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2021/02/22

がんゲノム医療中核拠点病院のゲノムプロファイリング検査で遺伝子異常に合った投薬は3.7%【日本臨床腫瘍学会 2021】

横山勇生=編集委員

 2019年6月から2020年1月までに、がんゲノム医療中核拠点病院11施設で実施されたエキスパートパネルで検討されたゲノムプロファイリング検査のうち、遺伝子異常に合った投薬は3.7%だった。また、模擬症例2例を使って各施設のエキスパートパネルでの推奨治療を比較したところ、施設によって差があることも明らかとなった。厚生労働省科学研究費「がんゲノム医療に携わる医師等の育成に資する研究」の下で実施された調査によるもの。

 2月18日から21日までバーチャル形式で開催された日本臨床腫瘍学会(JSMO 2021)で、国立がん研究センター中央病院の角南久仁子氏が発表した。

 2019年6月に2 つのがんゲノムプロファイリング検査が保険適用となり、がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院で実施されている。中核拠点病院・拠点病院で実施されるエキスパートパネルが検査結果を検討し、見出された遺伝子異常に合致した推奨治療や、遺伝相談外来受診の要否を判断している。

 今回実施された調査は、各施設のエキスパートパネルの現状や判断の差異について評価することを目的としたもの。開始から間もなかったため、施設による実施件数は、最も少ない施設の5件から最も多い施設の172件と差がある状態だった。

 調査の結果、11施設で747件のゲノムプロファイリング検査が行われ、その結果遺伝子異常に合った投薬がされたのは28件(3.7%)、遺伝相談外来の受診に結び付いたのは18件(2.4%)だった。28件のうち16件は治験に参加して投薬を受けた。承認された医薬品を投与されたのは8件、適応外使用で投与されたのは3件、1件は不明だった。ERBB2異常に対してHER2阻害薬を投与した例が最も多く6件で、次いでFGFR/FGF異常でFGFR阻害薬を投与したのが4件だった。

 次に大腸癌と乳癌の模擬症例各1例に対して、各施設のエキスパートパネルがどのような治療を推奨するかを調べたところ、施設によって差があることが分かった。特に施設による治験の情報量の差が推奨治療の差につながっている可能性が指摘された。

 今後は、各種がんで代表的な遺伝子異常を有する模擬症例50例を作成し、それに対して中核拠点病院の代表者によるエキスパートパネルを実施して推奨治療の合意案を定める。そして、合意案を伏せた状態で中核拠点病院に模擬症例50 例を配布し、各エキスパートパネルの推奨治療の差異を評価するとともに、合意案を用いた教育セミナーなどを実施してエキスパートパネルの標準化を目指す。また、中核拠点病院12施設について2020年2月から2021年1月の期間におけるエキスパートパネルの実績調査も進めているという。

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