の年齢中央値は29.0歳(21-39)、全員が男性でBMI中央値は21.3、ベースラインのCD34陽性細胞数中央値は1.4×106/Lだった。ステップ2(6人)の年齢中央値は29.5歳(20-37)、全員が男性でBMI中央値は21.9、ベースラインのCD34陽性細胞数中央値は1.9×106/Lだった。ステップ4(23人)の年齢中央値は27.0歳(20-50)、15人が男性でBMI中央値は22.4、ベースラインのCD34陽性細胞数は1.7×106/Lだった。全員がペグフィルグラスチムの投与を受けた。

 試験の結果、ステップ1の末梢血中のCD34陽性細胞数が20×106/Lを超えた患者の比率は、4日目が83.3%、5日目が83.3%、6日目が66.7%、ステップ2は4日目が100%、5日目が100%、6日目が100%、ステップ4は4日目が100%、5日目が100%、6日目が100%となり、ペグフィルグラスチムの投与量7.2mgで十分な末梢血中への造血幹細胞動員が確認された。また、末梢血中のCD34陽性細胞数がピークになる日の中央値は5日目で、ステップ1の6人中4人(66.7%)、ステップ2の6人中4人(66.7%)、ステップ4の23人中21人(91.3%)が5日目にピークを迎えていた。

 白血球数がピークになる日の中央値は4日目だった。血小板数が最低となった日の中央値は10日目だった。脾臓の大きさが50%以上変化したのは、ステップ1が2人(33.3%)、ステップ2が1人(16.7)、ステップ4が6人(26.1%)だった。

 薬物関連の副作用で多く認められたのはALP上昇、LDH上昇、血小板数減少、尿酸値上昇などだったが軽度だった。背痛、頭痛なども認められた。

 研究グループは今回の試験の注意すべき点として、幹細胞の収集と同種骨髄移植は行われていないことをあげた。

 後藤氏は「現在、コロナの影響で骨髄バンクドナーが幹細胞提供につながる数が減ってきている。また、若年ドナーが1週間の休暇をとってドナーになるのが困難なケースも多く、今回の研究成果は、白血病患者に1人でも多くのドナー候補が見つかることに寄与すると考えている」とコメントした。

この記事を友達に伝える印刷用ページ