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2021/02/20

進行・再発の肺肉腫様癌に対しても抗PD-1抗体が有効なことが前向き試験で初めて確認【日本臨床腫瘍学会 2021】

横山勇生=編集委員

 予後不良な進行・再発肺肉腫様癌に対しても抗PD-1抗体が有効なことが、前向き試験で初めて示された。多施設共同オープンラベル単群フェーズ2試験であるNCCH1703 試験とNCCH1603試験の予備的なデータから明らかとなった。2月18日から21日までバーチャル形式で行われている日本臨床腫瘍学会(JSMO 2021)で、国立がん研究センター中央病院の板橋耕太氏が発表した。

 肺肉腫様癌は、全肺腫瘍の1%未満を占める、非常にまれなタイプの肺癌。非小細胞肺癌の一亜型だが、従来の殺細胞性抗癌剤による化学療法はほとんど効果が期待できず、予後不良な腫瘍であることが知られている。

 発表された2件の臨床試験は、進行・再発肺肉腫様癌の症例に対する抗PD-1抗体の有効性を評価するために行われた。NCCH1703試験は、EGFR変異やALK転座がなく腫瘍上のPD-L1発現割合が50%以上で、抗癌剤による治療歴がない患者を対象とし、ペムブロリズマブ200mgが3週おきに投与された。NCCH1603試験は、PD-L1発現状態に関わらず、1レジメン以上の全身治療歴がある患者を対象とし、ニボルマブ3mg/kgか240mgが2週おきに投与された。NCCH1603試験には、EGFR変異、ALK転座を有する患者の参加も認められていた。

 両試験とも主要評価項目は中央判定による奏効率。副次評価項目は、研究グループの評価による奏効率、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性だった。

 2017年7月から2020年3月までに、全国34施設でNCCH1703試験に22人、NCCH1603試験に13人が登録された。肺癌の1次治療での免疫チェックポイント阻害薬の使用が標準となり、NCCH1603試験の患者登録が困難になったことから、NCCH1703試験の完遂に合わせてNCCH1603試験は途中中止となった。

 試験の結果、研究グループの評価による奏効率は、NCCH1703試験で68.2%(95%信頼区間:45.1-86.1)、NCCH1603試験で30.8%(95%信頼区間:9.1-61.4)と良好な抗腫瘍効果が認められた。完全奏効は、NCCH1703試験で2人(9.1%)、NCCH1603試験で2人(15.4%)に認められた。DCRは、NCCH1703試験で81.8%(95%信頼区間:59.7-94.8)、NCCH1603試験で53.8%(95%信頼区間:25.1-80.8)だった。両試験ともに持続的な奏効が認められた。

 NCCH1703試験のPFS中央値は15.2カ月(95%信頼区間:4.3-NR)、12カ月PFS率は57.3%、24カ月PFS率は35.7%だった。NCCH1603試験のPFS中央値は2.3カ月(95%信頼区間:0.9-NR)、12カ月PFS率、24カ月PFS率はともに30.8%だった。

 グレード3/4の副作用発現率は、NCCH1703試験が13.6%、NCCH1603試験が7.7%だった。

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